「キセキ-あの日のソビト-」ヒットソングの誕生秘話! 松坂桃李と菅田将暉が演じる対照的な兄弟
4人組ボーカルグループ「GReeeeN」の大ヒットソング「キセキ」の誕生にまつわるエピソードを題材にした「キセキ-あの日のソビト-」(兼重淳監督)が、1月28日から公開される。メンバーが歯科医で顔や姿を一切出さない異色の音楽グループとして知られるGReeeeN。そのリーダーのHIDEさんと、音楽プロデューサーでHIDEさんの実兄のJINさんをモデルに、兄弟や家族の絆、仲間たちとの日々を描いた青春映画だ。松坂桃李さんと菅田将暉さん演じる対照的な兄弟の生き方が心に残り、夢を追う姿も爽やかだ。 厳格な父に音楽の道を反対されたJIN(松坂さん)は、バンドで仲間割れして挫折。歯科医を目指しながら仲間と音楽を楽しむ弟のHIDE(菅田さん)の才能を見抜き、夢を託すことにする。父親にバレないよう、顔を出さずにプロモーションするという奇抜なアイデアを思いつき、CDデビューを目指す2人。息子たちの前に立ちはだかる大きな壁となる父親役に名優の小林薫さん、HIDEのガールフレンド役を忽那汐里さんが演じる。是枝裕和監督作「そして父になる」(2013年)の助監督だった兼重監督が手がけた。音楽はもちろんGReeeeNで、JINが音楽プロデューサーとして参加している。 父に反発し、バンドの道を閉ざされた兄JINと、父の言いつけに素直に聞き、歯科大に通いながら趣味の音楽を楽しむ弟HIDE。ぶつかり合った末に、HIDEは挫折を味わったJINの夢となる。JINの部屋を借りて工夫を凝らしながらレコーディングする姿からは、2人分の思いで一つの夢を自由に追いかける熱い気持ちが伝わってくる。 伸び伸びとした雰囲気の弟を演じ、劇中でGReeeeNの前身となるグループ「グリーンボーイズ」のメンバーとして歌も披露している菅田さん。ナビ役の横浜流星さん、クニ役の成田凌さん、ソウ役の杉野遥亮さんとユニットとして、シングルデビューも果たした。菅田さんは、auの三太郎CMシリーズ「応援」編で流れる楽曲「見たこともない景色」での熱唱も話題になっているだけに映画の中でその美声が聴けるのは貴重だ。昨年は主演作「溺れるナイフ」など9作品が公開され、今年の夏にはメガネキャラの志村新八役で出演している「銀魂」の公開も控えているなど今、最も旬な役者、菅田さんの一挙手一投足に注目だ。28日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)
「イタズラなKiss THE MOVIE2 ~キャンパス編~」劇団EXILE・佐藤寛太主演第2弾 大学生活突入で恋の行方は?
多田かおるさんの人気ラブコメマンガを劇団EXILEの佐藤寛太さん主演で実写化した映画「イタズラなKiss THE MOVIE2~キャンパス編~」(溝口稔監督)が1月27日、公開される。バレンタインデー当日、手作りチョコレートを届けに来た相原琴子(美沙玲奈さん)が腹痛で倒れてしまい、入江直樹(佐藤さん)は自宅に連れて帰るも吹雪のため一晩泊めることになり、一つしかないベッドで一緒に寝ることに……というシチュエーションはドキドキものだ。 2016年11月に公開された「イタズラな Kiss THE MOVIE~ハイスクール編~」に続くシリーズ第2弾。ドジでバカだけど友達思いの琴子は、天才でイケメンの直樹と同じ斗南大学入学。学部が違うため、少しでも一緒にいたい琴子は直樹と同じテニスサークルに入る。しかし厳しい特訓に加え、直樹に思いを寄せる美人で頭もよくてテニスも上手な松本祐子(文音さん)というライバルも現れ……という展開。琴子の友人役で山口乃々華さん、大倉士門さん、テニス部の先輩役で牧田哲也さんらが出演している。 添い寝シーンは、好きな人と2人きりなだけでも胸が高まるのに、一晩を過ごすとなればなおさらだ。琴子がドギマギする姿は可愛らしく、緊張感とうれし恥ずかし感が青春時代の甘酸っぱさを感じさせる。直樹の「緊張してる?」という言葉にドキドキ感が高まること必至。ほかにもサークルで炊事当番を任されたが、料理が苦手な琴子のために、鮮やかな手つきでクールに料理を手伝う直樹の姿は、同性から見てもカッコよく、琴子が好きになる気持ちも分かる気がした。27日からユナイテッド・シネマ豊洲(東京都江東区)ほかで公開。(遠藤政樹/フリーライター)
