「アサシン クリード」イーグルダイブに興奮! 人気ゲームを映画化したミステリーアクション
人気ゲームを映画化したミステリーアクション「アサシンクリード」(ジャスティン・カーゼル監督)が3月3日から公開される。歴史的秘宝“エデンの果実”を巡るアサシン教団とテンプル騎士団の戦いが、現代と15世紀のスペインを舞台にダイナミックに展開する。ストーリーはオリジナルながら、アサシンブレードやイーグルダイブなどゲームでおなじみの武器や技術がどう表現されているのか、ゲームファンなら興味津々だろう。映画向けに“改良”された装置“アニムス”にも注目だ。
死刑を執行されたはずのカラム・リンチ(マイケル・ファスベンダーさん)が目覚めると、そこはテンプル騎士団が設立した組織“アブスターゴ財団”のリハビリ棟で、彼はソフィア・リッキン博士(マリオン・コティヤールさん)から信じられない話を聞かされる。有史以来、テンプル騎士団とアサシン教団は、人間の暴力性を取り除くとされる秘宝“エデンの果実”を巡る戦いを続けており、そのエデンの果実の秘密に最も近づいた人間が15世紀ルネサンス期に生きたアサシン教団の一人、アギラール・デ・ネルハで、アギラールはリンチの祖先だというのだ。リンチは、リッキン博士が開発した装置“アニムス”よってアギラールの行動を追体験することで、エデンの果実の秘密に近づいていく……というストーリー。ファスベンダーさんがリンチとアギラールの二役を演じるほかプロデューサーも兼務。日本語吹替え版では、俳優の斎藤工さんがファスベンダーさんの声を担当している。
二つの時代を行き来しながら物語が進む中、アニムスをロボットアームにしたことで現代パートの躍動感が増した。リンチはアニムスに背骨を固定され、振り回されたり、たたき落とされたりする。そのあんまりな仕打ちに同情する一方で、ファスベンダーさんの隆起する筋肉に魅了された。注目は、ワシ(イーグル)のシルエットを連想させるアギラールの“イーグルダイブ”。それを追体験するリンチの着地が決まったときは、そのカッコよさにシビレた。3日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)
「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」南極を舞台にしたオリジナル作にワクワク
劇場版アニメ「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」(高橋敦史監督)が3月4日、公開される。人気アニメ「ドラえもん」(テレビ朝日系)の37作目となる劇場版で、のび太たちが氷の下に眠る古代都市を巡って冒険を繰り広げる。南極を舞台に、不思議で魅力的な冒険要素が随所にちりばめられ、感動はもちろんのこと、ドキドキ&ワクワク感満載の展開が楽しめる。
真夏の暑さに耐えかね、のび太たちは南太平洋に浮かぶ巨大な氷山に行き遊んでいると、氷漬けになっている不思議な腕輪(リング)を発見。リングは人が住んでいるはずもない10万年前の南極のもので、落とし主を探して南極へ向かうと、氷の下に閉ざされた巨大な都市遺跡が姿を現し……というストーリー。ゲスト声優として、フィギュアスケーターの織田信成さん、フィギュアスケーターでタレントの浅田舞さん、お笑いコンビ「サバンナ」の高橋茂雄さんと八木真澄さんが出演している。
氷に囲まれた雄大な自然が広がる南極にふさわしいドラマチックな展開に、冒険シーンから目が離せない。とくに物語のきっかけとなる氷山での遊園地作りのシーンは必見だ。ひみつ道具「氷細工ごて」を駆使して作られていく様子は、「ドラえもん」らしく“夢”が詰まっていて何ともほほ笑ましい。ドラえもんとのび太が言葉をかわさなくても通じ合っているシーンなど、心にじんわりと染み入ってくる名場面もあり、楽しんでいるうちに、あっという間に時間が過ぎていた。4日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで公開。(遠藤政樹/フリーライター)
「プリパラ キラリン☆スターライブ!」 “ぷちゅう”でライブ 新曲やギャグも
テレビアニメ「プリパラ」の劇場版第4弾「劇場版プリパラ み~んなでかがやけ!キラリン☆スターライブ!」(森脇真琴総監督、大久保政雄監督)が3月4日、公開される。舞台は“ぷちゅう”で、アイドルたちがさまざまな惑星でライブを繰り広げる。北条そふぃのソロ曲をはじめ、新曲のライブを楽しめるほか、おなじみのハチャメチャなギャグなど盛りだくさんの内容となっている。
「プリパラ」はアニメやアーケードゲームなどが人気を集めており、テレビアニメが2014年7月から放送中。アニメでは真中らぁらが“神アイドル”を目指して奮闘する姿が描かれている。劇場版第4弾は、らぁらたちが「プリパラ太陽系の惑星を巡って、プリパラの素晴らしさを広めよう!」というミッションを受け、宇宙船ピュスカパリー号に乗り、さまざまな惑星に立ち寄り、ライブを繰り広げる。
“ぷちゅう”とは宇宙に似ているが、普通に呼吸ができるなど宇宙ではない。はにわのような土星人、全身が金色に光る金星人など各惑星には、“ぷちゅうじん”が生息している、などと真面目に説明しようとすると、さまざまな疑問も生まれるが、「プリパラ」らしいぶっ飛んだ設定……と理解すれば、楽しめるだろう。南みれぃに憧れる雨宮春希、紫京院ひびきの執事の安藤玲、「キュピコン」が口ぐせの白井ななみなど人気の脇キャラの活躍の場も用意されているのもファンにはうれしいところだ。
ライブシーンは、らぁらたちによる「そらみスマイル」の「トライアングル・スター」、東堂シオンたちによる「ドレッシングパフェ」の「ラン♪ for ジャンピン!」などおなじみの楽曲が楽しめる。また、梅干しをイメージした衣装で踊るそふぃの映像が予告でも公開されているが、新曲で踊るそふぃの姿が美しく、見どころの一つになっている。
劇場版では、公開週によってストーリーが分岐するらぁらのコース、ひびきのコース、みれぃのコースの三つが用意されている。らぁらのコースは、らぁらが、愛媛なおと「プリパラ」のオーディションを受けることになる……という展開。テレビアニメでは、らぁらは、みれぃとオーディションに受けたが、同コースではパラレルワールドが舞台となる。三つのコースは、いずれも意外な展開となるそうで、ひびき、みれぃのコースも楽しみだ。4日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(小西鉄兵/MANTAN)
「WE ARE X」YOSHIKIの音楽魂とバンドのつらい歴史…年月を重ねた雄姿を見よ!
