【動画まとめ】3月18、19日公開 映画紹介&予告編 「ちはやふる」「僕だけがいない街」「リリーのすべて」「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」「プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」「父を探して」

「ちはやふる-上の句-」 広瀬すず、野村周平、真剣佑ら若手の演技がみずみずしい青春映画

 末次由紀さんの人気マンガを女優の広瀬すずさんの初主演で実写化した映画「ちはやふる」(小泉徳宏監督)の2部作の前編「上の句」が3月19日に公開される。主人公・千早を演じる広瀬さんをはじめ、太一を演じる野村周平さん、新(あらた)を演じる真剣佑さんら今をときめく若手俳優が顔をそろえた。世間にはあまりなじみのない「競技かるた」を題材にした高校生たちの青春映画だ。

 「ちはやふる」は、末次さんが2007年からマンガ誌「BE・LOVE」(講談社)で連載中で、コミックスは31巻まで発売され、累計発行部数は1600万部を超えるベストセラーマンガ。2010年には「このマンガがすごい!オンナ編」第1位を獲得した。主人公の千早が、転校生の新との出会いを通じて競技かるたの魅力に目覚め、幼なじみの太一らかるた部の個性的なメンバーたちとともにかるたに情熱を燃やす姿を描いている。

 実写化にあたっては「タイヨウのうた」(2006年)や「カノジョは嘘を愛しすぎてる」(13年)など青春映画で知られる小泉監督が手がけた。小泉監督は今作で取り扱う百人一首という“歌”に引かれたという。「一つ一つに深い意味が込められた歌はある種、音楽のようだ」と感じた。ただ、競技かるたは1秒未満のスピードで競う世界。そこで1秒に1000コマ撮影できるハイスピードカメラ「ファントム」を使用した。そしてCG(コンピューターグラフィックス)に頼らず、極力実写を使って迫力の競技シーンを生み出すことに成功した。

 そこに若手で勢いのある広瀬さん、野村さん、今作でメガネ男子を演じ人気が出そうな真剣佑さんらのみずみずしい演技、センスを感じる音楽が加わり、“最強”の青春映画が出来上がった。原作はコミックス30巻以上という長いストーリーのため、映画の前編「上の句」は東京都大会決勝まで、「下の句」は初の全国大会までを描いているが、それぞれのラストに山場とカタルシスがあり、どちらかだけを見ても1本の映画として成立している。同じカルタ部の部員を演じる上白石萌音さん、矢本悠馬さん、森永悠希さんらのキャラクターは、原作と似ていない部分もあるが、それぞれに個性的で魅力があり、またライバル役の清水尋也さん、松岡茉優さんの存在感も際立っている。

 大ヒットマンガを映画化するのはプレッシャーがあっただろう。だが、原作をなぞることに終始せず、新たな熱い青春物語として成立させた小泉監督の手腕に拍手を送りたい。「ちはやふる-上の句-」は19日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。(細田尚子/MANTAN)

「僕だけがいない街」 藤原竜也&有村架純初共演 二つの時代を行き来し愛する人を守る姿

藤原竜也、有村架純が出演!主題歌は新人・栞菜智世 映画「僕だけがいない街」本予告編

 「このマンガがすごい!」(宝島社発行)に3年連続でランクインした三部けいさんのヒットマンガを実写化した「僕だけがいない街」(平川雄一朗監督)が3月19日から公開される。母親を殺された主人公が、時間が巻き戻る“リバイバル”という現象を利用して過去に戻り、事件の真相を探るミステリー作だ。「カイジ 人生逆転ゲーム」(2009年)などマンガ原作の実写化作品に出演している藤原竜也さんと、「ビリギャル」(15年)の有村架純さんが初共演した。

