【動画まとめ】4月8、9日公開 映画紹介&予告編 「モヒカン故郷に帰る」「更年奇的な彼女」「ルーム ROOM」「COP CAR コップ・カー」「女子高」

「モヒカン故郷に帰る」 松田龍平主演 パンクな息子とガンコおやじのホームコメディー

松田龍平、前田敦子が出演 映画「モヒカン故郷に帰る」予告編
 松田龍平さんと柄本明さんが父と息子を演じたホームコメディー作「モヒカン故郷に帰る」(沖田修一監督)が4月9日から公開される。故郷の島を離れて売れないバンドマンとなった息子が、父が病に倒れたことをきっかけに、その親子関係を見つめ直していく物語。もたいまさこさん、前田敦子さん、千葉雄大さんらも出演している。 永吉(松田さん)は、緑のモヒカン頭がトレードマークの売れないバンドマン。妊娠中の恋人・由佳(前田さん)とともに、結婚報告をかねて7年ぶりに故郷・戸鼻島(とびじま)に帰って来た。矢沢永吉をこよなく愛する父親・治(柄本さん)、広島カープの大ファンである母親・春子(もたいさん)、弟の浩二(千葉さん)と久しぶりに家族全員がそろった。だらしない息子に怒る治だったが、家に人を招いて大宴会を催し、結婚のお祝いをする。しかし、突然倒れた治にがんが発覚。治は中学校の吹奏楽部の指導をしており、練習に行けないことが気がかりで、永吉には「東京に帰れ」と言ってしまうのだが……というストーリー。 この作品は、とにかく明るい。父の病気が発覚するも、そこに悲壮感はなく、冒頭で見せる永吉の雄たけびとパンク音楽のハイテンションが、そのまま父親・治の「生きたい」というエネルギーに反映されているようだ。治は「矢沢永吉は広島の義務教育」という信念の持ち主で、そのブレない姿勢は体が弱っても変わらない。永ちゃんの曲「アイ・ラヴ・ユー,OK」を演奏する中学生たちの浮かない表情がなんともおかしい。病院にいながら指導を怠らない治に、中学生も少し困っているようだ。この押しつけがましさが、治と永吉の親子関係を想像させる。「親も死ぬんだ」……そんな事実を突きつけられた永吉が親孝行を始めるさまと、恋人・由佳の奮闘がほほ笑ましい。父と息子は、海辺で静かに会話する。そのシーンの素晴らしいこと。柄本さんと松田さんの芝居の呼吸は、できちゃった婚を報告に行く息子とがんこな父親の親子げんかからして、引き込まれるほどぴったり合っていて、母親役のもたいさん、恋人役の前田さんも含めて絶妙なせりふのやりとりと間合いで見せていく。 親孝行に間に合った永吉は幸せだ。地元に残って家族に囲まれて、好きなことに時間を使う治も幸せだ。明るくのどかな島の景色が、なおも幸せを運んでくる。「横道世之介」(13年)などを手がけた沖田監督が脚本も担当した。細野晴臣さんによるエンディング曲が心にしみわたる。広島先行公開中で9日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)

「更年奇的な彼女」 クァク・ジェヨン監督最新作は笑って泣けて幸せになるラブコメ

藤原紀香、日本語吹き替え版で“破天荒なヒロイン”演じる 映画「更年奇的な彼女」予告編
 「猟奇的な彼女」や「僕の彼女はサイボーグ」を手がけた韓国のクァク・ジェヨン監督による“アジアの彼女3部作”の完結編となる映画「更年奇的な彼女」が4月8日に公開される。映画は、ジェヨン監督自ら脚本も担当し、新たな“破天荒ヒロイン”を描いたラブコメディー。大学の卒業式にプロポーズするも断られ、その後、26歳で若年性更年期と診断されてしまうヒロインのドタバタ劇を描き、中国では32億円を超える大ヒットを記録した。日本語吹き替え版では、ヒロインのチー・ジアの声を女優の藤原紀香さんが担当している。 女子大生のチー・ジア(ジョウ・シュンさん)は、卒業式にウエディングドレスで出席し、同居中の恋人にサプライズでプロポーズ。しかし、公衆の面前で断られてしまう。卒業後も彼を忘れられないチー・ジアは、トラウマを引きずりながら26歳となり、医者から若年性更年期と診断されてしまう。ある日、チー・ジアは、ホームレスにからまれているところを、大学時代は“最もさえない男”だったユアン・シャオオウ(トン・ダーウェイさん)に助けられる。帰る場所がないというユアンを家に連れて帰り、チー・ジアは同居生活を始めるが……というストーリー。 ラブストーリーの巨匠であるジェヨン監督の最新作は、またもや驚くべき設定のヒロインで見るものの意表を突いてくる。見どころはいくつかあるが、やはりジョウ・シュンさんが恋の病から早めに更年期を迎えたと診断されるヒロインという難役を、絶妙なバランス感覚でキュートに演じている姿に魅了される。物語に更年期というワードが入っているが決して重い展開ではなく、女性の自由な雰囲気と男性のピュアな心がコミカルに描かれていて泣き笑いしてしまう。シンプルながらメリハリと意外性のある展開に引き込まれ、一筋縄ではいかないクライマックスも興味深い。映画を見ると、愛によって変化していくこと、幸せになる権利は誰にでもあるという当たり前のことに改めて気づかされた。8日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「ルーム ROOM」 オスカー主演女優賞受賞作 幼児が世界を広げる過程と母親の葛藤

