「20世紀少年」の浦沢直樹さんら人気マンガ家による豪華な"ラクガキ"が話題を呼んでいる小学館ビル(東京都千代田区一ツ橋)の一般公開が終わり、2日間で約8000人が来場したことが25日、明らかになった。ラクガキはビル取り壊し作業のため、26日からは外からも見られなくなるという。保存は現段階では未定のため、来場した人たちや、インターネットなどで多くのマンガファンが「何らかの形で保存を」と惜しんでいる。
「オバQビル」の愛称でも知られている小学館ビルは1967年に完成した地上9階地下3階の鉄筋コンクリート造り。ラクガキは、耐震の見直しで建て替えが決まり、手塚治虫さんら著名なマンガ家が住んでいたことで知られる「トキワ荘」の解体時に建物にラクガキを描いたというエピソードを見習い、小学館のビッグコミックスピリッツ編集部が呼びかけ実現した。
呼びかけに応じたのは浦沢さんらマンガ家25人。9日に集まり、ビル1階の応接ロビー(約216平方メートル)内に絵を描くと、インターネットなどで「豪華すぎる」「見たい」などと話題になり、ビルの周辺では窓ガラス越しに鑑賞する人が続出した。さらに自らも「ラクガキをしたい」というマンガ家の希望もあって、22日に内覧会を開いたところ、「うる星やつら」の高橋留美子さんら84人が参加し、ビルの地下1階もラクガキで埋め尽くされた。
一般公開は25日午後9時に終わり、ビルは26日から工事のためにシートに覆われる予定。ラクガキの写真は小学館のサイトで9月下旬に公開される。(毎日新聞デジタル)
◇ラクガキに参加した主なマンガ家ら(敬称略)
9日のラクガキ大会=藤子不二雄A、浦沢直樹、島本和彦、ゆうきまさみ、吉崎観音、黒丸
22日の内覧会=高橋留美子、池上遼一、武論尊、室山まゆみ、のむらしんぼ、樫本学ヴ、曽山一寿、藤田和日郎、河合克敏、浅野いにお、倉田よしみ、原秀則、芦原妃名子、桜小路かのこ、水波風南、青木琴美、渡辺多恵子、水城せとな、田村由美
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