【動画まとめ】12月20日公開映画 紹介&予告編 「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」「ベイマックス」「百円の恋」「ガガーリン 世界を変えた108分」「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」

「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」 誕生エピソード描いた初の劇場版

劇場版アニメ「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」予告編
 小学生を中心にゲームやアニメが大ヒット中の「妖怪ウォッチ」の初の劇場版アニメ「映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」(高橋滋春監督・ウシロシンジ監督)が12月20日から公開される。タイトル通り、妖怪を見ることができるアイテム「妖怪ウォッチ」の誕生の秘密が明かされる内容で、分かりやすいストーリーやテンポよく進むギャグを織り交ぜた会話によってアニメのファンはもちろん、初めて「妖怪ウォッチ」の世界に足を踏み入れる大人でも違和感なく物語の世界に入り込める。随所にちりばめられたパロディーやギャグを楽しみに見るのも面白い。 妖怪たちを見ることができる腕時計「妖怪ウォッチ」が消えてしまった主人公・ケータは、超巨大猫妖怪デカニャンから助けを求められ、「妖怪ウォッチ」の手がかりを探すためにウィスパーやジバニャンらと祖母の家のあるケマモト村に向かう。そこで60年前の世界にタイムスリップしたケータが出会ったのは幼いころの祖父・ケイゾウ。妖怪ウォッチ復活のため、ともに共通の敵に立ち向かう……というストーリー。ゲスト声優としてお笑いタレントの志村けんさん、人気アイドルグループ「AKB48」の"ぱるる”こと島崎遥香さん、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが出演している。 ケータにジバニャン、ウィスパーといったおなじみのメンバーのやり取りは劇場版でも健在で、リズム感のある掛け合いを交えながら物語はテンポよくサクサク進む。作品を貫くテーマは「友情」だが、物語の終盤ではそこに「勇気」が加わり、大事なものをつかむためには何が必要かを見る者に改めて気づかせてくれるエピソードが盛り込まれている。また、作品の中には、しばしば有名なマンガや映画のパロディーがちりばめられているのも魅力で、思わずクスリと笑ってしまう。熊本県の“営業部長”で人気キャラクターの「くまモン」が随所に登場していい味を出している。クライマックスの妖怪が大集結するバトルシーンでは多数のキャラが飛び交うスケールの大きいドタバタ劇が繰り広げられ、まさに劇場版らしい迫力だ。劇中では、ゲスト声優として出演している志村さんの持ちネタもさりげなく登場するのでチェックしてみるのも面白いだろう。TOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで全国で20日から公開。(河鰭悠太郎/毎日新聞デジタル)

「ベイマックス」 ディズニー最新作 ロボットに託した兄の思いと少年の絆を描く

映画「ベイマックス」予告編 日本語版エンドソングにAIの「Story」
 不慮の事故で亡くなった兄がロボットに託した思いと託された14歳の天才少年との絆を描いたディズニー長編アニメーション最新作「ベイマックス」(ドン・ホール監督・クリス・ウィリアムズ監督)が12月20日から公開される。舞台は、米サンフランシスコと東京をモチーフにした架空都市サンフランソウキョウで、ディズニー史上初の優し過ぎるロボット・ベイマックスと天才少年と仲間たちのアドベンチャー作。日本のポップカルチャーで育ったという両監督が、日本文化へのオマージュを随所にちりばめている。 最先端科学都市サンフランソウキョウ。ヒロ(ライアン・ポッターさん、本城雄太郎さん)は14歳の天才少年だ。幼い頃に親を亡くし、工科大学に通う兄タダシ(ダニエル・ヘニーさん、小泉孝太郎さん)とともに、叔母キャス(マーヤ・ルドルフさん、菅野美穂さん)の家で暮らしている。ヒロは自分の開発したロボットを使い、アンダーグラウンドのロボット格闘技に夢中だ。才能のむだ遣いを心配したタダシは、自分の大学にヒロを連れて行き、研究仲間やロボット工学の第一人者キャラハン教授(ジェームズ・クロムウェルさん、金田明夫さん)に会わせる。衝撃を受けたヒロは大学で学ぶことを決意し、発明に成功して飛び級で入学する権利を手に入れた。しかし、謎の事故でタダシは帰らぬ人に。心に深い傷を負ったヒロの前に、人々の心と体の健康を守るためにタダシが開発したケアロボットのベイマックス(スコット・アツィットさん、川島得愛さん)が現れる……という展開。 冒頭、港湾都市の美しい景色に目を奪われる。主人公はロボットオタクの理系男子。ベイマックスは白くて風船のような真ん丸ボディーだ。癒やしを目的としたこのケアロボットからは、柔らかな感触が伝わってきそう。おどけた動きが笑いを誘うが、本人はいたって真面目だ。ゆるキャラとしてのほのぼの感はあるが、その実、死んだ兄が託した理想を背負ったという重い背景を持つロボットだ。頭脳は天才でもまだまだ子どものヒロは、なかなか兄の真の思いに気づかない。その結果、謎の仮面男との闘いが繰り広げられていく。空を縦横無尽に飛び、仲間と助け合う闘いは、日本の戦隊ヒーローものを見ているワクワク感とハリウッドのSF大作のような見応えがあって飽きさせない。その冒険の核心には、兄を亡くした弟のヒロが、肉親の突然の死をどう乗り越えるのかという深いテーマも横たわっている。孤独のままにさせない仲間(兄タダシの友人)たちの存在、そしてポワンポワンとして柔らかいもの(ベイマックス)に包まれる心地よさ…‥これらに今後のグリーフ(悲嘆)ケアのヒントが隠されているように感じた。同時上映は短編アニメーション「愛犬とごちそう」。TOHOシネマズ有楽座(東京都千代田区)ほかで20日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「百円の恋」 安藤サクラが女性ボクサーを演じたカタルシス効果抜群の会心作

