「第72回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の表彰式が2月15日、「ミューザ川崎シンフォニーホール」(川崎市幸区)で開催され、「三度目の殺人」(是枝裕和監督)で男優助演賞を受賞した役所広司さんが出席した。役所さんは登場する際に足を引きずるような仕草を見せたが、いつも変わらぬ様子でスピーチ。関係者によると「出演映画の撮影中にけがをしたようだ」という説明があった。
役所さんは、主演映画「KAMIKAZE TAXI」で1995年の「第50回毎日映画コンクール」の男優主演賞を受賞しており、「素晴らしい賞をありがとうございます。二十数年前に初めて賞をいただけたのがこの賞でした。『KAMIKAZE TAXI』で初めてもらった映画賞でした。それ以来、この賞に恥じないように、頑張ってきました。是枝監督の『三度目の殺人』でも、もらうことができた。本当についている男だと思います。キャスト、スタッフの皆さんに感謝します」と喜んでいた。
「三度目の殺人」で主演を務めた福山雅治さんについて、「(長崎の)同郷なんですよ。勝手に親近感を持っていて、いい男でしたね。性格も素晴らしかった」と絶賛。さらに同作の撮影中のエピソードを「撮影のほとんどが狭い空間(の面会室)で、酸欠になるんですよ。僕も福山君もボーっとしてきたなって。酸素ボンベを買ってきてくれて、監督が『よーい!』って言ったら(一気に酸素を)補給して撮影していました」と振り返った。
「毎日映画コンクール」は、日本で最も長い歴史を持つ映画コンクールの一つ。今回は「転校生」や「時をかける少女」などで知られる大林宣彦監督の「花筐/HANAGATAMI」が「日本映画大賞」、俳優の菅田将暉さんと韓国の俳優ヤン・イクチュンさんがプロボクサーに扮(ふん)した岸善幸監督の「あゝ、荒野」が「日本映画優秀賞」に選ばれ、「監督賞」は「バンコクナイツ」の富田克也監督、「脚本賞」は「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石井裕也監督が受賞した。
表彰式には、「あゝ、荒野」で男優主演賞を受賞した菅田さん、「散歩する侵略者」で女優主演賞を受賞した長澤まさみさん、「幼な子われらに生まれ」で女優助演賞を受賞した田中麗奈さんらも出席した。