俳優の瀬戸康史さんが、このほどカナダ・モントリオールで開催された「第39回モントリオール世界映画祭」で披露したフランス語のスピーチの映像が公開された。着物姿で登場した瀬戸さんは流ちょうに出品作「合葬」(小林達夫監督、26日公開)で描かれた武士道精神について語り、会場から盛んな拍手を浴びた。
「合葬」は、1982~83年にマンガ誌「ガロ」に連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子さんのマンガが原作。幕末、将軍の警護のため結成された彰義隊を舞台に、時代に翻弄される若者たちの青春を描いており、ダブル主演を務める瀬戸さん、柳楽優弥さんのほか、オダギリジョーさん、門脇麦さんらが出演している。
瀬戸さんは「侍は礼儀や作法を大切にし、忠誠心の強い、現代の我々日本の若者にとっても尊敬すべき精神をもっています」と説明しつつ、「侍はいなくなってしまいましたが、現代を生きる僕らにも侍の心、武士道が残っています。私が役者として、宿っている武士道はその一瞬一瞬に命をかけるという覚悟です。私にとって『合葬』は一シーン、一シーン、セリフ一言、一言に命をかけて作った映画です。今日お越しいただいた皆さん、どうぞ最後までお楽しみください」とアピールした。