【動画まとめ】5月8、9日公開 映画紹介&予告編 「百日紅~Miss HOKUSAI~」「ブラックハット」「ゲキ×シネ『蒼の乱』」「小さな世界はワンダーランド」

「百日紅~Miss HOKUSAI~」葛飾北斎と娘による創作と風変わりな日々

劇場版アニメ「百日紅 ~Miss HOKUSAI~」予告編 杏と松重豊がアニメでも親子役
 杉浦日向子さんのマンガ「百日紅(さるすべり)」が原作の劇場版アニメ「百日紅~Miss HOKUSAI~」(原恵一監督)が5月9日に公開される。葛飾北斎の娘で浮世絵師のお栄を主人公に、北斎や仲間たちとのにぎやかな日々や交流を江戸の四季を通して描いている。お栄の声を女優の杏さん、北斎の声を今作がアニメ声優初挑戦となる俳優の松重豊さんが担当するほか、濱田岳さん、高良健吾さん、美保純さん、筒井道隆さん、麻生久美子さんら豪華キャストが参加している。 父であり師匠の葛飾北斎(声・松重さん)や仲間たちと絵を描いて暮らす浮世絵師・お栄(声・杏さん)は、家にやって来る池田善次郎(声・濱田さん)や歌川国直(声・高良さん)と騒いだり、離れて暮らす妹・お猶(声・清水詩音さん)と出かけたりしながら毎日を過ごしている。さまざまな出来事があふれる江戸の街に、再び百日紅が咲く季節が到来し……というストーリー。 映画「クレヨンしんちゃん」シリーズや「河童のクゥと夏休み」などで知られる原監督と、アニメーション制作のProduction I.Gが初めてタッグを組んだ今作は、江戸情緒あふれる作風で、浮世絵を2Dアニメで表現、江戸の街並み建築物などには遠近法を利かせた3D描写を織り交ぜることで、質感や奥行きを絶妙なバランスで描くことに成功した。お栄が描き出す龍や北斎が描く波などが動き出すシーンなどは圧巻で、アニメならではのダイナミックさが楽しめる。映画は北斎の創作逸話や長屋での風変わりな共同生活、お栄の絵師としての試練と不器用な恋などを中心に展開するが、江戸っ子の心の機微がじっくりと描かれていて胸を打たれる。主要キャラクターを俳優陣が担当していることは好みが分かれそうだが、劇場アニメの完成度を見るにつけ、ぜひ実写でも見たくなった。テアトル新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「ブラックハット」肉体派のハッカーがアジアを股にかけて挑む攻防戦

映画「ブラックハット」予告編 クリス・ヘムズワースが主演
 「アベンジャーズ」シリーズのマイティ・ソー役でおなじみのクリス・ヘムズワースさんの主演作「ブラックハット」(マイケル・マン監督)が、5月8日に公開される。「ヒート」(1995年)「コラテラル」(2004年)のマン監督の5年ぶりの最新作。米中の合同捜査チームと謎のネットワーク不法侵入者(ブラックハット)との攻防が、米国からアジア、世界を股にかけて繰り広げられる追跡劇だ。 香港の原子力発電所が、米シカゴでは金融市場が、それぞれハッキングによって大打撃を受ける。このサイバーテロ事件を解決するため、米国と中国が合同捜査チームを結成。犯人が使ったシステムを開発した人物で、ハッキング罪で投獄中の天才プログラマーであるハサウェイ(ヘムズワースさん)に捜査協力が要請される。ハサウェイに白羽の矢を立てたのは、中国軍サイバー防衛の責任者であるダーワイ(ワン・リーホンさん)で、ハサウェイとはマサチューセッツ工科大(MIT)でルームメイトだった。自由の身を条件に犯人逮捕に協力することにしたハサウェイは、ダーワイの妹でネットワークエンジニアのリエン(タン・ウェイさん)に協力してもらいながら、犯罪組織の居場所を特定しようと試みるが……という展開。 今作は、服役中だったハッカーが、自分が開発したプログラムを応用して世界を脅威に陥れているハッカーを追う構図で語られる。コンピューター社会の危うさと脆(もろ)さが、ネットワークを表示する光や夜の都市のイルミネーションの美しい光と対になって、独特な世界観を作り上げている。マン監督作ならではの現実世界への深い洞察が練り込まれ、重厚な作品に仕上がった。ハッカーのイメージを覆すような肉体派のハサウェイは、どこか暗い影を帯びている。だからこそダーワイとの男同士の友情が引き立つ。演じるヘムズワースさんとワンさんは一緒にボクシングをやって関係を築き上げたという。でも、男ばかりの硬派な映画かと思えば、そんなことはない。ダーワイの妹リエンとハサウェイのラブストーリーも織り込まれ、追跡劇には、地下鉄で手つなぎ走りのシーンも。ワンさんとタンさん演じる兄妹も、「ラスト、コーション」(2007年)で共演していただけあって息もぴったり。ネットワークの中に入り込んだような冒頭の映像から、ジャカルタの古い祭りの喧騒(けんそう)へと映像もダイナミックに変化していき、国や地域を股にかけて繰り広げられる攻防戦から最後まで目が離せない。TOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区)ほかで8日から公開。(文・キョーコ/フリーライター)