 売れないマンガ家の悟(藤原さん)は、ピザ屋でアルバイトをしている。ある日、配達の途中で悪いことが起きる予感がした悟は、未然に防ぐまで時間が巻き戻る“リバイバル現象”を活用して、事故を未然に防ぐことができたが、自身はけがをしてしまう。病室で目覚めると、バイト仲間の愛梨(有村さん)が心配そうに付き添っていた。看病のために悟の家へやって来た母親の佐知子(石田ゆり子さん)と過ごした時間もつかの間、突然母親を殺された悟は、犯人として指名手配されてしまう……という展開。

 母親を何者かに殺された青年・悟が、大人の意識のまま、小学生時代に戻って事件の真相に迫ろうとする物語。二つの時代を行き来する悟が、愛する人を守ろうと必死になる姿が浮かび上がってくる。長い連載のマンガを映画化によって縮めているので、展開は少々急ぎ過ぎる感があるが、子役の演技が印象に残る。10歳の悟を演じるのは、オーディションで選ばれ、これが本格的な映画デビューとなった中川翼君。芝居がうまい藤原さんの子ども時代を演じるのは難しかったと思うが、大人の悟の雰囲気をそのまま内包しながら、表情や間のとり方まで似せて熱演している。子ども時代の悟が、同級生の女子を守ろうとする勇敢な姿は感動的だ。友達の助けを借りて少年探偵団さながら、誘拐事件の真犯人に迫ろうとするところも愛らしい。

 悟に守られる女子を演じるのは、NHK連続テレビ小説「あさが来た」などで活躍する鈴木梨央さん。母親から虐待される難しい役どころを、自分のものにしている。虐待する母親を熱演する安藤玉恵さんの芝居にも目を見張る。「児童の虐待等の防止に関する法律」が施行されたのは、2000年。悟の子ども時代(1988年)の12年後のことだ。子ども同士で守り合うしかなかった姿に、胸が張り裂けそうになる。美しい冬の景色も手伝って、小学生時代のパートをずっと見ていたい気分だった。「ツナグ」(12年)などの平川監督が手がけた。19日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)

「リリーのすべて」 エディ・レッドメイン主演 女性として生きる夫とその妻の深い愛

エディ・レッドメインが主演、監督はトム・フーパー 映画「リリーのすべて」予告編

 「英国王のスピーチ」(2010年)や「レ・ミゼラブル」(12年)で知られる名匠トム・フーパー監督の最新作「リリーのすべて」が3月18日から公開される。世界で初めて性別適合手術を受けた実在したデンマーク人の逸話を基に、女性として生きる決心をした夫とその妻の強い絆と深い愛を描き出した。「レ・ミゼラブル」に続いてフーパー監督の作品に出演したエディ・レッドメインさん。今年のアカデミー賞ではレッドメインさんがこの作品で主演男優賞にノミネートされ、妻役を演じたアリシア・ビキャンデルさんが助演女優賞を受賞した。

 1926年、デンマーク・コペンハーゲン。風景画家のアイナー・ベイナー(レッドメインさん)と肖像画家の妻ゲルダ(ビキャンデルさん)は、新婚のように仲のいい夫婦だ。ある日、ゲルダに女性モデルの代役を頼まれたアイナーは、ストッキングとサテンの靴を履き、白いチュチュを身に着ける。そのときから、自分の内面にいた女性を意識し始めたアイナーは、ゲルダに手伝ってもらい、女装で舞踏会に訪れる。最初は芸術家の遊びと思っていたゲルダだったが、リリーという女性として過ごしたいというアイナーの気持ちに気づいてしまい……という展開。

 夫婦愛を超えた、もっと大きな愛をズシリと感じる作品だ。トランスジェンダーというマイノリティーを題材に、愛する人を理解するということ、そして自分の理想を追い求めて生きていくことといった、人間が崇高に生きていく上での根源的なものが描かれている。仲のいい夫婦は、夫が女性として生きたいという決心をすることで、形を変えた関係になっていく。ときに夢をかなえてあげる母親のように、ときに同じ芸術家としての友人のように。2人の関係はまるで「同志」だ。リリーとなった夫は、ゲルダの描く絵のミューズとなる。アイナーは本当の自分を見つけて生き生きとしていく。薄暗い部屋で絵を描いていた内向的な雰囲気から、“女性”が開花していくさまが鮮やかに描かれている。