「ドクター・ストレンジ」カンバーバッチが人知を超えた力を持つ天才外科医に だまし絵のような映像体験
「マーベル」のアメコミヒーロー映画の第14弾「ドクター・ストレンジ」(スコット・デリクソン監督)が、1月27日から公開される。人気俳優のベネディクト・カンバーバッチさんが両手の機能を失ったことで人知を超える力を手に入れた天才外科医スティーブン・ストレンジ役で主演。現実世界と異次元空間を縫うように物語は進み、その異次元空間における摩訶(まか)不思議な映像表現に息をのむ。 自動車事故によって両手の機能を失った天才外科医スティーブン・ストレンジ(カンバーバッチさん)は、カトマンズにある謎の治療施設「カマー・タージ」のうわさを聞きつけ、一縷(いちる)の望みをかけてそこを訪れる。指導者エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントンさん)の元で修業を重ね、人知を超えた力を手にしたストレンジは、やがて世界を破滅へと導く闇の魔術との戦いに身を投じていく……というストーリー。 傲慢で自己中心的なドクター・ストレンジだが、どこか憎めないのは、演じるカンバーバッチさんの醸し出す雰囲気がなせる業だ。序盤の、魔術師エンシェント・ワンと、闇の魔術師カエシリウス(マッツ・ミケルセンさん)率いる一団の戦いの場面から圧倒される映像美だ。ニューヨークの高層ビル群が突然傾き、ワンたちが建物の壁を駆け上がるや、建物が折りたたまれ、異次元の世界に入り込んでいく。その奇妙な光景は、まるで万華鏡や飛び出す絵本、あるいは、エッシャーのだまし絵の世界に入り込んだようだ。エンシェント・ワンが空中に作り出す光輝く曼荼羅(まんだら)模様も美しい。27日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)
「恋妻家宮本」阿部寛と天海祐希が50歳夫婦に 人気脚本家・遊川和彦の初監督作は辛口ラブストーリー
ドラマ「家政婦のミタ」「女王の教室」などで知られる人気脚本家の遊川和彦さんが初めてメガホンをとった映画「恋妻家宮本(こいさいかみやもと)」が、1月28日から公開される。阿部寛さんと天海祐希さんが子供も自立し、結婚以来初めて夫婦水入らずで暮らすことになった共に50歳の夫婦を演じている。重松清さんの小説「ファミレス」に、遊川監督自身が大胆に脚色を施したほほ笑ましくもちょっぴり辛口のラブストーリーだ。 結婚27年目の宮本陽平(阿部さん)と美代子(天海さん)は共に50歳。息子(入江甚儀さん)が自立し、結婚以来初めて夫婦水入らずで暮らすことになった。そんなある日、陽平は、美代子の押印済みの離婚届を見つけてしまう。美代子に真意を聞けないまま陽平は、悶々(もんもん)とした日々を送ることになり……という展開。相武紗季さんらも出演している。大学生時代の陽平を工藤阿須加さん、同じく大学生時代の美代子を早見あかりさんが演じている。 陽平が美代子に「あなたって、結婚に向いてないよね」と直言される場面や教師をしている陽平が、教え子の祖母(富司純子さん)に向かって「正しさ」と「優しさ」について切々と語る場面。さらに、架空の駅「こいづま駅」での陽平と美代子のやりとりなど、琴線に触れるシーンは数々ある。 だが、目を見張ったのは、主人公の陽平が、菅野美穂さん演じる料理教室仲間の五十嵐真珠と、あろうことかラブホテルに向かう場面だ。おろおろする陽平をよそに、普段は冷静な真珠が、ある事情から、すわ一大事と猛ダッシュする姿は、おかしいやらあっけにとられるやら。演じる菅野さんの“壊れっぷり”は見事だ。エンドロールでの出演者全員による“大合唱”も楽しい。既婚者なら、ぜひ夫婦で見てあれこれ考えてみてほしい。28日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)