「昼顔」上戸彩&斎藤工の禁断の愛再び サスペンスフルで重苦しい展開の先に…

裸の斎藤工が上戸彩にバックハグ… 映画「昼顔」予告編公開

 2014年7~9月に放送され、上戸彩さんと斎藤工さんの禁断の関係が話題を呼んだ連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち」(フジテレビ系)の劇場版「昼顔」(西谷弘監督)が6月10日にTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほかで公開。ドラマの3年後が舞台。離婚し、海辺の町で1人暮らしをしていた木下紗和(上戸さん)は北野裕一郎(斎藤さん)と偶然再会し、再びしのび会うようになる。その先の2人の運命は、予想を超える展開でハラハラドキドキさせられる。道ならぬ恋の行く末にあるものは、闇か光か……。

 不倫関係に陥った主婦の紗和と高校の生物教師の北野は、調停によって引き離され、紗和は離婚の道を選び、北野は妻・乃里子(伊藤歩さん)の元へと戻った。その3年後、つつましく1人暮らしをしていた紗和は、移り住んだ海辺の町に偶然、大学の非常勤講師となった北野が講演に訪れることを知る。逡巡(しゅんじゅん)しながらも会場に足を運ぶ紗和。その後、2人は再会し、再び逢瀬を重ねるようになるが……という展開。

 映画版もドラマと同じく西谷監督がメガホンをとり、脚本は井上由美子さんが担当している。紗和が勤める海辺のレストランのオーナー杉崎尚人役で平山浩行さんが映画版から登場する。

 「決して会ってはいけない」とお互いに心を残して別れた恋愛ほど、偶然でも再会できた際の燃え上がり方はひとしおだろう。人目につかない場所で子供のようにはしゃぐ紗和と北野。だが、やはり許されぬ愛は長続きしなかった。北野の妻・乃里子に知られてしまった時の2人の凍りついたような表情が印象的だ。話はその後、2人を巡ってサスペンスフルに展開する。

 新キャラの杉崎と紗和のつかず離れずの微妙な関係など新たな要素が加わり、紗和と北野の2人に焦点をほぼ絞ったことで、すっきりとした展開になった。不倫は“倫理に反する”してはいけないこと……ラストはネタバレになるので書けないが、重苦しい中にも納得のいく結末になった。(細田尚子/MANTAN)

「KING OF PRISM -PRIDE the HERO」 詰め込みすぎで目が離せない

「キンプリ」新作の予告編は意味深シーン続々 派手なプリズムショー 新キャラも 劇場版「KING OF PRISM –PRIDE the HERO-」予告編

 劇場版アニメ「KING OF PRISM by PrettyRhythm」(略称・キンプリ)の新作「KING OF PRISM -PRIDE the HERO」(菱田正和監督)が10日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。映像に合わせて観客が声を上げたり、ケミカルライトを振って楽しめる“応援上映”も話題になった前作。新作でも、ツッコミたくなるシーンがあったり、ライブシーンのプリズムショーが更に派手になったりしているため、応援上映をより楽しめるだろう。それぞれのキャラクターの見せ場もたっぷり用意され、盛りだくさんの内容となっている。

 「キンプリ」は、2013年4月~14年3月に放送された女児向けテレビアニメ「プリティーリズム・レインボーライブ」のスピンオフ。男性キャラクターの神浜コウジ、速水ヒロ、仁科カヅキたちが歌とショーに懸ける……というストーリー。

 新作では、コウジが巨額の負債を返すためにハリウッドで映画音楽を制作。カヅキはストリート系としての自らの原点を見詰め直し、ヒロは己を高めるため特訓に打ち込む。そんな中、男子プリズムスタァの頂点を決めるプリズムキングカップが開幕する。

 プリズムショーは過剰なくらい派手になった。特に、ストリート系のカヅキ、香賀美タイガ、大和アレクサンダーのプリズムショーは、少年向けアニメのバトルシーンのような演出に度肝を抜かれる。

 一条シンや如月ルヰ、太刀花ユキノジョウ、十王院カケルら新キャラクターにもそれぞれ見せ場が用意され、氷室聖と法月仁の関係がより深く掘り下げられている。「プリティーリズム」シリーズのファンならニヤりとさせられる“隠し要素”もある。ネタバレになるので詳細は説明できないが、エンディングもさまざまな要素が詰め込まれ、最後の最後まで一瞬も目が離せない。

