劇場版 弱虫ペダル Re:RIDE

劇場版「弱虫ペダル Re:RIDE」予告編

 自転車競技をテーマにしたテレビアニメ「弱虫ペダル」の第1期で描かれたインターハイの戦いに新カットを加え、新たに編集した劇場版アニメ「弱虫ペダル Re:RIDE(リライド)」(鍋島修監督)が19日に公開される。「弱虫ペダル」は、渡辺航さんが「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中のマンガを基にアニメ化し、第1期は2013年10月~14年6月に放送され、第2期「弱虫ペダル GRANDE ROAD(グランロード)」が10月からスタートする。劇場版では開幕式やスプリント勝負、巻島裕介対東堂尽八の勝負、ゴールを懸けたデッドヒートなどインターハイ前半から中盤のバトルを中心に描かれる。

 アニメやフィギュアが好きなオタク少年の小野田坂道(声・山下大輝さん)は、入学した総北高校で、中学時代に自転車ロードレースで名をはせた今泉俊輔(声・鳥海浩輔さん)と鳴子章吉(声・福島潤さん)と出会う。坂道は小さな頃から自転車で毎週往復90キロの秋葉原通いをするうちに鍛えられた自転車の才能を見込まれ、自転車競技部に入部。実力派がそろう先輩たちとの練習で才能を伸ばしていき、インターハイのメンバーにクライマーとして選ばれる。全員がエースという王者・箱根学園や、今泉がライバル視する“怪物”御堂筋翔(声・遊佐浩二さん)を擁(よう)する京都伏見高校など、全国の強豪校と3日間にわたる過酷な戦いに挑む……という展開。

 主人公は一見するとダメな感じだが実は自転車について優れた資質を備え、いわば“最強の初心者”的な存在のため、自転車競技について主人公とともに学びながら作品を楽しめる。物語の展開も秀逸で自転車の魅力にぐいぐい引き込まれ、登場人物のキャラクターも濃いメンツがそろい、お気に入りのキャラクターを見つけて楽しむという見方もできる。劇場版はアニメ第1期の人気エピソードや山場を中心に編集されたものだが、オリジナルの新規カットも挿入されており、テレビシリーズを見ていた人でも十分に楽しめる。未見の人なら物語のおいしいとこ取りをしつつ、テンポのいい展開で爽快な魅力にはまってしまうことだろう。カッコいいのにどこか笑えて、才能はあるのに少し臆病な主人公に共感しつつ、スポ根ならではの熱量も感じられる。新宿バルト9(東京都港区)ほか19日から2週間限定で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

柘榴坂の仇討

映画「柘榴坂の仇討」予告編

 浅田次郎さんの短編集「五郎治殿御始末」の中の一編を映画化した「柘榴(ざくろ)坂の仇討(あだうち)」(若松節朗監督)が、9月20日から公開される。江戸から明治に移り変わる時代の中で、「桜田門外の変」で主君・井伊直弼を守れず仇討を命じられた一人の武士と、ひっそりと身を潜めて暮らす仇(かたき)の13年間の生きざまを、中井貴一さんと阿部寛さんの2人が静かな情熱を携えた演技で見せている。

 旧彦根藩の下級武士だった志村金吾(中井さん)は、安政7(1860)年の悪夢にいまだにうなされていた。金吾は、大老・井伊直弼(中村吉右衛門さん)の御駕籠(かご)回り近習(きんじゅう)役として仕えていた。季節はずれの雪が舞う3月。行列が桜田門外で水戸脱藩浪士らに襲われたとき、金吾は持ち場を離れていた。刺客の一人を追っていたのだ。両親は自害し、妻セツ(広末涼子さん)は酌婦に身をやつすも、金吾は切腹も許されず、生き残った仇を討つよう命じられる。しかし時代は明治に代わり、彦根藩もなくなり、侍は時代遅れとなった。最後の仇・佐橋十兵衛(阿部さん)は、名を変えて長屋でひっそりと暮らし、人力車夫となっていた。やがて13年の時を経て、2人は出会い……という展開。

 13年前で時が止まってしまった2人の侍の重苦しい胸の内が、新時代になった明るい世の中とコントラストをなして、より一層見る者の胸をしめつける。恩師を守れなかった悔しさに、自害した両親や、苦労をかけている妻への思いも相まって、がんじがらめになっている金吾。その仇である十兵衛もまた、18人の刺客の中でたった一人生き残ってしまい、今を生きることができていない。宿敵同士は、同じ日に同じように心に傷を受けた者同士。時代に流されることなく、己の信念に従って生きる2人の誠実さに心打たれる。映画はどちらか一方に傾くことはなく、両者に感情移入できるように進んでいく。だからこそ、2人が対峙(たいじ)する場面では緊張感でビリビリする。雪の白と椿の赤が対照的な色彩を放ち、中井さんと阿部さんの研ぎ澄まされた芝居で、心情がこまやかに伝わる名シーンになった。人間国宝でもある歌舞伎役者・吉右衛門さんが19年ぶりに映画に出演しているのも話題。「沈まぬ太陽」の若松監督が手掛けた。丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで20日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「柘榴坂の仇討」9月20日公開
監督:若松節朗
出演:中井貴一、阿部寛、広末涼子、真飛聖、中村吉右衛門 木崎ゆりあほか
(c)2014年映画「柘榴坂の仇討」製作委員会

