5月に開催される第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出された映画「光」(河瀬直美監督、5月27日公開)の完成披露試写会が4月27日、東京都内で行われ、俳優の永瀬正敏さんら、同映画祭に出席する主要キャストが登場した。2015年の映画「あん」、16年の「PATERSON(パターソン)」に続き、出演作が3年連続でカンヌ国際映画祭に出品されることになった永瀬さんは、日本人俳優として初の快挙に「そりゃもう、本当に、監督に連れて行っていただけると思ってます。感謝、感謝、感謝、です」と、喜びをにじませた。
07年に「殯(もがり)の森」で第60回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、16年の同映画祭では短編部門の審査委員長を務めた河瀬監督は、今回の同映画祭コンペティション部門の選出の連絡を受けた際は「号泣しました。カンヌという場所は簡単な場所ではなく、レッドカーペットを踏めるのはひと握り。みんなとその時間を分かち合えると思ったら涙が止まりませんでした」と告白。永瀬さんも「決まったというお電話をいただいたら、監督がずっと号泣されていて、僕は『ありがとうございます。おめでとうございます』を繰り返した。監督の思いが伝わって、号泣しました」と振り返った。
「光」は、視力を失いかけているカメラマン・雅哉(永瀬さん)とバリアフリー映画のモニター会で音声ガイドを作成する美佐子(水崎綾女さん)が、衝突しながらも互いへの理解を深めていくラブストーリー。試写会には、永瀬さん、河瀬監督のほか、ヒロインを演じた水崎さん、藤竜也さん、神野三鈴さんが登場した。