俳優の柳楽優弥さんが主演し、有村架純さん、三浦春馬さんも出演する映画「映画 太陽の子」(8月6日公開)の主題歌が、福山雅治さんの「彼方で」に決まったことが6月2日、分かった。映画の本予告映像も公開された。
映画は、日本の原爆開発を背景に、時代に翻弄(ほんろう)されながらも全力で駆け抜けた若者たちの等身大の姿を描いた青春群像劇。太平洋戦争末期に実際に海軍からの密命を受け京都帝国大学・物理学研究室が行っていた「F研究」と呼ばれる新型爆弾開発の事実を基に作られたフィクション作品で、極秘任務に携わる科学者・修を柳楽さん、修とその弟がほのかな思いを寄せる幼なじみの世津を有村さん、修の弟で戦地で心に傷を負った軍人・裕之を三浦さんが演じた。2020年に放送されたパイロット版というべきテレビドラマとは異なる視点と結末が描かれるという。
監督・脚本は、NHK「ひよっこ」「青天を衝け」の黒崎博さん、音楽はアカデミー賞5部門ノミネートのニコ・ミューリーさん、サウンドデザインに同賞8部門ノミネート、主題歌賞を受賞したマット・ヴォウレスさんと、ハリウッド最高峰のステージで活躍するスタッフが集結。さらに、「アルマゲドン」「ジョン・ウィック チャプター2」で知られる名バイプレーヤーのピーター・ストーメアさんがアインシュタインの声で出演する。
本予告は、笑顔で「いっぱい未来の話しよう」と固く手を結びあう3人の姿から始まる。「今研究しているもんが完成すれば戦争は終わる。世界を変えられる」と未来への可能性を信じ、未知なる世界への研究に目を輝かせ「実験しましょう!」と夢中になる修(柳楽さん)、「戦争が終わったら仕事する。結婚はその後や!」と現実をしっかり見つめ、未来への強い意志を持つ世津(有村さん)、「怖いよ、俺だけ死なんわけにはいかん」と戦場への恐怖をさらけ出す裕之(三浦さん)、そして「俺らがやってることは正しいことですか? 間違ってるんですか?」と物理学の魅力を感じながらも、一方で多くの命を奪う兵器開発を担うという葛藤に抗う修の姿など、等身大の表情が次々と映し出される。
一方で、研究を続けようとする修に向かって、「科学者とはそんなに偉いんか」といさめる母親・フミ(田中裕子さん)、「(戦争に)勝っても負けても何も変わらん!」と、強い怒りを顕にする世津、命を顧みず戦場へ向かおうとする研究生に「生きるんや」と強いまなざしで研究室へ残るように促す荒勝教授(國村隼さん)の姿も捉え、福山さんが歌う主題歌「彼方で」も流れる。