スーパー戦隊シリーズの46作目「暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ」(テレビ朝日系、毎週日曜午前9時半)が3月6日から放送される。本作で、オニシスター(イエロー)/鬼頭はるかを演じているのが志田こはくさん。選ばれた経緯や心境、役作りのこだわり、役者としての目標などを聞いた。
◇オーディションでフィギュアスケートのジャンプを披露
「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」は、おとぎ話「桃太郎」がモチーフで、“レッド”ドンモモタロウが、お供の“ブルー”サルブラザー、“ブラック”イヌブラザー、“ピンク”キジブラザー、さらに“イエロー”オニシスターと共に、人間の消去をもくろむ敵「脳人(ノート)」に立ち向かうというストーリー。「鳥人戦隊ジェットマン」(1991~92年)や「仮面ライダーアギト」(2001~02年)など数々の特撮作品を手掛けてきた井上敏樹さんが脚本を担当する。
志田さんは、2004年5月25日生まれ、埼玉県出身の17歳。中学2年まで続けていたフィギュアスケートをけがでやめてしまったことがきっかけだった。「何かやりたいことないかなと考えていたとき、姉(志田音々さん)が芸能活動しているのを見て、私も興味が湧いてやってみたいと思ったのがきっかけですね」と話す。
「印象に残ることをしたい」と考えたオーディションでは、フィギュアスケートの経験を生かしたジャンプを披露して手応えを感じた。しかし「その後の最終オーディションでは緊張して固まってしまって、あまり自分が出せなかった。だめかもと思っていました」と当時の不安だった心境を明かす。
合格を聞いたときのことを、「うれしい気持ちと驚きでいっぱいでした。『選んでいただいた。頑張るぞ』っていう気持ちにもなりました」」と話し、衣装合わせや顔合わせなどが進んでいく中で「『ヒーローになる』実感が湧いていきました」という。
◇勇気もらった田崎監督の言葉
志田さんが演じるはるかは、プロのマンガ家の17歳の女子高校生で、マンガ賞を受賞して栄光をつかむが、戦士になったことでご破算に……という人物。5人の中で唯一の女性キャストとなることについて、最初は他のメンバーと仲良くできるか不安だったというが、「私自身すごく活発な性格なので、撮影を重ねるにつれて、不安な気落ちは消え、頑張るぞっていう気持ちになりました」とヒロインとしての責任感を見せる。
役作りでは、「はるかは感受性がすごく豊かな子なので、顔の表情や動きをこだわるようにしています」と意識しているポイントを話し、「私自身も黄色が大好きで、小物とか黄色のものが多くてそこは似ています。あとは明るくて元気な部分も似ているなと思います」と自身との共通点を口にする。
「朝が早いことと、ロケバスで何時間もかけて現場に行くこと」という特撮の“撮影あるある”に驚いたという志田さんだが、「ごはんがおいしい。ロケ弁がおいしいです」と前向きだ。
一方、クランクイン初日には、緊張して固まってしまい、うまく演技ができず落ち込んでしまったという。しかし、田崎監督から「僕が OKを出した時は100点ということだから自信持っていい」と言われたことで、「ホッとして泣いてしまった。それ以降は気持ちが楽になりました」と感謝する。
◇憧れの女優は… アクション作品への意欲も
「映像のお仕事が初めてで、演技経験が浅いので、学ぶことがたくさんある。成長できたらと」という志田さん。「戦隊で学んだことを生かして、いろんなドラマや映画に出演できるようになりたい」と1年後の目標を口にする。
やってみたい役や作品を聞くと、「自分と性格も真逆の女の子や、自分が一番出せるのはアクション。動くことが得意で好きなのでアクション作品に出演してみたい」と回答。憧れの女優は浜辺美波さん。「透明感のある可愛さや素顔と芝居のキャップが本当に好きで……」と目を輝かせる。
「素を出すのに時間がかかるのですが、家ではすごく明るい」という志田さん。「(人前で)お話しするのがちょっと苦手で、緊張してしまうと(頭の中が)真っ白になってしまって……。ダメですね。ただ、この1年間で自分をどれだけ出せるかは自分でも楽しみです」とポジティブだ。
そして、「見てくださっている方に元気を与えられるような、カッコいいヒーローになりたい。ドンブラザーズが皆さんに愛されるような作品になれるよう頑張りたい」と意気込みを語った。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
※田崎竜太監督の「崎」は立つ崎(たつさき)