映画まとめ6月28日公開 映画紹介&予告編 「ホットギミック ガールミーツボーイ」「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」「劇場版パタリロ!」「新聞記者」

「ホットギミック ガールミーツボーイ」乃木坂46堀未央奈が恋心に揺れ動く女子高生を好演

乃木坂46堀未央奈、板垣瑞生とキス寸前?清水尋也から壁ドンも 映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」本予告が解禁
 アイドルグループ「乃木坂46」の堀未央奈さんの主演映画「ホットギミック ガールミーツボーイ」(山戸結希監督)が6月28日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほかで公開。堀さんが男性3人の間で揺れ動く平凡な女子高生を好演。アイドルらしからぬ体当たり演技も見せている。 原作はマンガ誌「Betsucomi(ベツコミ)」(小学館)で連載された相原実貴さんの恋愛マンガ「ホットギミック」。平凡な女子高生・成田初(なりた・はつみ)が男性3人の間で揺れる、三つの初恋を描く。 優しい兄の凌(間宮祥太朗さん)、元気な妹の茜(桜田ひよりさん)ら家族と暮らす女子高生の初(堀さん)は、幼なじみの橘亮輝(清水尋也さん)に弱みを握られ、むちゃな命令に振り回されることに。そんな時、数年前に引っ越した幼なじみで今やモデルで人気者の小田切梓(板垣瑞生さん)が地元に帰ってくる。初は自分を守ってくれる梓に引かれ、亮輝に邪魔されながらも付き合う。だが梓にはある目的があり、初は凌の秘密を知ってしまう……。吉岡里帆さん、上村海成さん、反町隆史さんらも出演している。 少女マンガが原作ということもあり、梓が初の膝の上に座ったり、亮輝が初の頬をつまんだり、胸キュンポイントが詰まっている。ただ、それだけでなく10代の不安定でリアルな感情の揺れまでを描いた山戸監督の脚本と演出が生々しくもみずみずしい。場面の細かな切り替わりが、初の繊細で複雑な心情を表しているかのようで、心に訴えかけてくる。若さゆえの焦りやもやもや感がひしひしと伝わり、年齢や性別を問わず誰もが共感する部分がある繊細な恋愛映画だ。(遠藤政樹/フリーライター)

「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」シリーズ第2弾 新たなスーツに成長の片鱗 青春映画としても楽しめる

映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」新予告が解禁!アイアンマンへの思いも… 6月28日に日本で“世界最速公開”
 米マーベル・コミックの映画「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(ジョン・ワッツ監督)が、6月28日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開。「スパイダーマン:ホーム・カミング」(2017年)の続編。「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)での壮絶な戦いの後、心にぽっかり穴が開いたスパイダーマンことピーター・パーカーが、師と仰ぐアイアンマンことトニー・スタークから託されたヒーローとしての責任の重圧や苦悩に向き合う姿を描く。 アイアンマンの期待に応えるようにスパイダーマンとして街の平和を守っていたピーター・パーカー(トム・ホランドさん)。とはいっても高校生。夏休み、元S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソンさん)からの再三の呼び出しを無視し、大好きなMJ(ゼンデイヤさん)や親友ネッド(ジェイコブ・バタロンさん)たちと欧州旅行へ。イタリア・ベネチアに到着した一行の前に、巨大な人型の“水”が出現する。必死に戦うピーターだったが、明らかに劣勢。そこに、球状のガラス製シールドをかぶり、緑の光線を操る異次元から来たミステリオ(ジェイク・ギレンホールさん)が彗星(すいせい)のごとく現れる……。 スパイダーマンとして生きていく道を模索するピーターを支えるのは、トニー・スタークの友人ハッピー・ホーガン(ジョン・ファブローさん)やメイおばさん(マリサ・トメイさん)、ミステリオらだ。中でもミステリオは道に迷うピーターに、「君はどうしたい?」と相談に乗り、よき理解者として導いてくれる。彼の存在は、見ているこちらにも大きな安心感を与えてくれる。 おなじみの赤と青のスーツに加え、新スーツが登場。そこに、ピーターの成長の片鱗(へんりん)を見ることができる。アクション映画としてはもとより、ピーターとMJの恋の行方、ネッドの恋愛と奮闘、さらに、メイおばさんとハッピーのただならぬ関係など、青春映画らしい味付けもあり、存分に楽しめる。もちろん、「アベンジャーズ」シリーズの一翼を担う作品としても見応えがある。 ピーター役は、前作に続きホランドさんが演じた。キュートな風貌で、葛藤しながら前へ進もうとする多感な高校生を好演している。ギレンホールさんがマーベル・ファミリーに加わることは意外だったが、ひげ面のミステリオはどことなくトニーをほうふつさせる。サングラスをかけると更にその印象は強くなり、キャスティングの妙とギレンホールさんの役作りには感心しきりだった。(りんたいこ/フリーライター)

「劇場版パタリロ!」パタリロ加藤諒、バンコラン青木玄徳ら舞台版キャストが再集結!