猿の惑星:新世紀(ライジング)

映画「猿の惑星:新世紀(ライジング)」予告編

 高度な知能を獲得した猿と人類との関係を描いた映画「猿の惑星」の新シリーズ「猿の惑星:新世紀(ライジング)」(マット・リーブス監督)が9月19日に公開される。前作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」から10年後の世界を描いた今作は、最先端のデジタル技術が駆使され、表情の細部までリアルな猿が表現されているほか、臨場感あふれる戦闘シーンも大迫力。また、「猿と人類」というメインテーマに加え、家族の絆に焦点を当てた描写もストーリー構築の奥深さに一役買っており、見応えある作品に仕上がっている。

 映画は、2011年に公開された米映画「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」の続編で、高度な知能を獲得した猿のシーザーが仲間を率いて人類への反乱を起こしてから10年後の世界が描かれている。森の奥地に文明を築いてさらに進化した猿たちと、ウイルスによって絶滅の危機に瀕(ひん)した人類の生存者グループが数年ぶりに遭遇し、険悪な雰囲気に……。やがて、シーザーと元・建築家で生存者グループの一人であるマルコム(ジェイソン・クラークさん)が徐々に信頼関係を構築していくが、シーザーが率いる猿の社会でも不穏な動きが起き始め……というストーリー。

 作中を貫くテーマとして描かれているのは「猿と人類」の関係性だが、妻と子どもを持ち家庭を作ったシーザーと、ウイルスで妻を亡くし息子と2人で生き抜いているマルコムという両者の描写からは「家族」というもう一つのテーマが見えてくる。立場の異なる両者のそれぞれの家族の姿を描くことで、「家族愛」という普遍的なテーマの重要性がより際立っているように感じられる。また、3Dならではの大迫力の映像ももちろんだが、まるですぐ耳元で声を発せられているかのような音響効果も魅力。特に森の中のシーンは、あちこちから猿の声が聞こえてきて、あたかも実際に森の中にいるような気にさせられる。クライマックスのタワーでの戦闘シーンも映像、音響ともにインパクト大で必見だ。19日公開。

「猿の惑星:新世紀(ライジング)」9月19日公開
監督:マット・リーヴス
出演:アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン ほか
(c)2014 Twentieth Century Fox

ストライクウィッチーズ-サン・トロンの雷鳴

アニメ「ストライクウィッチーズ-サン・トロンの雷鳴」

 人気アニメ「ストライクウィッチーズ」の新作で、3部作で描かれる「Operation Victory Arrow」の第1弾「ストライクウィッチーズ Operation Victory Arrow Vol.1 サン・トロンの雷鳴」が9月20日に劇場公開される。「ストライクウィッチーズ」は、魔法が存在する20世紀の地球を舞台に、突然出現した異形の敵を倒すため魔力を持った「ウィッチ」(魔女)と呼ばれる少女たちが戦いを挑む姿を描く。テレビアニメが第1期(2008年7~9月)と、第2期(10年7~9月)で放送され、12年3月には劇場版が公開されるなど人気を博した。新シリーズはアニメ第2期と劇場版との間のエピソードで、同シリーズに携わってきた高村和宏監督が手がけ、各地に帰還したウィッチたちの活躍がつづられる。

 第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」の活躍で、ベネチア上空に突然出現した巨大ネウロイの巣が消滅。同部隊が解散してから半月後、ペルギカ王国のサン・トロン基地に駐留するミーナ(声・田中理恵さん)らの元に、エーリカ・ハルトマンの双子の妹・ウルスラ(双子の声・野川さくらさん)が、母国カールスラントの試作機とともに派遣されてくる。エーリカは試作機のテストにかり出され……という展開。

 待望の最新作は、テレビアニメ第2期で実施した最終作戦“オペレーション・マルス”終了後のウィッチたちの物語が楽しめる。ミーナやバルクホルン、ハルトマンらおなじみのキャラクターたちが登場し、スピードもパワーもアップしたウィッチたちの活躍ぶりに目がくぎ付けになる。また、ミリタリー要素や美少女キャラなど多彩な要素がちりばめられながらも、それだけで終わらず、高村監督はじめ制作陣が情熱を注いだであろう映像的に凝った部分が、同シリーズの魅力を高めている。ショートストーリーだが魅力は存分に詰め込まれていて、映像ばえするアクションシーンとミリタリー描写の絶妙なバランスを取りつつ、ストーリー的にも見事な着地点を見つけているあたりはさすがだ。キュートな民族衣装のバルクホルンや、ハルトマン姉妹の複座ストライカーなど見どころも多い。角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

