「午前0時、キスしに来てよ」GENERATIONS片寄涼太と橋本環奈のキラキラシーンに陶然か 濃厚な映画体験
ダンス・ボーカルグループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の片寄涼太さん、女優の橋本環奈さんダブル主演の映画「午前0時、キスしに来てよ」(新城毅彦監督)が、12月6日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開される。片寄さん演じる国民的スーパースターと、橋本さん演じる普通の女子高生の“格差恋”をファンタジックに描いている。2人の繰り広げる胸キュン、キラキラなシーンに陶然となるか、悶絶(もんぜつ)するか。いずれにせよ、ファンには濃厚な映画体験となるだろう。
花澤日奈々(橋本さん)は、趣味は勉強という超がつくほど真面目で成績優秀な女子高生。でも本当は、おとぎ話のような王子様との恋に憧れていた。
スーパースターの綾瀬楓(片寄さん)が映画の撮影で日奈々の学校にやって来る。エキストラになった日奈々は、飾らない人柄の楓に恋してしまう。楓も日奈々に好意を寄せるようになり、2人は周囲に隠れて恋を育んでいくが……。
眞栄田郷敦さん、酒井若菜さん、遠藤憲一さんらが共演。マンガ誌「月刊別冊フレンド」(講談社)で連載中のみきもと凜さんの少女マンガを、「四月は君の嘘」(2016年)や「ひるなかの流星」(2017年)の新城監督が映画化した。
とにかく、片寄さんの魅力がフルパワーで迫ってくる。ペンのキャップを口で外す姿すらカッコいい。日奈々とのマスク越しのキスや、原作にもある「鼻かじキス」には、見ているこちらが照れと衝撃でのけぞってしまったほどだ。ちなみに、ペンのキャップを口で外すのは片寄さんが考えたという。鼻かじキスも、当初の鼻への軽いキスだったのが片寄さんの提案で変更され、橋本さんにとっては本番でのサプライズだったという。
橋本さん演じる日奈々は、楓を大好きだけど、相手はスーパースター。しかも自分は未成年。思いを貫いていいものかと悩む姿は愛らしくもあり、つらくもある。そんな日奈々に思いを寄せる幼なじみの浜辺彰を演じる眞栄田さんもいい味を出している。
楓の暮らす高層マンションの部屋は「スーパースターになるとこんなところに住めるのか」的な豪勢さで驚かされた。(りんたいこ/フリーライター)
「“隠れビッチ”やってました。」佐久間由衣が映画初主演 愛され欲求の強い女性の心の傷をあぶり出す
モデルで女優の佐久間由衣さんの初主演映画「“隠れビッチ”やってました。」(三木康一郎監督)が、12月6日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。原作は、あらいぴろよさんの体験を基にした同名エッセーマンガ。清楚(せいそ)な見た目を武器に、男心をもてあそぶ女性の、隠された心の傷をあぶり出す恋愛ストーリーだ。森山未來さん、村上虹郎さん、大後寿々花さんら実力派キャストが出演している。
荒井ひろみ(佐久間さん)は、26歳の独身。清純派を装って思わせぶりなそぶりを見せた後に振るという恋愛を繰り返してきた。シェアハウスの仲間、コジ(村上さん)と彩(大後さん)は、あきれて“隠れビッチ”と名付ける。
そんな彼女の前に、気になる男性、安藤(小関裕太さん)が現れるが、負け試合に終わる。やけ酒で酔いつぶれたひろみを、同じ職場の三沢(森山さん)が介抱し……。
NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のヒロインの友人役で存在感を見せた佐久間さんが、愛され欲求の強過ぎる女性、という役柄に体当たりしている。ひろみの成長に影響を与える三沢役の森山さんが、彼女との関係に右往左往する普通の男性をリアルに演じている。シェアハウスの仲間でバイセクシャルのコジを演じる村上さんも強烈な印象を残している。
男の人を次々に振っては、デートを繰り返す。そんなひろみがシェアハウスで自分をさらけ出しているときの顔と、男性の前での顔のギャップが、面白く映し出される。その後、三沢の登場がストーリーの転機となり、ここから、ひろみは自分の過去と向き合うことになる。恋愛ゲームの作品かと思いきや、いつしか、愛し方も愛され方も知らずに育った女性の物語になっていく。
愛されたい、相手にこうしてほしいという誰もが持っている欲求が激し過ぎるひろみだが、エキセントリックな言動の裏を知る頃には、ひろみと三沢の行く末を静かに見守り、2人を応援したくなる。
「旅猫リポート」(2018年)などの三木監督が、佐久間さんに質問を投げながら厳しく演出したという。佐久間さんは、ひろみの子供時代を演じる子役の撮影現場を見学し、ヒロインの過去を大事にしながら演じ切った。主題歌は、kitriの「さよなら、涙目」。(キョーコ/フリーライター)