映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズなど数々の名作を手がけるロバート・ゼメキス監督が10月21日、東京都内で最新作「ザ・ウォーク」のプロモーションのための来日記者会見を行った。この日は、自身の監督作「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」の劇中で、主人公マーティーとドクが30年後にタイム・トラベルをした記念すべき日。ゼメキス監督は「今ここにいられることをうれしく思います。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』デーですから」と笑顔で語り、「30年はあっという間でした」と振り返った。「続編の可能性はありますか?」という記者の質問には「ありません。シリーズは3部作として出来上がっていると感じているので」と否定した。
ゼメキス監督は、記者から「古い友人がこちらに来て大変な目に遭う日ですが……」と質問されると、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に出演しているドクとマーティの2人へ向けて「『時空をいじるな』と、そう伝えておきたい」とちゃめっ気たっぷりなメッセージを送り、会場の笑いを誘った。続編はないというが、「この場所にいられるということは、何かすごくしっくりくる。それを偶然と見る方も、必然だという人もいるかもしれないがそれは人それぞれ」と特別な思いを感じているようだ。最新作を含め、自身の映画との関連性を聞かれると「きっとあるとは思いますけれど、それは、映画の研究をしている方々に委ねたい。私は、ストーリーを伝えたいと思ったときに映画を作っている」と語った。
「ザ・ウォーク」は、ジョセフ・ゴードン・レビットさん主演。1974年に当時世界一の高さを誇ったワールド・トレード・センターの間をワイヤーロープ1本でつなぎ、命綱なしの空中闊歩(かっぽ)に挑戦したフィリップ・プティさんの著書を実写化したもので、彼がフランスからニューヨークに渡り、未知の世界へ踏み出すまでの軌跡を、最新3D映像で見せる。会見は、同作にちなんで47階という高所で行われ、ゼメキス監督のほか、プロデューサーのジャック・ラブケさんも出席した。2016年1月23日公開予定で、22日に開幕する第28回東京国際映画祭特別招待作品としてオープニングに上映される。