【動画まとめ】12月12、13日公開 映画紹介&予告編 「アオハライド」「ホビット 決戦のゆくえ」「ゴーン・ガール」「あと1センチの恋」「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」「劇場版アイカツ!」「幸せのありか」「自由が丘で」

「アオハライド」 胸キュンシーン満載! 本田翼&東出昌大の青春ラブストーリー

映画「アオハライド」予告編 800万部の人気少女マンガ原作
 俳優の東出昌大さんと本田翼さんがダブル主演する映画「アオハライド」(三木孝浩監督)が12月13日から全国で公開される。原作は、11巻で累計800万部突破の咲坂伊緒さんの同名のベストセラーコミックスで、「僕等がいた」「ホットロード」を手がけてきた三木監督と、脚本の吉田智子さんが再びタッグを組んだ。原作にも登場する“胸キュン”シーンがちりばめられた青春ラブストーリーが展開する一方で、東出さん演じる洸が抱える過去のトラウマを仲間たちが癒やしていく“救済”の物語だ。 「アオハライド」は、咲坂さんが2011年から少女マンガ誌「別冊マーガレット」(集英社)で連載中の恋愛マンガが原作。中学1年生の頃、ヒロイン・双葉(本田さん)と洸(東出さん)が、お互いに淡い思いを抱きつつ、離ればなれになってしまう。高校2年の春に再会し、再び洸に引かれていく双葉だったが、空白の4年間に隠された洸の秘密が徐々に明らかになっていき……という展開。2人と仲よくなるクラスメート役として、新川優愛さん演じる修子、吉沢亮さん演じる小湊、藤本泉さん演じる悠里が登場するほか、千葉雄大さんが双葉に好意を寄せる冬馬役、高畑充希さんが双葉と洸の間に立ちはだかる唯役を好演している。 なんといっても、本田さん演じる双葉が魅力的。もともとは臆病な普通の女の子なのだが、洸と出会ったことで変わっていく。勘違いしたまま突っ走ってしまうところがあったり、間違えをたくさんしてしまうけれど、常に前向きに進んでいく双葉を本田さんがチャーミングに演じており、思わず応援をしたくなる。一方、ある過去の出来事を経験したことから、心に深い傷を抱えている洸は、意地悪なのか優しいのか分からないツンデレキャラ。東出さん演じる洸の言動に双葉と同様、見ているこちらも振り回されてしまった。 「机の上で眠る双葉の顔をのぞき込む洸」や、「洸と双葉が窓越しに手を合わせるシーン」など、原作でも人気のシーンの実写化にはキュンキュンすること必至。だが、ただの恋愛物語ではなく、後半では洸の抱えるトラウマを双葉ら仲間たちが癒やしていく姿も描かれており、思わずジーンとしてしまう。3人組グループ「いきものがかり」が書き下ろした主題歌「キラリ」が、青春のやるせなさにもがきつつも、前へ進んでいこうとする主人公たちにエールを送っているようで、爽やかな気持ちにさせてくれる。13日からTOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。

