こうの史代さんのマンガが原作の劇場版アニメ「この世界の片隅に」(片渕須直監督)に新規カットを加えた「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」に声優の花澤香菜さんが出演することが9月19日、分かった。花澤さんは、主人公・すずが遊郭で出会う九州出身のテルを演じる。花澤さんは「ずっと大切にしていた作品だったので、参加できるなんて信じられませんでした」とコメントを寄せている。
すずが手に息を吹きかけて寒さをこらえながら南の島の絵を描き、テルが「そげん南の島がよか。よかねえ……」とうれしそうに話しかけるシーンの本編映像も公開された。
「この世界の片隅に」は、「漫画アクション」(双葉社)で連載され、2009年に「文化庁メディア芸術祭」のマンガ部門優秀賞を受賞したこうのさんのマンガが原作。戦時中、広島・呉に嫁いだ18歳のすずの生活が、戦争の激化によって崩れていく様子が描かれた。劇場版アニメは2016年11月に公開され、いわゆる“単館系”の作品だったが、異例のヒットを記録した。日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞に選ばれたほか、アヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門審査員賞を受賞した。「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」は12月20日に公開。
◇花澤香菜さんのコメント
見て……というより、すずさんを通してあの体験をしてからずっと大切にしていた作品だったので、参加できるなんて信じられませんでした。原作を読みながら、自分なりにテルちゃんの描かれていない部分も想像して収録に臨ませていただきました。さらに多くの方に見ていただけますように!