 「レ・ミゼラブル」のパコ・デルガドさんが手がけた衣装が、こまやかにキャラクター像を作り上げている。アイナーとリリーを演じ分けたレッドメインさんの芝居にも驚くが、夫が変わっていくことへの葛藤を抱えながらも、愛情を失わないゲルダを熱演したビキャンデルさんにも魅了される。「ボーン」シリーズ新作のヒロインにも抜てきされた注目の女優だ。実話を基に書かれた小説を、「ラフマニノフ ある愛の調べ」(07年)のルシンダ・コクソンさんが脚本化。TOHOシネマズ 新宿(東京都新宿区)ほかで18日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」 93歳の名探偵が自分と向き合う姿に希望を感じる

ホームズが未解決事件に再び挑む 映画「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」予告編

 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなどの名優イアン・マッケランさんが引退後のシャーロック・ホームズを演じた「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」(ビル・コンドン監督)が3月18日から公開される。年老いたホームズが少年に刺激を受けながら、過去に解決できなかった事件の真相を探る姿を描いている。ミッチ・カリンさんの小説「ミスター・ホームズ 名探偵最後の事件」が原作。

 93歳になったシャーロック・ホームズ(マッケランさん)は、海辺の家で養蜂をしながら穏やかな余生を送っていた。身の回りのことは住み込みの家政婦マンロー夫人(ローラ・リニーさん)とロジャー少年(マイロ・パーカーさん)がやってくれる。ホームズは自分を引退に追い込んだ未解決事件のことがいまだ気がかりで、当時のことを思い出しながら原稿を書いていた。その原稿を勝手に読んだロジャーは続きが気になり、ホームズにたずねる。しかし、マンロー夫人はロジャーを連れてここから出ていこうと思っていた……という展開。

 名探偵と呼ばれた男の人生の終末期を見るのは、とても興味深い体験だ。座る姿も「どっこらしょ」。つえをついて歩く年老いたホームズ。人生のピークを過ぎ、体の衰えはもちろん、過去の事件を思い出すのも一苦労のようだ。相棒のワトスンはすでに亡くなり、兄も亡くしたばかり。ロジャー少年はホームズの心の奥底を、子どもの本能でまっすぐに理解している。「93歳だ」と話すホームズに、「大おじは102歳まで生きた」と優しく返す。ロジャー少年は頭のいいホームズを心から尊敬し、ホームズは彼に推理の才能を見る。この2人の関係から希望をもらえる。少年が刺激となってホームズは過去の記憶をたぐりよせる。

 当時の事件が差しはさまれ、ホームズがなぜつまずいたのかが分かりかけていく。年を取ってから自分に気づくホームズの姿に、人間の可能性を見いだし深い感動を覚える。ホームズが真田広之さん演じるウメザキに案内され、原爆で焼け野原となった広島にやって来るシーンも印象的だ。死者を弔う市民の姿が、ホームズを通して反復されるとき、理屈で「死」や「嘆き」をとらえていたホームズに内面に変化が訪れていることが伝わってくる。「ドリームガールズ」(2006年)「トワイライト・サーガ」シリーズのコンドン監督が手掛けた。TOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほかで18日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」 44人のプリキュアがミュージカル

44人のプリキュアが登場!「映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う 奇跡の魔法!」予告編

 人気アニメ「プリキュア」(ABC・テレビ朝日系)シリーズの20作目の劇場版「映画 プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!」(土田豊監督)が3月19日、公開される。テーマはミュージカルで、森雪之丞さんがプロデュースを担当。2月にスタートした新シリーズ「魔法つかい プリキュア!」のキュアミラクルとキュアマジカルを含めた44人の歴代プリキュアが登場する。

 「プリキュア」シリーズは、普通の女の子が妖精たちの力を借りて伝説の戦士プリキュアに変身し、さまざまな困難に立ち向かう姿を描くアクションファンタジー。2004年の第1弾「ふたりはプリキュア」から毎年、シリーズを重ねている。

