月刊情報誌「日経トレンディ」(日経BP社)が選ぶ「2015年ヒット商品ベスト30」が11月3日、発表され、今年3月の長野-金沢間の開業から半年間で約482万人が利用した「北陸新幹線」が1位に選ばれた。2位はお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹さんの小説で芥川賞受賞作「火花」、3位は「インバウンド消費」だった。
「ヒット商品ベスト30」は、前年10月~当年9月に発表された商品やサービスを対象に、売れ行きや新規性、影響力などをもとに編集部が評価・選出する年末恒例の企画で、1987年から発表している。2014年は「アナと雪の女王」、13年は「コンビニコーヒー」、12年は「東京スカイツリー」がトップだった。
北陸新幹線は、今年3月14日に開業。乗車人数約482万人は昨年同時期の在来線・特急「はくたか・北越」の人数と比べて約303%相当と増加した。長らく関西人の利用の多かった石川県の温泉では、関東からの観光客が大幅に増え、その割合は逆転。2023年延伸開業予定の福井県にも影響し、勝山市の恐竜博物館では4~6月の来館者が17%増加したという。
「火花」は、作者の又吉さんと芥川賞の相乗効果が絶大で、純文学作品としては過去10年で最速の200万部突破を記録。同作品の掲載誌は80年の歴史で初めて増刷された。
なお来年ヒットしそうな商品を紹介する「2016年ヒット予測」では、1位は「新電力トリプルセット割」、2位は「激安オム二家電」、3位は「街かどインスタプリント」だった。