映画「百円の恋」予告編
 安藤サクラさんが女性ボクサー役に挑んだ映画「百円の恋」(武正晴監督)が12月20日から全国で公開される。故松田優作さんの出身地である山口県の周南映画祭で、2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」の第1回グランプリに輝いた足立紳さんの脚本を、映画「イン・ザ・ヒーロー」(14年)の武監督が映像化した。安藤さんは、700人以上の応募からオーディションでこの役を勝ち取ったという。安藤さんの役に懸けた意気込みがうかがえる快作だ。 弁当屋の実家で、働きもせず自堕落な生活を送っていた32歳の一子(安藤さん)は、出戻りの妹(早織さん)と壮絶なけんかをしたことから、家を出て1人暮らしを始める。いつも行く100円ショップで働き始めた一子は、店に出入りする中年ボクサー狩野(新井浩文さん)と知り合い、彼の引退試合を見に行ったことで、自分もボクシングをやりたいと思うようになり……という展開。 とにかく、映画の前半と後半の安藤さんの変わりようがすさまじい。安藤さんはオーディション段階で体重を一度増やし、その後、撮影開始10日間ほどで減量したという。映画序盤では、脇腹のぜい肉をぼりぼりとかきながらおいっ子とゲーム三昧(ざんまい)。歩き方もダラダラしていて、見るからにだらしがない。そんな彼女が、ボクシングを始めたことで己を律し、心身ともにむだなものをそぎ落とし、スリムになっていく。二重あごも見事に解消され、最後には顔が一回り小さく見えたほどだ。狩野との出会いはまた、一子の中に眠っていた“女心”も目覚めさせた。“勝負下着”を買い、中華屋のトイレの便座に腰かけファンデーションを塗る姿が、なんともいえず愛らしい。クライマックスの試合のシーンでは、何度もリングに沈んでは立ち上がり、満身創痍(まんしんそうい)になりながら対戦相手に向かっていく。その痛々しい姿に涙をこぼしながら、心の中で「カッコいいぜ、一子!」と叫んでいた。カタルシス効果抜群の作品だ。20日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほか全国で順次公開。 (りんたいこ/フリーライター)