「ホビット 決戦のゆくえ」 壮大な冒険のラストを飾るシリーズ完結編

映画「ホビット 決戦のゆくえ」(12月13日公開)予告編
 「ホビット」シリーズ3部作の完結編となる「ホビット 決戦のゆくえ」(ピーター・ジャクソン監督)が13日に公開される。今作は、J・R・R・トールキン原作「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの前章を描いた3部作の第3弾で、旅をしていたホビット族の主人公とドワーフたちがドワーフの王国を奪還、目覚めた竜の怪物や最大の敵サウロンと死闘を展開する。壮大な世界観の中で描かれる冒険の結末と、圧巻のスケールのバトルシーンでラストを飾るにふさわしい作品に仕上がっている。 ドワーフの故郷、エレボールを取り返すべく旅をしていたホビットのビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマンさん)やドワーフのトーリン・オーケンシールド(リチャード・アーミティッジさん)らは、邪竜・スマウグ(声・ベネディクト・カンバーバッチさん)から王国を奪還する。しかし、怒り狂ったスマウグは湖の町の人々を襲う。一方、トーリンは取り戻した財宝に執着し、独占しようとして仲間と対立。さらに復活を遂げた冥王サウロンがオークの大群で奇襲を仕掛けてくる中、ドワーフとエルフ、人間は対立を深めていく……というストーリー。 上映時間は約2時間半と長めだが、スマウグとの戦いに始まりドワーフ、エルフ、人間、オークが入り乱れた戦闘シーンまで、息つく暇もないほど見せ場の連続で、あっという間に時間が過ぎ去ってしまった。シリーズ1作目「ホビット 思いがけない冒険」から2年、「ロード・オブ・ザ・リング」からは数えること13年と、長い年月をかけてつむがれてきた一連の冒険譚(たん)のラストと考えるだけで、万感胸に迫る思いだ。VFXを駆使して描かれる世界と戦闘シーンは圧倒的な映像美と迫力で、さらには豪華キャストが再集結して進行する物語も熱気がひしひしと伝わってくる。冒険の後日談を描いているだけにファンタジー色はやや薄めで、どちらかというと軍隊同士による戦闘シーンがメインのアクション要素が強めで進行する。冒険を期待している人には物足りなさがあるかもしれないが、友情や愛情などの心理描写にスポットを当て、登場人物の感情が前作以上に描かれ、ドラマとしてまとまりが感じられる。「ロード・オブ・ザ・リング」へとつながるエピソードも盛り込まれているので、シリーズファンも満足だろう。ただ、いきなりスマウグが荒れ狂うシーンから始まるので、前作や前々作の復習をしておかないとのっけから置いていかれるかも。13日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。3Dも同時公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「ゴーン・ガール」 肘鉄を食らったような衝撃が待ち構えるサイコスリラー

映画「ゴーン・ガール」予告編
 映画「アルゴ」(2012年)で監督、主演を務めたベン・アフレックさんと、「アウトロー」(12年)でヒロインを演じたロザムンド・パイクさんが共演した映画「ゴーン・ガール」が12日から全国で公開される。妻の失踪事件をきっかけに、円満と思われていた夫婦の秘密が明らかになっていくサイコロジカルスリラーで、全米で600万部以上を売り上げたというベストセラー小説を、「セブン」(1995年)、「ソーシャル・ネットワーク」(10年)、「ドラゴン・タトゥーの女」(11年)などの作品で知られるデビッド・フィンチャー監督が映画化した。 結婚5周年の記念日の朝、妻エイミー(パイクさん)が突然姿を消した。リビングには争った跡が残り、キッチンには血痕を消した形跡があった。夫のニック(アフレックさん)は警察に通報。警察は失踪(しっそう)と他殺の両面から捜査を開始する。ところが捜査が進むにつれ、ニックの行動や発言に不可解なものが見え始め、周囲は彼に疑いの目を向け始める……というストーリー。 映画は、原作にほぼ忠実に描かれている。事件当日の朝から始まり、そこから「事件発生から○時間後」「発生から○日目」というテロップとともにたたみかけるように進んでいく。そのかたわらで、ニックとエイミーの出会いから結婚、円満だった頃の夫婦生活、やがて夫の本性が見え始め、エイミーが彼を恐れる様子などが描き出されていく。メディアはニックの隠された私生活を暴き、状況証拠は彼が“黒”だといっている。しかしどうも腑(ふ)に落ちない。ニックが本当に殺したのか、それとも……とほとほと悩み抜いたとき、度胆を抜く展開が待ち受けている。今作は上映時間149分と長めだが、その長さをフィンチャー監督は実に有効に使っている。これは、まぎれもなく夫婦愛を描いた作品だ。だが同時に、夫婦の本質、人間のむき出しの感情も描いている。それを見せつけられ、すさまじい勢いの肘鉄を腹に食らったような衝撃に見舞われた。エイミー役パイクさんの迫真の演技が素晴らしい。12日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。 (りんたいこ/フリーライター)

