劇場版 零~ゼロ~

映画「劇場版 零~ゼロ~」予告編

 ホラーゲーム「零~zero~」を原案とする実写版映画「劇場版 零~ゼロ~」(安里麻里監督)が9月26日から公開される。原作は「多重人格探偵サイコ」などで知られる作家で民俗学者の大塚英志さん。外界から閉ざされた山間にあるミッション系女子高の寄宿舎を舞台に、呪いのおまじないを信じる少女たちが失踪し、不可解な死を遂げる謎の事件を2人の美少女が追う。「貞子3D」に続く、KADOKAWA映画が放つホラームービーだ。

 山間の小さな町にある女子高。その学校には午前零時に女の子だけがかかるという呪いの言い伝えがある。3年生のアヤ(中条あやみさん)は、学園のカリスマ的な存在の少女だったが自室に閉じこもるようになってしまう。クラスメートのカスミ(山谷花純さん)が姿を消し、カスミの部屋からアヤにそっくりな少女の写真が発見される。その写真を見た生徒たちは、アヤの幻に苦しめられ、「お願い、私の呪いを解いて……」というささやきを聞くようになる。やがて、学園のそばの小川のほとりで失踪した生徒の水死体が上がる。そんな中、アヤを慕うミチ(森川葵さん)の前に本物のアヤが現れて、2人は一緒に事件の謎を追い始める……という展開。

 ミッション系の女子高、白の丸襟と膝下のスカートの制服姿といういまどきではない女子高生たち。ホラーとはいえど、映像はあくまでも上品でクラシカルだ。物語の中心には、高校3年生の美少女アヤとミチの友情がしっかりと描きこまれている。ラファエル前派の画家ミレーの絵画「オフィーリア」が水死体を想起させ、「恐怖」と「美」が巧みに関連付けられている。また、まるで喪服のような制服と白いネグリジェの二通りの衣装が、少女の心の闇と純潔の両面を表すかのようだ。小道具や衣装に至るまで、世界観が統一されている。ジャパニーズホラーの特徴である水の描写は、単に脅かしで使うことはなく、静けさと美しさを強調し、謎を追い求めて2人が行きついた水のある場所でその意味が分かる仕掛け。美保純さん、中村ゆりさん、中越典子さんと、少女っぽさを持つ女優陣が脇を固めている。シネマメディアージュ(東京都港区)ほかで26日から公開。(キョーコ/フリーライター)

少女は異世界で戦った

映画「少女は異世界で戦った」予告編

 平成ガメラシリーズ(1995~99年)や「デスノート」(2006年)などで知られる金子修介監督の最新作「少女は異世界で戦った-DANGER DOLLS-」が、9月27日に公開される。映画は、近未来の日本を舞台に、4人の少女が剣を武器に戦う「ソードファイター」となり、謎の侵略者たちと死闘を繰り広げるSFアクション。花井瑠美さん、武田梨奈さん、清野菜名さん、加弥乃さんの4人が演じる美少女戦士たちの体を張った迫力のアクションに思わず目を奪われる。

 2024年の日本には、原子力を封印し新しい歴史を歩み始めた「かの世界」(アナザーワールド)と、銃も核兵器も原発もある「この世界」(アワーワールド)という二つの世界が存在した。ある日、アナザーワールドに根絶されたはずの銃を持った侵入者が現れ、戦士として育てられたアリサ(花井さん)、レイ(武田さん)、マリ(清野さん)、ミキ(加弥乃さん)の4人は剣術と武術で応戦。やがて侵入者が行き来できるワームホールの存在が明らかになり、4人は怪しまれないようにアワーワールドに美少女アイドルグループを装って侵入者を捜しに行くことになり……というストーリー。

