「いなくなれ、群青」横浜流星がミステリアスな主人公を好演 飯豊まりえ共演 映像美にも注目
俳優の横浜流星さん主演の映画「いなくなれ、群青」(柳明菜監督)が9月6日、新宿バルト9(東京都新宿区)などで公開される。原作は河野裕さんの同名青春ミステリー小説(新潮文庫nex)。謎だらけの階段島を舞台に、横浜さん演じる悲観主義者の七草と飯豊まりえさん演じる理想主義者の真辺由宇らが謎を解き明かそうとする姿を描いた青春ファンタジー。横浜さん、飯豊さんという大注目の2人を中心に、旬な若手が顔をそろえた。光差す描写などの映像美にも注目したい。
捨てられた人たちの島・階段島にやって来た七草(横浜さん)は、島で友人たちと共に安定した日常を送っていた。ある日、島にやってきた幼なじみの真辺(飯豊さん)と再会。謎だらけの島に「納得できない」と憤慨する真辺は、島から出るために、七草と周囲を巻き込みながら島にまつわる謎を解き明かそうとするが……。
同級生の堀役で矢作穂香さん、七草の友人・佐々岡役で松岡広大さん、優等生の学級委員長・水谷役で松本妃代さん、心にトラウマを抱えるバイオリニスト・豊川役で中村里帆さん、七草が唯一、心を通わせるナド役で黒羽麻璃央さんらも出演する。
横浜さんと飯豊さんという、映画にドラマに活躍中の2人が顔をそろえた。横浜さんは、話題を呼んだ連続ドラマ「初めて恋をした日に読む話」の由利匡平(ゆりゆり)役や放送中の「あなたの番です-反撃編-」の二階堂役とはガラリと異なる、どこかミステリアスな雰囲気の悲観主義者・七草を見事に演じ、多彩な演技にうならされた。飯豊さんも本人のイメージと重なるような、真っすぐで凜(りん)とした真辺を好演。水と油のような、一見相いれない2人の関係は注目したいポイントだ。
ファンタジックな世界観を際立たせる映像も見どころの一つ。特に、光が差すシーンや降り注ぐ雨のシーンは幻想的で、深く心に残った。(河鰭悠太郎/フリーライター)。
「ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス」仮面ライダーグリス・武田航平が戦う姿が胸アツ!
武田航平さん主演のVシネマ「ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス」(中澤祥次郎監督)が9月6日、新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで期間限定公開される。2017~18年に放送された特撮ドラマ「仮面ライダービルド」の最終章。死闘の末に散っていった仮面ライダーグリス(武田さん)が新世界で復活し、唯一変身し戦えるライダーとして奮闘する姿を描く。犬飼貴丈さん演じる桐生戦兎(仮面ライダービルド)や赤楚衛二さん演じる万丈龍我(仮面ライダークローズ)、高田夏帆さん演じる「みーたん」こと石動美空らも登場する。
桐生(犬飼さん)の作った新世界では、人体実験を受けた者だけ旧世界の記憶が復活。記憶がよみがえった者の中から「科学の力=兵器」で支配しようとたくらむテロリスト集団「ダウンフォール」が出現。政府官邸を急襲し、高官の氷室幻徳(水上剣星さん)はライダーへの変身を封じる力を操る敵にやられてしまう。魔の手は戦兎、万丈(赤楚さん)、猿渡一海(武田さん)のファームにまで影響し、ライダーシステムを奪われ、美空(高田さん)が人質としてとらわれてしまう……。
おなじみのキャラクターがこれでもかと登場し、お祭り感で物語を盛り上げてくれる。何よりも心打たれるのは、敵を倒す新アイテムを得るには三羽ガラスの命が必要と知った一海が究極の決断を迫られるシーン。
新フォームのグリスパーフェクトキングダムが三羽ガラスの技を使う姿もエモーショナルで、思い出しただけでも胸アツでグッとくる。
最強フォームがそろい踏みする場面はひたすらカッコよく、最終章と銘打ったビルドの節目作にふさわしい仕上がり。武田さんのコメディー演技にも大いに笑わせられた。(遠藤政樹/フリーライター)