BS11の報道番組「ウイークリーニュースONZE」のビジネス情報コーナー「BizBuz」では、「夏から熱い!! ランドセル商戦!」と題して、少子高齢化の中、加熱するランドセル市場の動向を紹介した。
幼稚園児を持つ家族向け雑誌「アンファン」などの調査によると、ランドセルを購入する時期は9月までに済ませる家庭が多く、特に女子は7〜9月が62%が購入しており、中でも8月が26%でトップとなっている。従来、入学直前の年末年始が購入時期だったが、年々購入時期が早まっているという。
なぜ購入時期が早まるか、ポイントとして「手作り」と「思い出」が挙げられる。7月1日から伊勢丹新宿本店などで販売されているイタリアのレザーブランド「ペローニ」とコラボしたランドセルの価格は17万2800円。イタリアの職人工房で染色から装飾まですべて手づくりで行われている。これは極端な例だが、ランドセルというは手づくりのものも多く、大量生産するのが難しいため、早く買わないと欲しい色などがなくなってしまうという。
さらに「思い出」だが、ランドセルは1個買って6年間使うもので、両親や祖父母が大事な新入学のアイテムとして購入する。そのため、いいものを確保しようと購入時期が早まり、今年は5月のゴールデンウィーク前に売り場を開いたところが多かった。そのころ、3世代で下見をして、お盆に購入するという形だ。実際出足は好調で、イトーヨーカドーが前年同期比2.5倍、そごう・西武が2.3倍、髙島屋は1.5倍。それに連れて平均単価も2005年から右肩上がりで、2015年には5万円台に入ろうとしているという。
加熱するランドセル商戦だが、各社さまざまな商品展開をしている。例えば、イオンリテールでは、ホームページでランドセルのカスタマイズが可能で、基本デザインを選び、各パーツの色、内装やびょうまでカスタマイズできる。本体価格5万3000円で、組み合わせは約140万通り。新入学児の数が100万人前後といわれているため、理論上はオンリーワンを作ることができるという。
海外セレブが、そのデザインや機能性から、ファッションアイテムとして愛用したことで話題となり、中国の「爆買い」の対象にもなっているランドセル。今後の動向に注目だ。
2015年8月16日放送
放送時間:BS11毎週日曜日 午後6時00分~6時55分
キャスター:
元村 有希子(毎日新聞編集委員)
田野辺 美鈴
コメンテーター:
山路 徹(ジャーナリスト)
BizBuzコーナー
出演:猪狩 淳一(毎日新聞デジタル)