「TAP THE LAST SHOW」水谷豊の初監督作 ショービズ界の光と陰…圧巻のタップダンスに酔う

水谷豊、構想40年の初監督作品 映画「TAP THE LAST SHOW」予告編

 水谷豊さんが40年前から温めた構想を初監督で映画化し自ら主演した「TAP THE LAST SHOW」が、6月17日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほかで公開。人生の成功と挫折を経験した初老のタップダンサーと若いタップダンサーたちが夢を追う人間ドラマを、圧巻のショーと共に描いている。水谷さん扮(ふん)する元天才タップダンサーが悩める若手に人生を説くシーンには、大人の深みと若者の熱さ、ショービズの光と陰が交差して胸に迫るものがある。

 天才タップダンサーの渡真二郎(水谷さん)は、30年前に大けがをして引退し、酒に溺れ自堕落な日々を送っていた。ある日、旧知の劇場主・毛利喜一郎(岸部一徳さん)から、劇場「THE TOPS」の最後の演出を頼まれる。しぶしぶオーディションの審査に参加。そこで若いMAKOTO(清水夏生さん)のパワフルなタップの音を聞き、渡の中で止まった時間が再び動き出し……という展開。

 水谷さんは「相棒」の杉下右京とはうって変わってハードボイルドな役柄で魅了する。表舞台から降り、陰を引きずりながら、ステッキを片手にMAKOTOたちをビシビシとしごく鬼の顔から始まり、若いダンサーの中に自分を見いだして、優しさや弱さも見せていく。

 師弟2人が並んで心を開き合う場面では、どん底を経験した人生の先輩としてのせりふに胸を打たれる。夢が潰(つい)えた渡と、時代の移り変わりで閉館を余儀なくなされた毛利が、最後の花火を打ち上げようと集めた若手ダンサーたち。時代から去る者と次代を作る者の人間ドラマが深く刻まれる。

 20代のころにブロードウェーのショーに感動し、いつかタップダンスをモチーフにした青春物語を描いてみたいと思っていたという水谷さん。エンターテインメントへの思いを込め、クライマックスのショー場面に24分間も掛けた。リズミカルでパワフルな靴の音が鳴り響く、圧巻のパフォーマンスに酔わされる。

 軸となる5人のダンサー役には、4カ月間に及ぶオーディションで探し出した本物のダンサーを起用。タップダンスの振り付けは、北野武監督の「座頭市」(2003年)の振り付けで知られる、日本タップダンス界を牽引するHIDEBOHさん。本人もコミカルな老ダンサー役で顔を出している。日本トップのタップダンサーたちが、バチバチと火花を散らしてライバルを演じ、躍動感あふれるダンスで圧倒する。共演は北乃きいさん、六平直政さん、前田美波里さんら。小野了さん、山中崇史さん、六角精児さんら「相棒」の現・元キャストがどこで顔を出すのかも見ものだ。撮影監督は会田正裕さん。(キョーコ/フリーライター)

「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」原作者による完全新作 達也の最強ぶりは健在

劇場版アニメ「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」予告編

 劇場版アニメ「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」(吉田りさこ監督)が6月17日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開。佐島勤さんの人気ライトノベル「魔法科高校の劣等生」(電撃文庫)が原作。魔法の使い手を育成する国立魔法大学付属第一高校(魔法科高校)に通うきょうだい、司波達也と深雪の活躍を描く。劇場版アニメは完全新作で、原作の佐島さんによる書き下ろしのオリジナルストーリーが描かれている。

 魔法科高校に通う劣等生の兄・達也(声・中村悠一さん)と、優等生の妹・深雪(声・早見沙織さん)は春休みを迎え、小笠原諸島の別荘を訪れる。休暇を楽しむ達也たちの前に、海軍基地から脱走してきたという少女・九亜(ここあ、声・小原好美さん)が現れ……というストーリー。中村さん、早見さん、内山夕実さん、寺島拓篤さんら2014年に放送されたテレビアニメのキャストのほか、アンジェリーナ=クドウ=シールズ(愛称リーナ)の声を日笠陽子さんが担当している。

 魔法が当たり前の世界が舞台。普段は社会的な事情を考慮しながら敵を倒していく。劇場版アニメではその制約が外れ、完全無欠ぶりを発揮する達也は、妹の深雪から「さすがはお兄様です」と褒めちぎられるほど、気持ちよく暴れてくれる。大スクリーンならではの迫力で躍動する姿は爽快だ。原作でも人気が高く、世界有数の魔法の使い手であるリーナの活躍ぶりも見応え十分。物語を彩る九亜の存在にも注目だ。(遠藤政樹/フリーライター)

「スペース・スクワッド ギャバン VS デカレンジャー」2大警察ヒーローが巨悪と対決

ギャバン&デカレンジャーがタッグ!「スペース・スクワッド ギャバン VS デカレンジャー」予告編

 メタルヒーローシリーズ「宇宙刑事ギャバン」とスーパー戦隊シリーズ「特捜戦隊デカレンジャー」が共演する映画「スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー」(坂本浩一監督)が6月17日から109シネマズ二子玉川(東京都世田谷区)ほかで公開。歴代特撮ヒーローたちが究極のチームを結成する「スペース・スクワッド」シリーズの第1弾。2代目ギャバンとデカレンジャーらが、宇宙にはびこる犯罪組織の陰謀に力を合わせて立ち向かう。

 ギャバンtypeGこと十文字撃(石垣佑磨さん)は、新たに台頭してきた巨大犯罪組織を捜査していた。一方、特捜戦隊デカレンジャーは謎の連続吸血殺人事件を追っていた。それぞれの捜査が進む中、邪教団・幻魔空界の存在が明らかになる。ギャバンとデカレンジャーは合同捜査に当たるが……というストーリー。石垣さん、デカレッド/赤座伴番(あかざ・ばんばん)役のさいねい龍二さんらデカレンジャーのオリジナルメンバーのほか、初代ギャバン/一条寺烈役の大葉健二さんも出演している。

 折からの警察ドラマブームが特撮にも及んだのか。宇宙刑事と特捜戦隊という2大警察ヒーローがタッグを組み、巨大犯罪組織の陰謀を阻止するために戦う姿は、熱量と迫力に満ちている。数多くの特撮作品を撮ってきた坂本監督ならではのアクションだけでなく、ファン心をくすぐる小ネタもちりばめられ、特撮好きなら思わずニヤリとさせられる。

 十文字撃や赤座伴番の熱く戦う姿は胸アツで、各キャラクターにそれぞれ見せ場があり最後まで飽きさせない。初代ギャバンの登場などオールドファンへのサービスも満点。(遠藤政樹/フリーライター)

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