大泉洋、過去最高のイケメンに?映画「ぶどうのなみだ」公開直前イベント(1)
俳優の大泉洋さんが9月30日、東京都内で行われた映画「ぶどうのなみだ」(三島有紀子監督)のイベントに、共演者の安藤裕子さんや三島監督らと登場した。安藤さんに「みなさんが見たこともないイケメンな大泉さんが見られます」といわれた大泉さんは「監督が私の顔をきれいに撮ろうとするんですよ。前日にお酒を飲むと『顔がむくんでる!』と監督に言われるのでストイックに走ってました! でもワインの映画だし飲みたくなる……」とぼやきながらも、「僕史上では、一番キレイに撮っていただいた。自己ベストは出しました」と満足げに語った。 映画は、大泉さんの故郷・北海道を舞台にワイン造りに奮闘する兄弟の交流が描かれ、大泉さんは「美しい北海道の景色を三島監督に切り取っていただいた。多くの方に(映画を)愛していただいて、最終的には北海道に遊びにきて、ワイナリーを巡ったり、おいしい食事を食べていただけたら」とふるさとをアピール。またこの日のイベントには劇中に登場する大型犬のバベットも登場。動物嫌いという大泉さんは「彼は盟友です。なんか彼はいけるんですよね! 中に人が入ってるんじゃないかな。45歳くらいのおじさんが」とおどけながらも撮影以来の再会を喜んだ。 映画は「しあわせのパン」(2012年)を手がけた三島監督が脚本・監督を担当し、北海道を舞台に父の残した小麦畑とブドウの木で農業を営むアオ(大泉さん)、と弟のロク(染谷将太さん)の穏やかな日常を描く。”黒いダイヤ”と呼ばれるブドウ、ピノ・ノワールの醸造に苦戦するアオたちの前に、キャンピングカーに乗った謎の女性・エリカ(安藤さん)が現れ……というストーリー。10月4日から北海道で先行公開され、10月11日から全国で公開される。
大泉洋「凄まじい!」監督のこだわりぶりを披露 映画「ぶどうのなみだ」公開直前イベント(2)
映画「ぶどうのなみだ」の予告編
スマッシュヒットした「しあわせのパン」(2011年)の三島有紀子監督と主演の大泉洋さんが再タッグした「ぶどうのなみだ」が10月11日から公開される。夢に破れて、一度離れた故郷に戻って理想のワインづくりに精を出す兄と、地元で畑を守ってきた弟、そして突然現れた不思議な女性が繰り広げる人間模様を、大自然とおいしそうな料理が彩る。北海道でオールロケを行った。 北海道の空知が舞台。家族の反対を押し切って夢を追うために家を出た兄のアオ(大泉さん)は5年前に故郷に戻り、亡き父が植えたブドウの木のそばの畑で、“黒いダイヤ”と呼ばれるブドウ「ピノ・ノワール」の醸造に挑戦していた。一方、年の離れた弟のロク(染谷将太さん)は、亡き父の小麦畑を受け継ぎ、兄に代わって家と畑を守ってきた。ある日、2人の前に真っ赤なワンピースを着た謎の女性(安藤裕子さん)が現れる。エリカと名乗るその女性は、お酒と料理で人々をもてなした。最初はエリカに対していい感情を持てなかったアオだったが、自分がつくったワインを飲んでくれたことをきっかけに距離が縮まっていく……という展開。 夢に挫折して傷ついた過去を持ち、ワインに人生の再スタートをかけている兄のアオ。「ワインが嫌いなんだ」と言い放ち、どこかわだかまりを抱えている弟のロク。広大な風景にもかかわらず、冒頭は兄弟の関係など閉塞(へいそく)感が漂う。それを打ち破るかのように、一陣の風のごとくエリカが現れる。その瞬間が見事だ。エリカは穴を掘り、初対面の兄弟に対してやや横柄な態度をとるが、シンガー・ソングライターの安藤さんがとてもチャーミングに演じていて、一気に引きつけられる。謎めいた彼女のたたずまいをはじめ、魔法で出したような色鮮やかでおいしそうな料理や、突然始まる合奏(たぶんわざと楽器と音が合っていないという緻密さ)、アンティーク+ナチュラル系の雑貨と衣装も含めて、今作は巧妙に編まれた寓話(ぐうわ)の世界に仕上がっている。統一されたこの世界観に酔えるかどうかが鍵だ。物語の軸には、「土」と向き合うことで自分の人生の土台と向き合う人間の姿と苦悩が描き込まれている。脇を田口トモロヲさん、前野朋哉さん、りりィさん、きたろうさん、小関裕太さんらが固める。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで11日から公開。(キョーコ/フリーライター)公開日:10月11日公開
監督:三島有紀子
出演:大泉洋、安藤裕子、染谷将太、大杉漣、江波杏子 ほか