俳優の佐藤健さんの主演映画「護（まも）られなかった者たちへ」（瀬々敬久監督、10月1日公開）の特別映像が5月4日、公開された。殺人事件の容疑者として追われる主人公・利根役の佐藤さんと、利根を追う刑事・笘篠役の阿部寛さんのインタビューとメーキングを使用した映像となっている。

　映画は、「このミステリーがすごい」受賞作家・中山七里さんの同名小説（NHK出版）が原作で、佐藤さん、阿部さんのほか、清原果耶さん、倍賞美津子さん、吉岡秀隆さん、林遣都さん、永山瑛太さん、緒形直人さんら豪華キャストが集結。

　全身を縛られたまま“餓死”させられるという不可解な連続殺人事件が発生。捜査線上に浮かび上がったのは、過去に起こした事件で服役し、出所したばかりの利根という男。刑事の笘篠は利根を追い詰めていくが、決定的な確証がつかめないまま、第3の事件が起きようとしていた。なぜ、このような無残な殺し方をしたのか？　利根の過去に何があったのか？　さまざまな思いが交錯する中、やがて事件の裏に隠された切なくも衝撃の真実が明らかになっていく……というストーリー。

　今回の映像のインタビューでは、利根役を演じた感想を問われた佐藤さんが「何度かテークを重ねさせてもらったので、本番が始まったらゼロに戻して、その時感じたままやりました」と常に新鮮な気持ちで撮影に臨んだことを明かしている。また、瀬々監督の演出について阿部さんは、人間の複雑な心理を表現することに関して「瀬々監督はそういうところ繊細に撮ってくださると思ったので、瀬々監督を信じてやっていました」と、監督への厚い信頼を語った。さらに、特別映像の冒頭にも使用されている佐藤さんが泥水に押しつけられ「ふざけんな！」と叫ぶ迫力シーンのメーキングのほか、撮影の合間に監督と話し合う阿部さんの姿、そして清原さんや倍賞さんなど2人を取り巻く登場人物の表情も垣間見える映像が収められ、佐藤さんの「人と人とのつながりとか、絆だとか、愛だとかが見ている方に伝わってくれたらうれしい」という熱いメッセージで締めくくられている。