狂言師の野村萬斎さんが10月31日、東京都内で開かれたWOWOWのドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 野村家三代 パリに舞う ~万作・萬斎・裕基、未来へ」のワールドプレミアに登場。観客から「父(万作さん)と息子(裕基さん)に嫉妬することはあるか?」という質問があり、萬斎さんは「いい質問ですね」と苦笑しながら「息子とは手足の長さが違うけれど、声は似ている。でも性格も違う。父は生真面目、私はいいかげん。息子は“隔世遺伝”かもしれませんが、父に似ていると思うこともある」と明かしていた。
萬斎さんは「父が長生きするのはありがたいのですが、ハードルが上がって、嫉妬というより困る」と答えて、観客を笑わせた。さらに「父(の狂言)は自我がなく、型もなくなり、達している。そういう世界観を見せられると、自我が抜けていない人間(自分)が何をやってもかなわないし、皆さんの(芸を見る)目が肥える」と話して、再び観客を笑わせていた。
「野村家三代パリに舞う」は、狂言の歴史を受け継ぐ野村家三代、人間国宝の万作さん、映画やドラマでも活躍する萬斎さん、狂言師として歩み出した萬斎さんの息子・裕基さんの「挑戦」を追ったドキュメンタリー。11月11日午後6時半からWOWOWプライムで放送される。