女優の小松菜奈さんと俳優の菅田将暉さんのダブル主演で、ジョージ朝倉さんのマンガを実写化した映画「溺れるナイフ」(山戸結希監督、5日公開)の海中シーンの映像が11月2日、公開された。海底へと沈んでいく菅田さんを助け出そうとする小松さんの姿を、繊細なピアノの旋律に乗せて幻想的に描いた映像で、撮影は台風直前の荒れた海で行われたという。水に沈まない体質だという小松さんは、制服を着た上に重しをつけてシーンに挑み「本気で死ぬかと思った」と振り返っている。
映画は、2004年10月~13年12月に月刊マンガ誌「別冊フレンド」(講談社)に連載され、コミックス全17巻の累計発行部数は170万部を超えるマンガが原作。東京で雑誌モデルをしていた夏芽(小松さん)は、父親の故郷に引っ越し、刺激がない田舎町での暮らしに落胆するが、先祖代々の土地を守る神主一族の子孫で跡取りの航一朗(コウ・菅田さん)に出会い、引かれていく……というストーリー。夏芽と航一朗のクラスメート役で、アイドルグループ「ジャニーズWEST」の重岡大毅さん、上白石萌音さんが出演している。
公開された映像は、ある悲劇の後、心を閉ざしていた夏芽がある日、抑えていた恋しさに突き動かされ、荒れ狂っていたコウに思いをぶつける……というシーンの一部。海中を舞台に、死を恐れず、むしろ死を受け入れようとするかのようなコウと、生きようとする夏芽という、対照的な2人の姿が映し出されている。