湯浅政明さんが監督を務める劇場版アニメ「犬王」で、2人の主人公の声優をロックバンド「女王蜂」のボーカル・アヴちゃんと俳優の森山未來さんが務めることが7月27日、分かった。アヴちゃんが能楽師の犬王、森山さんが犬王のバディーとなる琵琶(びわ)法師・友魚(ともな)を演じる。同作が2022年初夏に公開されること、大友良英さんが音楽を担当することも分かった。
特報も公開され、犬王と友魚が宙に舞い上がるシーンや、アヴちゃん演じる犬王の歌声がお披露目された。舞台である室町時代の京都で人々が、音楽フェスさながらに熱狂するシーンも描かれた。
アヴちゃんは「普段女王として生きている私が、今回『王』として生きる機会をいただきました。『犬王』。真っすぐに、運命の映画だと言い切ることができます。ああ! 来年をおたのしみに!」とコメントを寄せている。
森山さんは「現存する能楽が確立される前なのだから自由な発想で演じられていい、という考えのもとに湯浅監督が生み出したぶっ飛び能楽アニメーション『犬王』。琵琶法師、友魚として、これまたぶっ飛んだアヴちゃん演じる、艶やかな犬王に寄り添う。必然、ジェットコースターのような現場でした。世界最古のミュージカルと言われる『能楽』の豊かな可能性を感じられる映画になっているのではないでしょうか」と話している。
「犬王」は、作家の古川日出男さんが「平家物語」を現代語訳した「平家物語 犬王の巻」(河出書房新社)が原作。南北朝~室町期に活躍し、世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王、盲目の琵琶法師・友魚の友情が描かれる。マンガ家の松本大洋さんがキャラクター原案を手がけ、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などの野木亜紀子さんが脚本を担当する。