 なにをおいても美少女戦士4人のアクションは、言葉で言い表すのが難しいほどカッコいい。しかもただアクションしているだけでなく、4人それぞれの個性を生かした動きに仕上げてくるあたり、金子監督の演出が光る。中でも頭突きで瓦を割るCMなどで話題の武田さんは、ジャパンアクションアワードも受賞したアクション女優の面目躍如で、ほれぼれするほどの蹴り技を披露している。新体操の選手だった花井さんも柔軟性を利用したハイキックなどで魅了する。ほかにも4人がアイドルグループに扮(ふん)してのダンスシーンは一見の価値あり。ブラックジョーク的な描写や、敵について、戦うことについて、そしてアイドルについて考えさせられる場面などもあり、金子監督の世界観、思いの丈が詰め込まれている。4人のボス・柳生太一郎役で岡田浩暉さん、世界征服を企む黒幕・豪徳寺役で金子昇さんらも出演。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で9月27日から公開。(遠藤政樹/フリーライター)

マザー

映画「マザー」予告編

 ホラーマンガの巨匠・楳図かずおさんが初めて監督・脚本を担当し、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが「楳図かずお」役で主演する楳図さんの自叙伝的内容の映画「マザー」が9月27日から全国で公開される。楳図作品のファンとして知られるタレントの中川翔子さんが友情出演し、主題歌を担当している。

 映画は「おろち」「へび少女」など数々のホラー作品を世に送り出してきた楳図さんの創造の秘密を数奇な人生を送った美しい母を描くことで探っていく自叙伝的なストーリー。マンガ家・楳図かずお(愛之助さん)のもとに、ある出版社から「生い立ちを本にしたい」という話が舞い込む。担当編集者のさくら(舞羽美海さん)は、楳図独特の創作の原点には、亡くなった母・イチエ(真行寺君枝さん)の影響が大きいことを知り、調査を進めるが、やがて周囲で次々に怪奇現象が起こり始める……という展開。

 床をはいずり回るへび女、恐怖におののく美少女……など楳図作品のモチーフが次々と登場し、“最恐”の楳図ワールドが展開する。愛之助さん演じる楳図は赤と白のボーダーファッションがトレードマークの目立つ外見からは想像できないほどとても穏やか。怨念(おんねん)の権化と化した“激しい”母とは対照的に描かれる。真行寺さん演じる母は、楳図作品に登場する多くの“母”のように“怖美しい”が、楳図と生前の母とのエピソードが多くは語られていない分、楳図にとっての母とはどんな存在だったのか、想像力を働かせる余地がある。その中で、楳図作品に特徴的な“美少女”は、楳図と母との関係性において重要な存在だ。白髪だが不自然なほど若く美しい母のビジュアルや、地割れを起こす学校の廊下、次々と起こる怪奇現象などフィクションの要素が強いが、それだけに一層、楳図と母との関係性や母への思いといったリアルの部分が浮き彫りになる。映画を見て、改めて楳図作品を読み返してみたくなった。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(堀池沙知子/毎日新聞デジタル)

劇場版gdgd妖精s(ぐだぐだフェアリーズ) っていう映画はどうかな…?

映画「劇場版gdgd妖精s(ぐだぐだフェアリーズ) っていう映画はどうかな…?」予告編

 妖精の森に暮らす3人の妖精たちの日常をコミカルに描いたCGアニメを映画化した「劇場版 gdgd妖精s(ぐだぐだフェアリーズ)っていう映画はどうかな…?」(菅原そうた監督)が9月27日に公開される。「gdgd妖精s」は、2011年10~12月と、13年1~3月の2回にわたってテレビアニメが放送され、妖精たちが巻き起こす騒動をシュールでゆるい感じで描いて好評を博し、第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査委員会推薦作品に選出された。劇場版では、魔女の呪いから逃れるために森を飛び出した妖精たちの冒険が描かれる。テレビ版を超えるカオスな展開のほか、主題歌「愛があるから!!」を歌う6人組アイドルユニット「でんぱ組.inc」もゲスト出演し、キャラクター化されたビジュアルにも注目が集まる。