「あと1センチの恋」 リリー・コリンズ主演 幼なじみ同士の歯がゆくも切ない12年間

映画「あと1センチの恋」(クリスチャン・ディッター監督)の予告編2
 映画「白雪姫と鏡の女王」(2012年)で白雪姫を演じたリリー・コリンズさんと、「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」(11年)で人魚に恋する宣教師を演じたサム・クラフリンさんが共演した映画「あと1センチの恋」(クリスチャン・ディッター監督)が13日から全国で公開される。互いに思いを寄せ合いながら、幼なじみゆえに本当の気持ちを言い出せないロージーとアレックスの歯がゆくも切ない12年間を描いていく。 英国で暮らすロージー(コリンズさん)とアレックス(クラフリンさん)は、6歳からの幼なじみ。互いの夢や恋の相談など、なんでも話し合ってきた。やがて大学進学の時期を迎えた2人は、それぞれの夢の実現のために米国の大学に一緒に行こうと約束し合う。ところが、ロージーがクラスメートの子を妊娠してしまい、それを言い出せないまま、彼女はアレックスをボストンの大学へと送り出す……というストーリー。 心の奥底では互いが好きなのに、関係が近過ぎるあまりそれに気づけないロージーとアレックス。ぶつかりあう視線、さりげない仕草、本心とは裏腹の言葉……そういったシーンを巧みにはさみ、2人のじれったいほどの関係がつづられていく。すれ違いばかりで途中、何度もやきもきさせられるが、ほどよくコミカルに味付けされているので、感傷的になり過ぎることはなく、最後まで楽しく見られた。ロージー役のコリンズさんの、生き生きとした演技にも好感が持てた。原作は、映画「P.S.アイラヴユー」(07年)の原作者セシリア・アハーンさんが04年に発表した2作目の小説「愛は虹の向こうに」。ロージーとアレックスが交わすEメールや手紙などで構成された書簡形式の原作を、「カレンダー・ガールズ」(03年)の脚本家ジュリエット・トウィディさんが脚色した。恋愛映画としてだけでなく、子育てに苦労しながらもホテル経営という夢をあきらめないロージーの自立の物語としても見ることができ、女性の多くが共感できる作品に仕上がっている。13日から新宿武蔵野館(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)

「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武~」フルーツと刑事が壮大バトル

「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」予告編
 最新作と前作の仮面ライダーが共演する「MOVIE大戦」シリーズ6作目「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」(柴崎貴行監督)が13日に公開される。今作は3話構成で描かれ、9月に最終回が放送された「鎧武/ガイム」と車がモチーフで主人公が刑事という「ドライブ」のそれぞれのエピソードに加え、両ライダーが集結し、究極の機械生命体「ZZZメガへクス」との最終決戦が繰り広げられる。新旧ライダーのコラボや、ゾルーク東条を演じ「仮面ライダールパン」に変身するお笑いコンビ「ピース」の綾部祐二さんがゲスト出演するなど劇場版ならではの演出に加え、ダイナミックで迫力満点のアクションに大人も子供も目がくぎ付けになること必至だ。 鎧武編「進撃のラストステージ」では、人類滅亡の危機を救った葛葉紘汰(佐野岳さん)は、高司舞(志田友美さん)と遠い星で新たな世界を創造しようとしていた。しかし、謎の機械生命体・メガヘクスが現れ、自ら星と融合。地球を狙うメガヘクスを紘汰は追うが圧倒的なパワーの前に敗れてしまい……というストーリー。ドライブ編「ルパンからの挑戦状」では、怪盗アルティメット・ルパンことゾルーク東条(綾部さん)は、泊進ノ介(竹内涼真さん)が変身する仮面ライダードライブを倒し“仮面ライダー”の称号を奪い英雄になることが目的。戦いを挑まれたドライブだが、危機に陥り進ノ介をかばったベルトさん(声・クリス・ペプラーさん)の機能が完全に停止してしまい……という展開。そして物語は「MOVIE大戦フルスロットル」となり、ZZZメガへクスに地球が融合されていく中、ドライブとアーマードライダーたちが合流し戦いに挑む。 放送が始まる前は「ライダーとフルーツの融合?」と懐疑的だったが、いざ始まってみると可愛らしさとカッコよさが同居したフレームにキュンとさせられた鎧武が帰ってくるだけでもテンションは上がる。そこに、もはやバイクにまたがる“ライダー”ではなく車に乗るドライブが合体した物語は、相変わらずの仮面ライダーらしい安定感のある面白さとテンポのよさでぐいぐいと引き込まれる。予告編でも気になったドライブ編の「仮面ライダーが盗まれた!?」という謎と、なにより進ノ介の相棒であるベルトさんが最大の危機を迎えるなど目が離せない展開にハラハラさせられる。鎧武編については、呉島兄弟のけじめと絆が中心に描かれ、兄弟のカッコよさにはしびれる。青木玄徳さん演じる戦極凌馬の変身アイテムである新たなロックシードも見もの。合流後は笑いを交えつつ、スケールの大きなバトルを見せるなど、シリーズでも1、2を争う完成度の高い作品に仕上がっている。13日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「劇場版アイカツ!」 トップアイドルを目指す少女たちの熱い思いが詰まった作品