主演ブリー・ラーソンがオスカー受賞 映画「ルーム」予告編
 主演のブリー・ラーソンさんに今年度の米アカデミー賞主演女優賞をもたらし、トロント国際映画祭で観客賞(最高賞)に輝いた話題作「ルーム ROOM」(レニー・アブラハムソン監督)が、4月8日から公開される。部屋に監禁された女性と、そこでしか暮らしたことがない子どもを中心に、狭い世界から脱出して外に飛び出した人間の姿を描き出す。天才子役の呼び声も高いジェイコブ・トレンブレイ君にも引きつけられる。 ママのジョイ(ラーソンさん)とジャック(トレンブレイ君)は、狭い部屋の中だけで暮らしていた。今日はジャックの5歳の誕生日。ママはケーキを焼いてくれ、ジャックはロウソクがないと言ってすねる。部屋には天窓しかなく、外には出られない。親子は監禁されていて、夜中にときどきやって来るオールド・ニック(ショーン・ブリジャースさん)という男が、食糧などを置いて行くだけだ。だが届けられる物資は足りなく、電気が切られた部屋で寒さに耐えることもある。部屋からジャックを脱出させたいと思ったジョイは、ジャックに監禁の事実を伝え、死んだふりをさせる作戦をとる……という展開。 母子が部屋に監禁されている。だが、これは事件やサスペンスを扱ったものではない。監禁の理由を探ったり、物語を追って見ていくものとも違うようだ。子どもであるジャックは、監禁されているとは知らずに、この世界だけで生きている。手作りのオモチャや洗面台にもあいさつするほど部屋のすべてをいつくしむジャックは、母親に守られているという点では幸せな子どもだ。しかし外にある「リアル(現実)」を知らないでいる。母親のジョイは野性味のある激しさで子どもを守り、だからこそ、部屋から我が子を解き放つ決心もする。どんな子どもも、いつまでも母親の手だけでは守りきることはできない。ごちゃごちゃとした監禁部屋と違って、脱出後の世界は、真っ白で広い世界。このビジュアルの落差が絶妙だ。ジャックにとって、祖父母を含めて、他者との初めての関わりがスタートする。 線が細くお人形さんのようだったジャックが、次第に男の子らしく変わっていくのと同時に、母親は内側に閉じていく。母親の胸に去来する「それが最良だったのか?」という問いかけに、子育ての不安、リアルさが垣間見える。子にとっては、母親の胎内から外へ、そして、人とつながる外界へ。母親にとっては、少しずつ子離れするということ。幼児が世界を広げていく過程、そして、母ゆえの葛藤と理屈抜きの感情を体験させられる。殻を破って外に出て、リアルな世界に五感で触れることの大切さも伝わってくる。原作「部屋(上・下)」の著者であるエマ・ドナヒューさんが、脚本も手がけた。TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほかで8日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「COP CAR コップ・カー」 ケビン・ベーコン主演のサスペンス 少年の成長物語の側面も