 劇場版の新作は、魔法の世界を舞台に、44人の歴代プリキュアが“プリキュアの涙”を守るために戦う姿が描かれる。「魔法つかい プリキュア!」のヒロインのみらい(キュアミラクル)とリコ(キュアマジカル)は、初めて遊びに来た街で、先輩プリキュアと出会うが、魔女のソルシエールによって先輩プリキュアが次々と捕らわれてしまう。ソルシエールは、プリキュアの涙で、ある魔法を完成させようとしていた。力が足りないみらいとリコは敵に襲われるが、先輩プリキュアがピンチを救う。

 「オールスターズ」の見どころは44人にもおよぶプリキュアの躍動する姿だ。新人のキュアミラクルとキュアマジカルと、初代「ふたりはプリキュア」から前作「ハピネスチャージプリキュア!」まで先輩プリキュアたちと共に戦う姿には、ワクワクする。また、懐かしのキャラのおなじみのせりふを聞けるのもうれしいところ。

 ミュージカルがテーマということで、新作7曲など歌も注目される。女優で歌手の新妻聖子さんがソルシエール、俳優の山本耕史さんが魔女の手下トラウーマの声優を務めており、ミュージカルシーンでロック調の楽曲などを熱唱している。19日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(小西鉄兵/MANTAN)

「父を探して」 せりふなしのアニメで想像力をかき立てられる アカデミー賞ノミネート作

アカデミー賞長編アニメーション部門ノミネート 映画「父を探して」予告編

 ブラジル人監督アレ・アブレウさんによる劇場版アニメ「父を探して」が3月19日に公開される。2014年、アニメーションの映画祭としては世界最大規模を誇る仏アヌシー国際アニメーション映画祭で、最高賞の「クリスタル」賞と観客賞を同時受賞し、また、今年の第88回米アカデミー賞長編アニメーション部門でノミネートされた作品だ。

 ブラジルのとある田舎町で、両親と仲よく暮らしていた少年。ところがある日、父が出稼ぎのために列車に乗りどこかへ行ってしまう。父が恋しい少年は決意する、「お父さんを見つけて、家に連れて帰るのだ」と。かくして少年は、未知の世界へと旅立っていく……というストーリー。

 「デジタル要素の少ない作品を作りたかった」とのアブレウ監督の意向のもと、3年の歳月をかけて作られた今作は、デジタル技術を駆使し、リアルな描写を追求する昨今のアニメとは大いに趣が異なる。色鉛筆で描かれた、少年や両親、少年が旅先で出会う人々は至極シンプルで、その一方で、クレヨンや水彩絵の具、マーカー、切り絵などを多用し表現された背景は、万華鏡を思わせるカラフルなものや精密なもの、あるいは大胆にデフォルメされたものなどさまざまだ。それらが、デジタル技術によって一つにまとめ上げられることで、極めて抽象的ながら、だからこそイマジネーションを存分にかき立てられる作品になっているのだ。

 父を追って都会に向かった少年は、さまざまな出来事に遭遇し成長していく。遭遇するのは、いいことばかりではない。過酷な労働を強いられる農村の人々や、虚飾に満ちた都会の生活、独裁政権による戦争もある。そうした影の部分も盛り込み、ブラジルという国が歩んできたこれまでの道のりを描いていく。少年の視点で描かれているため寓意(ぐうい)性が強い。少年の目に、父を乗せた列車は、父をさらっていく昆虫に見え、木を倒す機械は、木をのみ込む怪獣に映る。アブレウ監督は、高畑勲監督と宮崎駿監督にも影響を受けたという。今作に、その片りんを見いだす人もいるだろう。せりふはない。よって字幕もない。お陰で映像に没頭でき、そのこともまた、想像の翼を広げる大きな助けになっていた。19日からシアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区)ほかで順次公開。(りんたいこ/フリーライター)

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