映画「劇場版アイカツ!」予告編 ダンスシーンや美月の意味深な言葉も…
 小学生女児を中心に人気を集めているカードゲーム「アイカツ!」の劇場版アニメ「劇場版アイカツ!」(矢野雄一郎監督)が12月13日に公開される。「アイカツ!」は、アイドルとファッションをテーマとしたカードゲームで、12年からテレビアニメが放送されている。劇場版では、ヒロインの星宮いちごがライブ「大スター宮いちごまつり」を成功させるために奮闘する姿が描かれる。トップアイドルを目指してアイドル活動(アイカツ!)に全力投球するスターライト学園のメンバーはじめ、ドリームアカデミーのアイドルも総出演し、にぎやかで華々しいライブシーンとともに、オリジナルストーリーが楽しめる。 トップアイドルを目指し、アイドルを養成するスターライト学園に通う星宮いちご(声・諸星すみれさん)に、自身がメインのスペシャルライブ開催というビッグチャンスが到来する。ライブ会場は、いちごが憧れるアイドル・神崎美月(声・寿美菜子さん)のライブに初めて行った場所でもあるスターライズスタジアム。「大スター宮いちごまつり」と名付けたライブの成功に向け、親友の霧矢あおい(声・田所あずささん)や紫吹蘭(声・大橋彩香さん)らと力を合わせて“アイドル活動”していく……というストーリー。 ストーリーは、テレビシリーズの第2期と第3期をつなぐような内容で、美月からいちご、いちごから大空あかり(声・下地紫野さん)とタスキのように受け継がれていく熱い思いに心を打たれる。劇場版には同シリーズの人気キャラクターが総出演することも魅力だが、なにより普段は衣装を着替えて歌ういちごらが、スターライト学園の制服で踊ったりするという貴重なシーンが見られるのもうれしい。歌ありドラマありアクションありの物語の中で行われる「大スター宮いちごまつり」は、実際にライブイベントに行ったような気分にさせてくれる。もちろん「アイカツ!」ならではのコーデ(ィネート)部分も必見。アイドルをやめようと考える美月の決断と、いちごたちの活躍ぶりが見事にマッチしすがすがしい気分にひたれる。13日から新宿バトル9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「幸せのありか」怒れる男子は拳で机をたたけ! 父の教えにジンとするポーランド作