映画「コップ・カー」予告編
 米俳優ケビン・ベーコンさん主演の映画「COP CAR コップ・カー」が、4月9日から公開される。少年2人にパトカーを盗まれたベーコンさん演じる悪徳保安官が、少年たちを追いながら凶行を繰り広げるクライムサスペンスだ。今作が長編映画2作目となるジョン・ワッツ監督は、2017年公開の「スパイダーマン」新シリーズの監督に抜てきされた期待の星。ベーコンさんは、ワッツ監督が執筆した脚本を読み、出演を快諾、製作総指揮も務めている。 家出中の少年トラビス(ジェームズ・フリードソン・ジャクソン君)とハリソン(ヘイズ・ウェルフォード君)が野原を歩いていると、人けのない空き地にポツンと1台のパトカーが止まっていた。あたりに保安官の姿はない。好奇心に抗えず、中に乗り込み遊び始めた2人は、キーを見つけたことで勢いづき、パトカーを走らせてしまう。一方、保安官のミッチ(ベーコンさん)が“用事”を終えて戻って来ると、そこにあるはずのパトカーがない! パトカーを盗まれただけでも大失態だが、それ以上に彼を慌てさせるものが、パトカーには載っていた……というストーリー。 パトカーを盗まれた保安官が、盗んだ悪ガキを追いかけ懲らしめる。常識で考えれば至極もっともなことだが、今作がそうならないのは、保安官が悪ガキ以上にとんでもないワルだったからだ。ベーコンさん演じる保安官は、とにかくずる賢くで、今回の自分の失態の隠ぺいはもとより、車の窃盗、さらにそれ以上の悪どいことを過去にやらかしており、少年2人のいたずらをきっかけに、さらなる凶行を重ねていく。サングラスで表情が読めないことが不気味さをあおり、その一方で、微妙に長い口ひげと無様な動きが失笑を誘う。そういった彼の狂気に引っ張られるだけの内容だったら、無難な作品で終わっていただろう。そうではなく、途中から少年の成長物語の側面を見せ始めるところに、今作の醍醐味(だいごみ)がある。 ハリソンとトラビスの少年2人の性格を、服装や髪形で端的に説明する手際のよさ。その2人の上下関係が変化していく筋運びの巧妙さ。さらに、間抜けな男(シェー・ウィガムさん)と中年女性(カムリン・マンハイムさん)の存在も物語のアクセントになっており、かたときも緊張が緩むことのない展開に、うならずにはいられなかった。BGMや外灯の使い方も絶妙で、なるほどワッツ監督、“新生スパイダーマン”の監督に抜てきされただけのことはある才能の一端を見せている。9日からヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。 (りんたいこ/フリーライター)

「女子高」 AKB48・峯岸みなみ初主演 若手俳優陣の演技に注目の新感覚青春ミステリー

AKB48峯岸みなみが初主演!女子高制服姿も披露 映画「女子高」予告編
 アイドルグループ「AKB48」の峯岸みなみさんの初主演映画「女子高」(山本浩貴監督)が4月9日に公開される。映画は、同じ女子高で仲が良かった6人組が、卒業から7年後に廃校となった母校で同窓会を開く。その最中に殺人事件が起こり、6人は謎を解き明かしていくというミステリー。7年前に死んだはずの同級生から「犯人は誰だ?」というメールが届き、現在と過去の事件がからみ合いながら物語が展開していく。特撮ドラマ「仮面ライダーオーズ/OOO」などに出演した高田里穂さんやモデルの泉はるさん、中山絵梨奈さん、北山詩織さん、寒川綾奈さん、潮美華さん、冨手麻妙さん、阿部亮平さん、風間トオルさんらも出演している。 高橋香月(峯岸さん)ら高校の同級生6人は、同窓会を開くため、廃校となった母校に深夜集まった。卒業以来7年ぶりに再会し、思い出話で盛り上がっていると、突然、教室の電気が消えて一発の銃声がとどろく。明かりがつくと同級生の1人が胸から血を流し倒れていた。混乱する中で全員の携帯電話に、7年前に死んだ「白川夏美」から「犯人は誰だ?」というメールが送られてくる。香月たちは、学生時代のある出来事が関係していることに気付き、7年前の記憶を頼りに事件を解決しようとするが……というストーリー。 普段はバラエティーに出演して笑顔を振りまいている印象の強い峯岸さんだが、今作では笑顔を封印し、シリアスな顔やパニックに陥っている演技など新たな表情で楽しませてくれる。フレッシュなキャストがそろう中、重要人物の転校生・橘美冬を演じる高田さんがミステリアスに存在感を発揮するなど、若手俳優陣の演技合戦にも注目だ。現在と過去が交錯しながらひもとかれていくストーリーは、もう少しテンポを速めたほうが衝撃は強まった気はするが、総じて意外性があり、うならされた。青春時代を懐かしみながら謎を解くという新感覚なホラーは興味深い。9日からシネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

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