 妖精の森に住む妖精のピクピク(声・三森すずこさん)、シルシル(声・水原薫さん)、コロコロ(声・明坂聡美さん)は、楽しい毎日を過ごしていた。ある夜、シルシルは仲間の妖精たちが魔女たちに亡き者にされるという悪夢を魔女に見せられ、運命の呪いを告げられる。シルシルは運命を変えようと「龍の玉」を探しに危険なグンマー国へと旅立つ。一方、ピクピクとコロコロもシルシルのあとを追い……という展開。

 往年の名作マンガやアニメの実写化、大作シリーズの続編など、映画化される作品は数多くあれど、まさか「gdgd妖精s」が映画化されるとは正直、かなり驚いた。同作は、深夜アニメとしてスタートし、2期分が放送され、静かなブームも巻き起こしている人気CGアニメには違いない。何が驚きかというと、一度でも同アニメを見たことがある人なら分かると思うが、基本的には3人の妖精が魔法で何かを出して遊んだり、ほかの世界を見ながらアフレコしたりなど、タイトル通りにグダグダとしながらシュールなネタが展開されていく。特に第2期については多彩なパロディーネタや随所に張られた伏線といった緻密な作りで、想像を超えた展開が最後まで続き、別の意味で大いにビックリさせられた。そんなシュールな作品の劇場版は、テレビ版の雰囲気はそのままに、妖精たちの活躍がギャグや笑い満載で描かれる。もちろん、テレビ版と同じく、3人のアドリブもこれでもかというほど盛り込まれているので、ファンならずとも必見だ。9月27日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか期間限定で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

アバウト・タイム~愛おしい時間について~

映画「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」予告編

 タイムトラベルができる青年が家族と過ごす日々を描いた英映画「アバウト・タイム 愛おしい時間について」(リチャード・カーティス監督)が、9月27日から公開される。英国南西部の海辺の美しい町を舞台に、平凡な青年が恋におち、愛を勝ち取り、人生の不運に見舞われたときの選択の仕方を見せていく。ラブストーリーでありながら、人生の深さをも語り尽くした「ラブ・アクチュアリー」のカーティス監督の最新作。

 ティム(ドーナル・グリーソンさん)は女の子に奥手で、少々さえない青年だが、父(ビル・ナイさん)、母(リンゼイ・ダンカンさん)、妹(リディア・ウィルソンさん)、おじさん(リチャード・コーデリーさん)と一緒に、浜辺に近い家で幸せに暮らしていた。年越しパーティーの翌日、父親からとんでもないことを聞かされる。それは、一族の男性陣は代々、一定のルールのもとで、自分の過去に戻ることができるということ。その能力を駆使して、恋人をゲットすることにいそしみ、やがてメアリー(レイチェル・マクアダムスさん)の愛を勝ち取るティム。だが、タイムトラベルによってアクシデントが生じ、メアリーとの出会いもなかったことになってしまう……という展開。

 ラブストーリーにタイムトラベルをからませてロマンたっぷりの作品。前半は、恋人ゲットに必死なティムと、輝くような笑顔のメアリーを見ているだけでほほえましく、気分がホカホカしてくる。見ている方もティムと一緒にやり直したい過去に戻る体験を共有するうちに、何通りもの選択肢の中から偶然選んだことによって人生が形作られていく不思議さに触れていく。うって変わって後半は、不幸がティムを襲う。恋人から夫婦となったティムとメアリー。子育ての日常がナチュラルにつづられて、安定した幸せの日々を感じる。幸せそうだからこそ、「時間は戻せない」という真実がグサリと突き刺さる。何気ない日常が、どんなにかけがえなく、きらめく時間なのか。海辺での一家だんらんのアフタヌーンティーが、どんなにすてきで輝いている時間なのか……。ティムと父の時間も使って二重に語りかけてきてホロリとさせられる。父親役は「ラブ・アクチュアリー」にも出演したナイさんが、家族思いで知性派の父親を好演していて印象に残った。TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほかで9月27日から公開。(キョーコ/フリーライター)