 「キンプリ」は熱いファンの支えもあってヒットした。新作は「こういうものが見たかった!」というシーンの連続なので、ファンが満足できる内容になっているはず。とはいえ、ストーリー自体は、少年たちの成長、友情などを描いた“王道”なので、前作や「プリティーリズム」シリーズを知らない人も楽しめるだろう。

 前作から引き続き、柿原徹也さんがコウジ、前野智昭さんがヒロ、増田俊樹さんがカヅキを演じる。新キャラクターの声優として杉田智和さんや山寺宏一さん、堀内賢雄さんも出演する。(小西鉄兵/MANTAN)

「22年目の告白-私が殺人犯です-」藤原竜也の怪演に目がくぎ付けになる社会派サスペンス

藤原竜也&伊藤英明がW主演 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」予告編

 俳優の藤原竜也さんが連続殺人犯に扮(ふん)した映画「22年目の告白-私が殺人犯です」(入江悠監督)が6月10日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開。時効に“守られた”藤原さん演じる殺人犯と、当時事件を担当した伊藤英明さん演じる刑事、大切な人を殺された被害者遺族の思惑が、サスペンスフルに展開していく。藤原さんの“怪演”はもとより、二転三転する物語に目がくぎ付けになった。

 1995年に発生し未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人・曾根崎雅人(藤原さん)が、22年後、自分の告白本の出版記者会見に姿を現した。事件当時、曾根崎を逮捕寸前で取り逃がした刑事の牧村航(伊藤さん)は、フラッシュを浴びて不敵な笑みを浮かべる曾根崎に憎悪の念を募らせる。愛する者を曾根崎に奪われた被害者遺族は復讐(ふくしゅう)に動き出し……というストーリー。被害者遺族を夏帆さん、岩松了さん、岩城滉一さん、報道番組のメインキャスター仙堂俊雄を仲村トオルさんが演じる。野村周平さん、石橋杏奈さん、竜星涼さん、早乙女太一さん、平田満さんらも出演している。

 曾根崎の厚顔無恥ぶりに心底あきれた。目を見張ったのは、報道番組に出演した際の、曾根崎と牧村、仙堂のやりとりだ。曾根崎を厳しく追及する仙堂と、その質問をのらりくらりと交わす曾根崎。曾根崎への怒りをふつふつとたぎらせる牧村。3人の醸し出す緊迫感は尋常ではない。更に想定外の事態が待ち受け、まさに手に汗握るシーンとなった。

 被害者遺族を愚弄するような曾根崎の態度、それを面白がりSNSで拡散させる大衆、曾根崎人気にあやかり部数や視聴率を稼ごうとする出版社やテレビ局など、現実でも既に起きている事柄も散見される。その点で、今作は一級のサスペンス劇というだけでなく、さまざまな問題を喚起する社会派作に仕上がっている。(りんたいこ/フリーライター)

「めがみさま」松井玲奈&新川優愛W主演 本当の自分や大切な何かを問いかけられる

松井玲奈&新川優愛 W主演映画で迫真演技 絶叫&罵倒シーンも 「めがみさま」予告

 女優の松井玲奈さんとモデルで女優の新川優愛さんのダブル主演映画「めがみさま」(宮岡太郎監督)が6月10日からシネマート新宿(東京都新宿区)ほかで公開。地域発信映画を製作・上映するシリーズ企画「Mシネマ」の第2弾。行き場を失くし人生に絶望した女性と、同じ環境を克服した女性が出会ったことで起きる変化を描く。

 母・市絵(筒井真理子さん)の過干渉や職場でのいじめなどで人生に絶望していた佐倉理華(松井さん)は自殺を決意するが、自分と同じ環境を克服したというセラピストのラブ(新川さん)の存在を知り、会いに行く。ラブの言葉に感銘を受けた理華は、ラブが開催するセミナーの手伝いを始めるが、ある事件をきっかけに2人の関係に不協和音が……というストーリー。廣瀬智紀さん、鈴木ちなみさん、尾美としのりさんらが共演している。

 日常生活でストレスや不満は誰にでも多少ある。どこか生きづらさを感じている人なら、思わず共感するリアリティーがにじみ出た物語に仕上がっている。絶望している理華と、セミナー参加者を意のままに操るラブの2女性が対照的。怒鳴った後に急に優しくなったりするなど、緩急自在の演技を見せる新川さんは、新境地を開いたように感じた。特に目力あふれる表情を見せるシーンは必見。

 物語は中盤あたりから次第に様相を変え、予想もしないようなラストに向かっていく。余韻や含みも合わせ、見た人がそれぞれの感じ方で楽しめるだろう。(遠藤政樹/フリーライター)

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