人気マンガ「北斗の拳」の作者の武論尊(ぶろんそん)さんと原哲夫さんが9月13日、東京都内で開かれた「北斗の拳」の出版35周年記念イベント「伝承式」に登場した。
「北斗の拳」の35周年の感想を聞かれた原さんは「連載を始めたときはこんなに続くとは思っていませんでした。実は(北斗の拳の)前の年に連載を失敗していて……。(週刊少年)ジャンプは10週で(人気のない作品は)見切りを付けられるので、まずは10週を超えるのがチャンレンジでした。次は20週、次は30週とやって積み重ねて、ヒットして良かったと思いました」と振り返った。
武論尊さんは「僕が原作で(ケンシロウの兄の)ジャギを書くと、(原さんが勝手に)ヘルメットをかぶらせてくるので、その絵を見て僕がストーリーを膨らませていく。『もっと肉付けしなきゃ』という感じ」と振り返ると、原さんは「あのころは僕も若かったので、やりたいことをやってきました」と笑いながら答えた。さらに原さんは「連載時に(担当編集だった)堀江(信彦)さんと武論尊先生はスペインに遊びに行きましたが、僕は(マンガの執筆で忙しくて)旅行に行ったことがない。毎週徹夜で遊びにも行けず地獄の日々でした。文句ばかり言ってすみません。すぐ“負のエネルギー”が出てくる」と冗談めかして語っていた。
「北斗の拳」は、1983~88年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された武論尊さん原作、原さん作画のマンガ。暴力が支配する核戦争後の世界を舞台に、伝説の暗殺拳「北斗神拳」の伝承者ケンシロウが、兄でもある“覇王”ラオウら強敵たちと拳を交えて戦う……というストーリー。