12の物語で構成される映画「DIVOC-12(ディボック-トゥエルブ)」(10月1日公開)で、“成長への気づき”というテーマで製作する藤井道人監督チームの予告映像が9月10日、公開された。
映像は、藤井監督の「名もなき一篇・アンナ」から始まる。アンナ(ロン・モンロウさん)に「今日はどこへいく?」と優しく声をかけられる男(横浜流星さん)。喪失感を抱き続ける男は時空を超える旅の中でアンナと出会い自分の運命と向き合っていく。優しく、美しい時間が流れる中で「忘れないよ、忘れない」と涙を流す男の再生の物語となっている。また、スタッフを最小限に抑え、感染対策を万全に撮影されたという本作は、沖縄、京都、函館、東京と、約5000キロの大移動を経て撮影され、男とアンナの時空を超える旅にふさわしいロケーションの美しさも見どころの一つだ。
続いて、志自岐希生監督の「流民」の映像を収録。あるホテルに泊まることにした女(石橋静河さん)は、ドアを開けても自分の部屋が見つからない。部屋それぞれに異文化の世界が作り上げられたこのホテルの中で、流民となった女は本当の自分の居場所を見つけることができるのか……。次は、林田浩川監督「タイクーン」。酔っぱらって釣り船の上で寝てしまった移民のシェフ・シン(小野翔平さん)は、ある男(窪塚洋介さん)から「地球人だな」とおもちゃの銃を向けられる。男は「海は次に何をするか見つける場所。お前は陸に着いたら一番に何がしたい?」と問いかけ、夜の海の上で出会った男とシンの不思議な時間の交流を描いた映像となっている。
最後に廣賢一郎監督の「ココ」。佳奈(円井わんさん)から妊娠したことを聞かされる熙舜(笠松将さん)だったが、「困るよ」と佳奈を突き放す。料理人を目指している熙舜は父親との間にも確執を持っていた。そんな彼は、佳奈と真剣に向き合うことも、父親になる決心もつけられない。思い悩む熙舜は、父との確執を乗り越え、佳奈と向き合うことができるのか……という内容。