ジャージー・ボーイズ

映画「ジャージー・ボーイズ」予告編

 クリント・イーストウッドさんがメガホンをとり、1960年に結成された4人組ポップグループ「ザ・フォー・シーズンズ」の誕生から栄光、挫折、そして再生までを描いた映画「ジャージー・ボーイズ」が9月27日から全国で公開される。米トニー賞のミュージカル部門で最優秀作品賞はじめ4部門に輝いた舞台が原案。イーストウッド監督がミュージカルを映画化するとは意外だが、「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年)や「硫黄島からの手紙」(06年)、「グラン・トリノ」(08年)といった人々の記憶に残る作品を生み出してきた名監督が、そつなく仕上げていてさすがだ。

 1951年、米ニュージャージー州にあるイタリア移民が集まる街で理髪店の見習いとして働く16歳のフランキー(ジョン・ロイド・ヤングさん)は、天性の歌声の持ち主だ。ある時から彼は、知人のトミー(ビンセント・ピアッツァさん)とニック(マイケル・ロメンダさん)に誘われ、彼らのバンドで歌うようになる。そこに天才肌の作曲家ボブ(エリック・バーゲンさん)が加わり、4人は「ザ・フォー・シーズンズ」として活動を開始する……というストーリー。

 まず意表を突かれたのは、ザ・フォー・シーズンズのメンバー一人一人が観客に向かって語り掛け、自身の心情を吐露するという演出。ラストに全キャラクターが再登場し、歌い、ステップを踏むというフィナーレも、イーストウッド監督らしくないと思う半面、監督のブロードウエーの舞台版への敬意を感じ、感銘を受けた。今作の魅力は「シェリー」や「君の瞳に恋してる」といった名曲が全編を彩り、それらが誕生する瞬間に立ち会える喜びを味わえること。とりわけ、「君の瞳に恋してる」の誕生秘話には驚かされ、明るい旋律のこの曲への印象が見終わったあと随分変わった。フランキー役を、トニー賞で最優秀主演男優賞に輝いたヤングさんが務めるなど、キャストの多くはブロードウエー版に出演した俳優が務めている。イーストウッドさんにとって、「J・エドガー」(11年)以来3年ぶり33本目の監督作。今作もまた、イーストウッド作品の中で忘れがたい佳作となった。9月27日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)

アルプス女学園

映画「アルプス女学園」予告編 篠崎愛、横山ルリカらアイドルが集結!

2014年9月27日公開の映画「アルプス女学園」予告編。

「アルプス女学園」2014年9月27日公開 監督:オオタタケシ 出演:仲原舞、宮崎理奈、安田聖愛、百川晴香、石田佳蓮、石篠遥梨、須永留奈、芦原優愛、桃瀬美咲、篠崎愛、横山ルリカほか

記憶探偵と鍵のかかった少女

映画「記憶探偵と鍵のかかった少女」予告編

9月27日公開、映画「記憶探偵と鍵のかかった少女」予告編

監督:ホルヘ・ドラド 製作:ジャウマ・コレット=セラ(「アンノウン」「フライト・ゲーム」監督) 出演:マーク・ストロング(「裏切りのサーカス」)、タイッサ・ファーミガ(「ブリングリング」)、ブライアン・コックス(「RED/レッド」)

風邪(ふうじゃ)

映画「風邪(ふうじゃ)」予告編 小西真奈美、窪塚洋介が出演

2014年9月27日公開の映画「風邪(ふうじゃ)」の予告編。世界中に 200 種以上あるといわれる風邪ウイルスを撲滅させることができる、奇跡の特効薬をめぐる利権争いに巻き込まれていく一人の女性を描く。

「風邪(ふうじゃ)」2014年9月27日公開 監督・脚本:橋本以蔵 出演:小西真奈美、窪塚洋介、柄本明、クリス・ペプラー、和田哲史、秋吉久美子 ほか 主題歌:八代亜紀「五月雨の道」

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