【映画まとめ】7月22、23日公開 映画紹介&予告編 「ONE PIECE FILM GOLD」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」「アクセル・ワールド INFINITE∞BURST」「ミモザの島に消えた母」

「ONE PIECE FILM GOLD」 ド派手でゴージャスなエンタメ大作に

劇場版アニメ「ONE PIECE FILM GOLD」予告編
 累計3億4000万部以上を発行している大ヒットマンガの13作目となる劇場版アニメ「ONE PIECE FILM GOLD」(宮元宏彰監督)が7月23日に公開される。前作「Z」に続いて原作者の尾田栄一郎さんが総合プロデューサーを務めた“エンターテインメント大作”だ。 今回、ルフィら「麦わらの一味」が乗り込むのは、全長10キロの巨大な黄金船で、世界最大のエンターテインメントシティー「グラン・テゾーロ」。世界の金の20%を持つという“黄金帝”ギルド・テゾーロが支配し、世界政府さえも手を出すことができない黄金の町で、ルフィたちはカジノに興じるが、裏では世界を震撼させるほどのテゾーロの野望が世界政府や革命軍も巻き込んでうごめき始めていた……というストーリー。 テゾーロを演じるのは、大河ドラマ「軍師官兵衛」の安国寺恵瓊役や、ジェイソン・ステイサムさんの吹き替えなど、俳優としても声優としても実力派として知られる山路和弘さん。また、「グラン・テゾーロ」の歌姫でナミとも因縁深いヒロインのカリーナを、かつてFolder5として同作のテレビアニメの主題歌も担当した満島ひかりさんが演じるほか、菜々緒さん、濱田岳さん、ケンドーコバヤシさん、北大路欣也さんらも声優を務めている。 「GOLD」の名の通り、作品全体としてゴージャスな作りになっている印象を受けた。特に、ルフィたちが「グラン・テゾーロ」に乗り込んでくるオープニングパートは、ビッグバンドの演奏に乗せたテゾーロとカリーナのステージも盛り込まれ、見ている側のテンションも上がるきらびやかな映像だった。「STRONG WORLD」の伝説の大海賊・シキ、前作「Z」の伝説の海兵・ゼットと、最近の作品は“かつての大物”が再び騒動を引き起こす展開が目立ったが、今回のテゾーロは、いわば“新進気鋭の大物”。その分、映像も派手なものになったということだろう。また、前作では男の生きざまや戦いが描かれていたが、今回は“女の絆”に焦点が置かれているのもポイントだ。 ゲスト声優陣はいずれも素晴らしかった。ドラマ「ど根性ガエル」でピョン吉の声を好演していた満島さん、ソフトバンクのCMの「お父さん犬」の北大路さんはもちろんだが、菜々緒さん、濱田岳さん、コバヤシさんの“テゾーロ一味”の面々もよかった。特に菜々緒さんはアニメ声優初挑戦とは思えない名演で、ドラマやCMで見る菜々緒さんの声とは全く異なっていて、芸達者ぶりに驚かされた。 ド派手できらびやかなエンターテインメント大作に仕上がった今回の「GOLD」。同じく尾田さんが総合プロデューサーを務めた最近の劇場版とも一味違う“ゴージャス”な「ONE PIECE」を楽しみたい。(立山夏行/MANTAN)