カラアゲ★USA

映画「カラアゲ★USA」予告編 高橋愛が映画初主演

 元「モーニング娘。」の高橋愛さんが映画初主演をつとめる「カラアゲ★USA」(瀬木直貴監督)が9月20日に公開される。から揚げ専門店発祥の地といわれている大分県宇佐市を舞台に、5年ぶりに帰郷した女性が実家が営むから揚げ店を守ろうと奮闘する姿を描いている。今作が映画初主演となる高橋さんが、鶏肉が苦手ながらも実家の危機を救うために立ち上がる女性を好演。宇佐市の人たちが発するから揚げへの思いが詰まった作品に仕上がっている。

 から揚げ専門店が数多くある大分県宇佐市にある辛島彩音(高橋さん)の実家は、街でも随一の不人気店。5年ぶりに帰郷した彩音は、黒人の少女シャーリーを連れていて訳ありふうなため、父の隆輔(石丸謙二郎さん)に激怒される。ある日、彩音の実家と同じくらい人気がなかった弁当屋が、世界規模のフライドチキンチェーン店のフランチャイズにくら替えし、人気店に早変わり。から揚げ店の店主たちが危機感を募らせる中、隆輔が倒れたことをきっかけに、彩音は店を守るために嫌いなから揚げを作ることになる。そして、から揚げのおいしさを競う「カラアゲ☆カーニバル」への出場を決意し……というストーリー。

 多くの日本人が好きだと答える“ソウルフード”ともいえる“から揚げ”。それを題材にした映画とはいかに……と思ったが、から揚げをテーマに据えつつも、家族たちが織りなす人間模様や美しい映像などが郷愁を誘う“故郷映画”といえるかもしれない。小気味よく進むストーリーに、調理シーンはじめ随所に登場するから揚げのおいしそうなことといったら……。ビール片手にむさぼり食べたくなるほどだ。映画初主演となる高橋さんだが、ミュージカルや舞台で培ってきた経験を基に、宇佐弁や英語のせりふに調理シーンもあるなど難しい役どころを見事に演じ切っている。彩音が奮闘する姿や辛島家の家族愛などに心がほっこり温まる。有楽町スバル座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「カラアゲ★USA」」9月20日公開
監督:瀬木直貴
出演:高橋愛、海東健、浅田美代子、石丸謙二郎、中村ゆうじ ほか

劇場版 稲川怪談 かたりべ

映画「劇場版 稲川怪談 かたりべ」予告編

 稲川淳二さんの怪談を映像化する最中に起こった驚がくの出来事を映画化した「劇場版 稲川怪談 かたりべ」(大畑創監督)の予告編映像が7月23日、公開された。予告編ではお蔵入りとなったメーキング映像の一部が見られる。9月20日公開予定。

映画「劇場版 稲川怪談 かたりべ」9月20日公開
主演:稲川淳二
出演:妄想キャリブレーション(胡桃沢まひる・神堂未祐奈・桜野羽咲・双葉 苗・星野にぁ)、関口崇則、森本のぶ、須田浩章、尾本貴史、三輪江一
監督・発掘:大畑創
プロデューサー:清水崇

傭兵奪還

映画 「傭兵奪還」予告編
愛する娘を奪還するべく、最強の傭兵が巨大な悪に立ち向かう、バイオレンス・アクションの傑作 「傭兵奪還」の予告編。

「傭兵奪還」9月20日公開
監督:ブライアン・A・ミラー
出演:クレイグ・フェアブラス、ジェイソン・パトリック、ジェームズ・カーン、シャノン・エリザベス、メリッサ・オードウェイ

幼獣マメシバ 望郷篇

映画「幼獣マメシバ 望郷篇」予告編
俳優の佐藤二朗さんが主演する映画 「幼獣マメシバ 望郷篇」(9月20日公開)の予告編。

「幼獣マメシバ 望郷篇」9月20日公開
監督:亀井亨
出演:佐藤二朗、 髙橋洋、竹富聖花 、宍戸開 ほか

トリハダ 劇場版2

映画「トリハダ 劇場版2」予告編
「一人暮らしのあなたに“ゾクッ”とする話を」
カルト的な人気を誇ったオムニバス・ドラマ「トリハダ~夜ふかしのあなたにゾクッとする話を~」の映画化第2弾。主演は石橋杏奈。

「トリハダ 劇場版2」9月20日公開
監督:三木康一郎
出演:石橋杏奈、足立梨花、入来茉里、佐津川愛美、前田公輝、優希美青、大島麻衣、白石隼也

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