加藤諒のパタリロがハマりすぎ!まさかの巨大化も 「劇場版パタリロ!」予告編が解禁
 俳優の加藤諒さん主演の映画「劇場版パタリロ!」(小林顕作監督)が6月28日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開。原作は1978年にマンガ誌「花とゆめ」(白泉社)で連載がスタートし、ウェブマンガサイト「花LaLa online」で連載中の魔夜峰央(まや・みねお)さんの人気ギャグマンガ。2016年の2.5次元ミュージカル化に続く実写映画化。原作主人公の再現度最高のパタリロ役・加藤さんや、バンコラン少佐役の青木玄徳さん、謎の美少年マライヒ役の佐奈宏紀さんら舞台版キャストが再結集し、舞台版の演出を手がけた小林監督がメガホンをとった。 南海に浮かぶ美しい小国マリネラを舞台に、天才的頭脳の持ち主なのトラブルメーカーの若き国王「パタリロ・ド・マリネール8世」(通称パタリロ)の巻き起こす騒動を描く。 側近のタマネギ部隊と共に大英帝国に現れたパタリロ。ロンドンの街を観光中、マリネラ王国内の権力争いが元で暗殺者に狙われるも、MI6の諜報部員ジャック・バンコラン少佐(青木さん)に救われる。バンコランはパタリロの警備担当に就任。マライヒ(佐奈さん)がBBC放送の記者として現れ、パタリロを密着取材する……。 舞台化された時も驚いたが、映画になると聞いてまたびっくり。ただ、原作が元々異次元で描かれていて、映画化向きだったことに改めて気付かされた。2.5次元ミュージカルに映画的表現がプラスされ、いい意味で濃さを強調し、シュールで耽美(たんび)な世界観をより一層充実させている。観賞後に「面白かった」とストレートに思える作品。ミュージカル映画の新しい形を見た気がした。(遠藤政樹/フリーライター)

「新聞記者」シム・ウンギョン×松坂桃李W主演 骨太な政治サスペンス

シム・ウンギョン×松坂桃李 映画「新聞記者」予告編
 「怪しい彼女」(2014年)などの韓国女優シム・ウンギョンさんと、「孤狼の血」(2018年)などの松坂桃李さんがダブル主演の映画「新聞記者」(藤井道人監督)が、6月28日からユーロスペース(東京都渋谷区)ほかで公開。東京新聞の記者、望月衣塑子さんの著書が原案のオリジナルストーリー。「個」と「権力」の対決、若い記者と官僚の対峙(たいじ)、心の葛藤を描いた骨太な政治サスペンスだ。 東都新聞記者の吉岡エリカ(シムさん)は、日本人の父と韓国人の母のもと、米国で育ち、ある強い思いを秘めて記者になっていた。ある日、医療系大学新設情報に関する極秘情報が所属新聞社の社会部に匿名で届く。内閣情報調査室のエリート官僚・杉原拓海(松坂さん)は、不都合なニュースを握りつぶす任務に迷いを覚えていた。2人の人生が交差した時、ある闇が明らかになる……というストーリー。 冒頭の映像の薄暗さが、その後語られる「権力」の闇を想像させ、緊張感をあおる。吉岡と杉原は同じように仕事に熱い情熱を傾けていることが伝わってくる。政権に都合のいい情報が、世の中に流されている。それに伴う犠牲者の存在。真実を暴こうとする記者が、じわじわと若い官僚の良心に迫っていく。2人の人物像が「記者」「官僚」という紋切り型ではなく、「個」として丁寧に描写されている。誰もが巨大な闇にのみ込まれ、それに気付いていない、現実味のある描写に空恐ろしさを感じた。 シムさん、松坂さんが圧倒的な芝居を見せている。脇役も存在感あふれる俳優ばかり。杉原の元上司で物語のカギを握る神崎役に高橋和也さん。その妻役は西田尚美さん。吉岡の上司役に北村有起哉さん、同僚記者役に岡山天音さん。杉原の上司の内閣参事官役に田中哲司さん。妻役に本田翼さんが配されている。 「デイアンドナイト」(2019年)の藤井監督は、シーンをさまざまなアングルで切り取り、ライブ感とスピード感のある映像で、社会派でありながら堅苦しくないエンタ―テインメント作に昇華させている。音楽は、多くの日本映画や「レッドクリフ」シリーズなど海外作品も手掛ける岩代太郎さんが担当した。(キョーコ/フリーライター)

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