「ガガーリン 世界を変えた108分」 宇宙の孤独な旅路をガガーリンの半生と重ね描く

映画「ガガーリン 世界を変えた108分」の予告編
 世界初の宇宙飛行士、ユーリー・ガガーリンを題材にした「ガガーリン 世界を変えた108分」(パベル・パルホメンコ監督)が12月20日から公開される。厳しい訓練を経て、旧ソ連の宇宙船ボストーク1号に乗ることに決まり、地球を1周して帰還する孤独な旅路を、ガガーリンの家庭や半生を織り交ぜながら明かしていく。ガガーリン生誕80周年を記念してロシアで製作された。 東西冷戦時代のソ連、バイコヌール宇宙基地。3000人以上の空軍パイロットの中から選抜された20人の宇宙飛行士候補生の中に、27歳のユーリー・ガガーリン(ヤロスラフ・ジャルニンさん)がいた。候補生たちは我こそが宇宙に旅立つのだという同じ夢を持つ同志として、厳しい訓練を受ける日々を送っていた。ガガーリンはゲルマン・チトフとともに最後の2人に絞られたが、2人は固い絆で結ばれていた。上層部はどちらを選ぶか迷い、ガガーリンの妻バレンチナ(オルガ・イワノワさん)は、命懸けのミッションに、もし夫が選ばれたら……と気をもんでいた。ガガーリンが選ばれ、宇宙船が打ち上がり、管制塔とのやり取りも順調。地上では「ソ連の英雄」に市民が沸いていた。しかし、最大の危険である大気圏再突入に際して問題が発生し……という展開。 ガガーリンの時代、宇宙に行くのはチームではなく、たった一人。なんて孤独な旅路なのだろう。しかも狭い宇宙船で、帰還方法も危険極まりない。広大な場所にポツンと帰ってくる丸い宇宙船を俯瞰(ふかん)でとらえたシーンはなんともシュールで、奇跡と孤独がないまぜになっている。そんな人類の偉業にガガーリンの半生を重ね、若き男性の勇気と人間像を浮かび上がらせている。だがあくまでも淡々とした描き方だ。過剰なCG技術を使わず、当時のミッションをリアルに伝える。劇中のガガーリンは宇宙を眺めながら、幼い頃のことを思い出す。これは死を覚悟したからこその回想なのだろう。両親や妻や娘との描写には心が温まり、労働者の息子、あるいは家庭の父としての姿を浮かび上がらせる。演じるジャルニンさんの輝く笑顔は、写真で知るガガーリン本人を彷彿(ほうふつ)とさせ、宇宙飛行士に選抜された理由に説得力を与えている。実物大で造られたという宇宙船ボストーク1号のセットも必見だ。新宿シネマ・カリテ(東京都新宿区)ほかで20日から公開。(キョーコ/フリーライター)

「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」 鬼才・中村隆太郎の幻の初監督作

映画「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」の予告編
 1992年に製作されたが、これまで劇場公開されてこなかった劇場版アニメ「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」(中村隆太郎監督)が12月20日に公開される。今作は、「キノの旅 the Beautiful World」などで知られ、2013年に亡くなった中村監督が初めて監督を務めた長編作品で、人間のような動物が暮らす地球を舞台に、ちびねこ・トムと仲間たちの冒険を描いている。当時、5年の歳月をかけて制作されるも諸事情で劇場公開されず、一部のテレビ放送や地方での上映会など限定的な公開にとどまっていた作品で、現在も一線で活躍するスタッフ陣と、藤田淑子さん、野沢雅子さん、高山みなみさん、大塚明夫さんら豪華声優陣が顔をそろえていることからも隠れた大作といえそうだ。 夏休みのよく晴れた日、ヤポーニャ国のトム(声・藤田さん)と兄のマーク(声・野沢さん)、トムのガールフレンドのエイミー(声・佐野量子さん)とその兄・アレックス(声・高山さん)らは、ピント山の謎を探るため冒険に出発。ピント山の頂上にたどり着くと、不思議な形に組み合わされた大きな岩を見つける。そして、地球の一部である謎の生き物・チキ(声・坂本千夏さん)と出会うも、五つの「地球のかけら」に分裂してしまっていた。地球のかけらをある方法で一つにつなげられると、地球が壊れるのを防げるのだが、兄たちが方法も聞かずに無理やりつなげようとしたため、かけらが離れようとし、トムらは地球のあちこちに飛ばされてしまう……というストーリー。 日本アニメ界の鬼才・中村監督が構成や絵コンテから脚本までを手がけた初監督作品でありながら、諸般の事情でこれまで大々的に公開されることがなかった。まさに“幻”と呼ぶにふさわしい作品だが、20年以上の年月がたった今見ても、時間を掛けて丁寧に描き上げられた手描きのセルアニメから温かみを感じ、さらに総数6万枚にもおよぶ動画枚数には単純に驚かされる。名前こそ挙げないものの名だたる製作陣が携わり、背景美術に至るまで豊かさと美しさにはアニメファンならずともうっとり。絵のタッチからは子供向けを想定しているようだが、環境問題や人間同士のつながりなどをテーマにした物語は、現代社会が抱える問題にも通じるところがあり大人でも引き込まれる。もちろん深く考えず、ファンタジー作品としても楽しめる。素晴らしい作品は時代を超えることを再確認した。ミニシアター・トリウッド(東京都世田谷区)で20日から2015年1月18日まで公開。(遠藤政樹/フリーライター)

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