「ヤング・アダルト・ニューヨーク」大人になり切れない映像監督ベン・スティラーがハマリ役

映画「ヤング・アダルト・ニューヨーク」予告編
 ニューヨークを舞台に40代と20代の2組のカップルの交流を描いた「ヤング・アダルト・ニューヨーク」(ノア・バームバック監督)が7月22日から公開される。大人になり切れない映像監督の男性を主人公にしたコメディー作品。ポスト“ウディ・アレン”と称されるバームバック監督の下、ベン・スティラーさん、ナオミ・ワッツさんら多彩なキャストが集結した。 ドキュメンタリー映像作家のジョシュ(スティラーさん)と映画プロデューサーのコーネリア(ワッツさん)は、ブルックリンに暮らす子どものいない夫婦。子育てに勤しむ同世代の友人に少々ウンザリしている。ジョシュは新作もご無沙汰で、ある日、講師をしているアートスクールでジェイミー(アダム・ドライバーさん)とダービー(アマンダ・セイフライドさん)の20代カップルと知り合った。そして、SNSや周囲の人たちに縛られる自分とは異なり、レトロなカルチャーを愛し、自由に生きる彼らから刺激を受け……という展開。 主人公のジョシュは、時代に乗り遅れたくなく、まだまだ若いつもりでいる。冒頭には、創作活動も友人関係も夫婦関係も停滞気味である中年男性の日常が、取っつきやすい会話劇の中に描かれる。そこに若いカップルが現れる。2人がレトロな趣味を持っているだけで、ジョシュは彼らに好感を持つ。ジョシュとジェイミー、世代の違うクリエーターのコンビが誕生する。ジョシュは若いジェイミーから刺激を受けて活力を取り戻す。その一方で、ジェイミーは着々とやりたいことを形にしていく。 彼らを通して見えてくるのは、単なる世代間ギャップではない。今の時代を映し出し、アーティストとしての姿勢も違う。創作に対して真摯(しんし)なジョシュに対して、ジェイミーは成功を手にすることが目的だ。なるほど。今の時代、数多くいるクリエーターの中で勝つためには、抜かりない生き方が必要なのかもしれない。ジェイミーの素顔があらわになるにつれジョシュは傷ついていくが、最初は軽い笑いだったものの、次第に中年の純粋が際立って少々痛く感じる。同じくバームバック監督の作品「ベン・スティラー 人生は最悪だ!」(2010年、日本未公開)に続いての起用となったスティラーさんがハマリ役。TOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区)ほかで22日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「ロスト・バケーション」 ライブリーのイメージビデオが一転、壮絶なサバイバル劇へ

映画「ロスト・バケーション」予告編
 米テレビシリーズ「ゴシップガール」(2007~12年)で注目を浴びたしたブレイク・ライブリーさん主演の映画「ロスト・バケーション」(ジャウマ・コレット・セラ監督)が7月23日から公開される。美しくはつらつとしたヒロインが、サメに襲われ、みるみるうちに憔悴(しょうすい)していく……。直射日光で顔は赤らみ唇はかさかさ。それでも十分美しいライブリーさん。これはまぎれもなく“ブレイク・ライブリーの映画”だ、そう思った。 サーファーで医学生のナンシー(ライブリーさん)は、休暇を利用し、亡き母が教えてくれた秘密のビーチを訪れる。青い空に紺碧の海。波も風も良好。母を失った悲しみや勉強漬けの日々からひととき解放され、至福の時間を過ごすナンシー。ところが、そんな彼女に一匹のホホジロザメが襲いかかる。近くの岩場に避難したナンシーは、自分が絶望的な状況に追い込まれたことを知る……という展開。 主演作「デッドプール」(2016年)の大ヒットが記憶に新しいライアン・レイノルズさんとの第1子を出産後、「アデライン、100年目の恋」(15年)で、さらに磨きのかかった美貌を見せつけたライブリーさん。その彼女が今作では、水着姿を惜しげもなく披露する。その姿態の美しさはため息が出るほどだ。大きなスクリーンでメキシコの紺碧の海と青い空(実際のロケ地はオーストラリアのロード・ハウ島)を映し出し、その一方で、スマホのカメラが、家族と話すヒロインの表情をアップでとらえる。ライブリーさんの魅力を最大限に利用するコレット・セラ監督、抜かりはない。ただ、正直なところ、ライブリーさんのイメージビデオを見せられているようで、このままこの状態が続くのはいかがなものかと思われた。そこに“ヤツ”が登場。のんきなイメージビデオは、いきなり壮絶なサバイバルへとかじを切る。 それでも、登場人物は数えるほどだし、小道具はストップウォッチやピアスなど限られているし、これでどれだけ物語をふくらませられるのかと不安になるも、そこもまたコレット・セラ監督。巧妙に小ネタをちりばめ、ヒロインが医学生であることもそつなく利用し、集中力をつなぎ止める。岩の上でナンシーが心を通わせるカモメも演出上の強力な助っ人で、コンピューターグラフィックス(CG)、あるいはマペットかと思いきや、これが正真正銘の本物。翼が折れ捕獲されたリハビリ中のカモメをアニマルトレーナーが訓練したという。コレット・セラ監督いわく、「カモメ界のマーロン・ブランド」というサリーの名演技にも注目してほしい。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか23日から全国で公開。 (りんたいこ/フリーライター)