「ゲキ×シネ『蒼の乱』」天海祐希、松山ケンイチの舞台を映像化 戦乱ドラマに感涙

ゲキ×シネ「蒼の乱」予告編
 2015年に35周年を迎える「劇団☆新感線」の人気舞台を映画館で上映する「ゲキ×シネ」シリーズの「蒼の乱」(作・中島かずきさん、演出・いのうえひでのりさん)が5月9日に公開される。同劇団への出演が3度目となる天海祐希さんが主演を務め、共演に松山ケンイチさん、早乙女太一さんらを迎えて2014年に上演された舞台を映像化。平安時代を舞台に、国を追われ孤独ながらも優しく強い女・蒼真(天海さん)が、不器用ながらも真っすぐに生きる男・将門小次郎(松山さん)と出会い、戦いへと身を投じていく姿を描いている。天海さんの歌や豪快なアクションや、松山さんの純粋ながらも秘めた情熱を体現した演技は迫力十分だ。 左大臣の屋敷で国の行く末を占っていた蒼真(天海さん)を長とする渡来衆の一行は、卦(け)で動乱を予測したのを理由に武士たちに襲撃される。蒼真と親友の桔梗(高田聖子さん)は、京を訪れていた将門小次郎(松山さん)に救出されるが追い詰められてしまう。そこに帳の夜叉丸(早乙女さん)が現れ、追っ手を蹴散らし、引き合わせたい人がいると3人を西海へと連れて行き……というストーリー。 ゲキ×シネシリーズの魅力は、なんといっても舞台の臨場感と映画ならではの表現が化学反応を起こした独特の味わいと見応えにある。今作は上演当時、毎回拍手が鳴り止まないほど激賞されたという。壮大なスケールの戦乱ドラマでありながら、蒼真や小次郎といった主要人物のみならず、登場するキャラクターのほぼすべてに背景と思想が見え隠れし、物語に説得力を与えている。とにかく芸達者な天海さんの歌や演技に殺陣が圧倒的で、凛とした中にも垣間見せる女性らしさがつややかで色気を感じさせる。小次郎を演じる松山さんも情けない姿を見せつつも男らしい生きさまを体現。笑いあり涙あり、そしてアクションもあり、二転三転する物語に華を添えている。クライマックスは色彩、空間、心理的に圧倒され、感動に包まれて、しばし立ち上がるのを忘れてしまうほどだ。上映時間が少し長いけれど、舞台と映画の双方の良さが詰め込まれている。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「小さな世界はワンダーランド」シマリスとスコーピオンマウスがW主演

斎藤工がナレーション!映画「小さな世界はワンダーランド」予告編
 「アース」(2008年)、「ネイチャー」(14年)などネーチャードキュメンタリーをヒットさせてきたBBCアースがピクサーの協力を得て製作した映画「小さな世界はワンダーランド」(マーク・ブラウンロウ監督)が5月9日から公開される。シマリスとスコーピオンマウスに焦点を当て、小動物が厳しい自然の中で生きていく姿をドラマチックに映し出した44分間。日本語版ナレーションは俳優の斎藤工さん。 神秘的な原生林にすむシマリスの子と、空っぽな砂漠にすむスコーピオンマウスの子。生まれて初めて自分の力だけで冬を越さなくてはならないシマリスは、冬眠に備えてドングリを集めることに必死だ。しかし、大人のリスが食糧を狙っている。ヘラジカ、フクロウ、オオカミからも身を守らねばならない。スコーピオンマウスは突然の鉄砲水によって、家族と離れて一人旅に出る。しかし、命を狙うハンターたちがそこらじゅうにいた。彼らは大人になるために、必死で生き続ける……という展開。 BBCとピクサーがタッグを組んで「ドラマチックドキュメンタリー」と銘打った作品の第1弾。猛々しい野生動物ではなく、リスとネズミという可愛らしい存在にスポットを当てている。子どもにもなじみ深い小動物で、上映時間も1時間も満たないと短いため、子供連れでも楽しめるネーチャードキュメンタリーでも新しい趣の作品になった。スローモーションを多用し、動物の表情をアップでとらえながら物語が作り出され、シマリスとスコーピオンマウスは“ダブル主演”で感情的な要素を与えられている。 えさを盗む大人のリスの登場で、シマリスのドングリ集めはよりドラマチックに。月を背景に砂漠にすっくと立つスコーピオンマウスは、まるで孤高のカウボーイのようだ。また、動物の行動に熟知した専門家の協力を得て、地中にある巣穴や夜間での撮影にも成功。超高速カメラで撮影された落ちるドングリのシーンは、例えようもないほど美しい。森の中に生えてくるキノコの動きにもワクワクさせられる。小さな動物が堂々と大きな存在に感じられ、その跳躍力にも驚かされる。自然ドキュメンタリー番組「プラネット・アース」のブラウンロウ監督作。BBCのネーチャードキュメンタリー作品のファンだという斎藤さんが日本語版ナレーションを担当している。TOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで9日から公開。(キョーコ/フリーライター)

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