世界で人気を博す日本のロックバンド「X JAPAN」の過去と現在を追った米ハリウッドの製作チームによるドキュメンタリー映画「WE ARE X」が3月3日から公開される。リーダーのYOSHIKIさんの全身全霊を懸けた音楽人生とともに、これまで語られてこなかったバンドの歴史がひもとかれる。メンバーのHIDEさんとTAIJIさんの死、ToshIさんの脱退など陰の部分もさらけ出され、中でも、幼なじみで結成メンバーのToshIさんとYOSHIKIさんのシーンは、年月を重ねたアーティスト同士として互いに尊重し合う姿が胸に迫る。
2014年、米ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンでの公演を控えたYOSHIKIさんのインタビューと公演の舞台裏を交えながら作品は進む。音楽関係者やKISSのジーン・シモンズさんなどの有名ロッカーも出演し、バンドの魅力を探っていく。その中で97年に解散のきっかけとなったToshIさんの洗脳騒動、亡くなったHIDEさんとTAIJIさんへの思いにも触れる。ローリング・ストーンズのアルバム制作を追ったドキュメンタリー作「ストーンズ・イン・エグザイル~『メイン・ストリートのならず者』の真実」(10年)などを手がけたスティーブン・キジャク監督が手がけた。プロデューサーは、米アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞作「シュガーマン 奇跡に愛された男」(12年)のジョン・バトセックさん。
ドラマーでありピアニストであり、作曲家であり、プロデューサーでもある、才能豊かなYOSHIKIさん。彼の生い立ちから、子どものころの写真とともに、つらかった父親の死や音楽家となった原点が率直な口調で語られていく。ToshIさんとのシーンでは、過去の洗脳・脱退騒動に触れ、「彼を受け入れよう」と思ってバンド復活に至った胸の内が明かされる。一方で、ボーカリストとして追い詰められていったToshIさんの側からも、当時の気持ちが静かに語られていく。2人で子どものころの思い出話に花を咲かせるほのぼのとしたシーンもあって、癒えない傷を抱えながらも前に進んでいく2人の強さと優しさに胸が熱くなる。そして、魂の叫びのような演奏シーンもふんだんに織り込まれ、90年代当時の日本での熱狂だけでなく、最近はツアーによって世界各地でファンを広げるバンドの雄姿や、音楽の持つ力も余すところなく映し出している。
なお、今作は世界20カ所以上の映画祭に出品され、昨年、米サンダンス映画祭のワールドシネマドキュメンタリー部門で最優秀編集賞を受賞している。3日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)
「ハルチカ」セクゾ佐藤勝利&橋本環奈が部活に青春をかける高校生を好演
アイドルグループ「Sexy Zone」の佐藤勝利さんと女優の橋本環奈さんがダブル主演する映画「ハルチカ」(市井昌秀監督)が、3月4日に公開される。今作は、初野晴さんの青春小説シリーズが原作。映画は、気が強く負けず嫌いなフルート初心者の女子高生が、高校で再会した幼なじみの男子とともに吹奏楽部のメンバーを集め、コンクール出場を目指す。物語は王道の青春ものだが、なにより主人公らの吹奏楽と真摯(しんし)に向き合うに姿に好感が持てる。
気の優しい少年ハルタ(佐藤さん)は、幼なじみの真っすぐな性格で負けん気の強いチカ(橋本さん)と高校の入学式で再会を果たす。チカは憧れていた吹奏楽部に入ろうと決めていたが、吹奏楽部は廃部寸前だった。あきらめられないチカは、ホルン経験者のハルタを巻き込み部員集めに奔走する……というストーリー。吹奏楽部員役で、恒松祐里さん、上白石萌歌さん、清水尋也さんらが出演し、顧問の草壁を小出恵介さんが演じている。
演奏シーンなど吹奏楽にまつわる場面が丁寧に作られていて、キャストの熱気もひしひしと感じる。中でも、入部してくれたメンバーらが楽器を演奏しながら集結してくるシーンは、意外な登場パターンなどファンタスティックな演出でユーモアに富み、音楽の楽しさを実感させられた。全編を通してせりふはそれほど多くなく、10代特有のきらめきとモヤモヤした気持ちが描かれており、部活をはじめ青春を何かにささげた人にはストレートに心に響くはずだ。4日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開。(遠藤政樹/フリーライター)