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」時代に負けない脚本家の誇りと不屈の闘い

映画「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」予告編
 「ローマの休日」(1953年)などの名作を偽名を使って生み出した脚本家ダルトン・トランボの知られざる実話をモチーフにした「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(ジェイ・ローチ監督)が7月22日から公開される。米ソ冷戦下の“赤狩り”によってハリウッドを追放された男が、家族とともに闘う物語。不屈の精神に圧倒される。 第二次世界大戦後。脚本家として売れっ子だったトランボ(ブライアン・クランストンさん)は、議会での証言を拒んだことで投獄され、失職してしまう。愛する家族の元へと戻ったトランボは、B級映画専門の会社から仕事を請けて、家を事務所代わりに家族の手伝いも受けながら、複数の偽名を使って脚本を書きまくる。やがて、友人にこっそりと渡した「ローマの休日」が米アカデミー賞に輝くが、再起を阻止しようとする輩(やから)もいて……という展開。 政治・思想の異なる人を排除する、ハリウッドで起きたそんな暗黒の時代の物語だ。共産主義者とその同調者を排除することが目的で開かれた公聴会。そこで証言を拒否した10人の人物“ハリウッド・テン”の中で、一番有名だった人物ダルトン・トランボが主人公。一人の男が時代と闘う話なのだが、ユーモアのある温かい作風に仕上がっている。入浴しながら必死で書いている姿さえ、のほほんとしたおかしさが漂う。再び名前を取り戻し、表舞台に出るための大変な闘いを強いられていることをものともしない。とにかく、トランボは書いて、書いて、書きまくる。B級映画もハリウッドの作品も、書く姿勢に変わりはなく、そこが職人のようで魅力的に映る。 彼の闘いは、妻と子どもを巻き込んでの一家総出作戦だ。トランボを家族の中に描いたことで親近感あふれる温かい映画になった。トランボ役のクランストンさんと妻役のダイアン・レインさんの相性も抜群で、夫婦の距離やあり方に心を動かされる。クランストンさんは、その魅力的な芝居によって、今年度の米アカデミー賞主演男優賞に初めてノミネートされた。傷つけられた誇りをどう取り戻すのか。実話が基となっているだけあって、最後まで興味を引かれる。ヘレン・ミレンさん、エル・ファニングさん、ジョン・グッドマンさん(実にいい味を出している!)ら豪華俳優陣が出演。「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズのローチ監督作。TOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほかで22日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「アクセル・ワールド-インフィニット・バースト-」加速世界の未来を描く完全新作