映画「幸せのありか」予告編
 昨年度のモントリオール世界映画祭でグランプリと観客賞とエキュメニカル審査員賞のトリプル受賞を果たすなど、世界の映画祭で話題のポーランド映画「幸せのありか」(マチェイ・ピェプシツァ監督)が13日から公開される。知的障害がないのにあると勘違いされて長年過ごしてきた脳性まひの青年を主人公に、成長と初恋と別れのドラマをみずみずしく描き出している。実話を基に作られた珠玉の作品だ。 民主化に揺れ動く1980年代のポーランドが舞台。医師から“植物状態”といわれたマテウシュ(カミル・トカチさん)は学校には行っていなかったが、優しい母親(ドロタ・コラクさん)ら家族の愛情を受けながら健やかな子ども時代を過ごしていた。しかし、星空を見上げることを教えてくれた父親(アルカディウシュ・ヤクビクさん)が突然この世を去ってしまう。成長したマテウシュ(ダビド・オグロドニクさん)はある日、姉の結婚をきっかけに施設に入ることになった。知的障害がないのに精神障害者の施設に入れられたマテウシュは、さまざまな抵抗を試みるが、周囲に全く伝わらない。やがて、マテウシュの前に美しい女性マグダ(カタジナ・ザバツカさん)が現れて……という展開。 とにかく、主人公が魅力的だ。主演するオグロドニクさんの迫真の演技に目を奪われる。脳性まひだが知的障害だと誤診されたマテウシュは、男らしくてロマンチック、そしてユーモラス。「分かってくれ!」という怒りが噴出するのだが、これがなかなかパンキッシュだ。彼の視点で切り取った映像で、彼が感じている時間を成長とともに体感し、見ている方はいつしかマテウシュの心の中に入り込む。だからなおさら彼の「理解されない」ジレンマを、歯がゆい思いで見つめてしまう。初恋、そして青年になってからの恋。温かい母親の愛情もあるが、1対1の関係を築いた父親の存在が利いている。父親は「男は拳でテーブルをたたいて怒りや異議を表すんだ」と教え、星空を愛するロマンチックな心も育んだ。劇中で亡くなった後も、父親が存在し続けているのを感じてジーンとしてくる。絶望と希望、優しさと強さが入り交じった今作を前に、言葉にならない深い思いがあふれ出てくる。岩波ホール(東京都千代田区)ほかで13日から順次公開。(キョーコ/フリーライター)

「自由が丘で」加瀬亮主演の韓国映画 断片となってバラバラに並ぶエピソード

映画「自由が丘で」予告編
 クリント・イーストウッド監督、アッバス・キアロスタミ監督など海外の作品で引っ張りだこの俳優の加瀬亮さんが出演した韓国映画「自由が丘で」(ホン・サンス監督)が、13日から公開される。思いを寄せる彼女を追ってソウルの街をうろうろする加瀬さん演じる男性のエピソードが、落とされて順番がバラバラになった手紙という形で描かれる。欧州で絶大な人気を誇るホン監督の遊び心いっぱいの作品だ。 クォン(ソ・ヨンファさん)は、かつて勤めていた語学学校で封筒を受け取る。それは、モリ(加瀬さん)からの手紙だった。2年前、モリとクォンは語学学校の同僚で恋人同士だった。モリはプロポーズをするが、クォンは体調不良を理由に断った。日本に帰国したモリだったが、彼女のことがあきらめ切れず、再びソウルにやって来た。近くのゲストハウスに泊まってクォンを探すが、彼女はいない。クォンを探す日々が手紙につづられていく。その手紙はクォンが落とした拍子にバラバラになってしまった。拾い上げた順番のまま、カフェ「自由が丘」に立ち寄ってそのまま読み始めると……という展開。 この映画は先が読めない。それどころか起承転結がバラバラだ。でも、そこが面白い。モリが泊まった宿で出会った米国帰りの男サンウォン(キム・ウィソンさん)。カフェの女性オーナーのヨンソン(ムン・ソリさん)。モリと一体どんな関係なのか。エピソードの順番が入れ替わっていて、登場人物の関係は前後行きつ戻りつする。しかし、時間が巻き戻る回想シーンを見ているような感じとは全く異なる。つながりを失って断片となった時間が流れ、脳に心地よい違和感を生み出してくれる。人が完全に分かり合えないことのおかしさを描くのがサンス監督の持ち味だが、それが不思議な形で発展させたというべきか。人と人が持つ時間の大切さは、その一瞬のみにある。劇中モリが持ち歩いている文庫本「時間」(吉田健一さん著)は、加瀬さんの私物で偶然持ってきていたのだという。時間を断片にした今作にピッタリのモチーフとなった。シネマート新宿(東京都新宿区)ほかで13日から公開。(キョーコ/フリーライター)

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