2015年5月に大腸がんのため54歳で亡くなった俳優の今井雅之さんが生前に遺(のこ)した脚本を映画化した「手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~」(奈良橋陽子監督)の完成披露試写会が5月10日、東京都内で行われ、主演を務めたタレントの川平慈英さん、共演の七海さん、奈良橋監督が登場した。
当初は今井さんが主演する予定だった主人公を演じた川平さんは「陽子さんから話があった時『俺しかいないだろう、まーちゃん本当にありがとう』と涙がポロポロ流れてうれしかった」と喜びをかみしめた。演技については「(自分は)役者ではないイメージ。奈良橋さんの愛情によって役者として、表現者だということをアピールしなければいけないという雅之の僕へのメッセージを感じた」「魂を込めて渾身の演技をさせてもらった」と思いを語った。
「手をつないでかえろうよ」は、“生のエネルギーと輪廻(りんね)”をテーマにし、今井さんの作・主演で2009年に初演された舞台公演。16年公開の映画版でも、今井さんは脚本を担当している。軽度の知的障害のある男性・真人が主人公で、中学校で特殊学級に入った真人は、ばかにされたりいじめられたりしながらも、同じ障害のある女性・咲楽と出会い、ぎこちない愛情表現を交わしながら、やがて結婚するが……というストーリー。5月28日公開。