「アクセル・ワールド INFINITE∞BURST」予告編
 劇場版アニメ「アクセル・ワールド-インフィニット・バースト-」(小原正和監督)が7月23日に公開される。2046年の東京を舞台に、いじめられっ子だった少年らが“加速世界”という仮想空間で戦う姿が描いた「ソードアート・オンライン」などでも知られる川原礫さんの人気ライトノベルが原作で、2012年4~9月にテレビアニメが放送された。劇場版ではテレビシリーズを手がけた小原監督や脚本の吉野弘幸さんをはじめとするスタッフのほか、三澤紗千香さんや梶裕貴さんら声優陣も再結集。原作者の川原さんが書き下ろした完全新作の物語が繰り広げられる。 オンライン型対戦格闘ゲーム「ブレイン・バースト」のプレーヤーである「バーストリンカー」たちは、現実の1000倍に加速した仮想世界で戦いを楽しんでいた。高円寺を拠点とする「ネガ・ネビュラス」に所属する私立梅郷中学に通う有田春雪(声・梶さん)は、軍団長である黒雪姫(声・三澤さん)と渋谷エリアでの領土戦の最中に漆黒の巨大な竜巻が現れ、突然回線が切断してしまう。起こるはずのない不可思議な現象の原因を突き止めるべく、ハルユキら仲間たちは黒い竜巻に立ち向かうが……というストーリー。 今作は原作で描かれていない加速世界の未来という新作ストーリーが楽しめるだけでなく、初めて動いて活躍している姿を見ることができるキャラクターも登場し、原作およびテレビシリーズのファンなら、思わず胸がときめいてしまう。テレビ版で髪の毛の1本に至るまで緻密に計算された動きには感銘を覚えたが、その魅力には磨きがかかり、劇場スクリーンによく映える。各キャラクター同士の距離感や空気感についても、会話の流れや戦闘における連携プレーなどから時間の経過を自然に感じさせ、好感が持てる。 大画面でのアクションシーンは圧倒的な迫力で、謎がちりばめられたストーリーも見応えが十分だ。総集編パートもあるため、初見の人でも世界観に入り込むことが可能。KOTOKOさんと音楽ユニット「ALTIMA」がタッグを組み、テーマソング「PLASMIC FIRE」を担当している。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで23日から全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「ミモザの島に消えた母」 美しい島を舞台に家族の秘密が明かされる

映画「ミモザの島に消えた母」予告編
 映画化もされた「サラの鍵」の原作者タチアナ・ド・ロネさんのベストセラー小説を原作にした「ミモザの島に消えた母」(フランソワ・ファブラ監督)が、7月23日から公開される。30年前の母の死因を解き明かそうとする息子を主人公に、四世代家族の秘密が、美しい海に囲まれた風光明媚(めいび)な避暑地を舞台に繰り広げられていく。 離婚をして精神的に不安定なアントワーヌ(ローラン・ラフィットさん)は、10歳の頃に亡くした母のことが気にかかっていた。母の命日に久々に実家を訪れたアントワーヌは、祖母の家の元家政婦ベルナデット(リーズ・ラメトリーさん)から、母の死について思いがけない事実を聞かされる。しかし家族に母の死について聞いても、口を閉ざされてしまう。死の真相を突き止めようとする兄のことを、妹のアガット(メラニー・ロランさん)は冷めた目で見ていた。30年前。冬にミモザの花が美しく咲き乱れる島で死んだ美しい母には、ある秘密が隠されていた……という展開。 アントワーヌの人生は、離婚、仕事、反抗期の娘と、何一つうまくいっていない。彼の時間は、母を亡くした10歳のときで止まっている。人生が立ちゆかないのは母の死を乗り越えられていないから。そう感じたアントワーヌによって、母の死因についての追求が始まる。すでに再婚をし、過去を封印したがっている父。母との関係があまりよくなかった祖母。アントワーヌの追求は、その話題をタブー視する身内にさざ波を立てながら、次第に大きな波となり、緊張を増幅していく。 謎めいた美しさを持つノアールムーティエ島が、母の過去をのみ込むミステリアスな場所としてうってつけ。陸から切り離された島の閉塞感が、アントワーヌの一家のゴタゴタをなおさら息苦しくさせる。家族だけでは、きっと堂々巡りで何の変化ももたらさなかっただろう。だが、アントワーヌの娘や恋人によって、変化の兆しが見えてくる。大人の事情によって真実が語られなかった母の死因と、若かりし母のもう一つの顔が、情感豊かな映像でつむがれるとき、家族全員の苦悩が繊細に浮き彫りになってくる。「アンタッチャブルズ」(2012年)のラフィットさん、「人生はビギナーズ」(12年)などのロランさんというフランスの実力派俳優が兄妹を演じている。ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほかで23日から公開。(キョーコ/フリーライター)

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