「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」デス・スターの設計図を奪取せよ! エピソード4の直前描く
人気SF映画「スター・ウォーズ」シリーズの最新作「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(ギャレス・エドワーズ監督)が12月16日、公開された。初期3部作の第1弾「エピソード4/新たなる希望」(1977年)で、ヒロインのレイア姫が帝国軍の究極の兵器「デス・スター」の設計図をドロイドのR2-D2に託したが、「ローグ・ワン」では、その設計図がいかにして反乱軍の手に渡ったかを描いている。2014年のハリウッド版「GODZILLA ゴジラ」で知られるギャレス・エドワーズ。エドワーズ監督が「手持ちカメラで現実味を出すことを心がけた」という映像は、弾丸が飛び交うリアルな地上戦と宇宙空間での壮大な激突などのバランスが絶妙で、ハラハラドキドキしつつ、息をのむ圧巻の映像で2時間17分があっという間だった。 スカイウォーカー家の物語を描く「スター・ウォーズ」シリーズとは異なり、新たなキャラクターが登場するアナザーストーリー。この物語のヒロイン、ジン・アーソは「博士と彼女のセオリー」(2014年)でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたフェリシティ・ジョーンズさんが演じている。ジンはわけあって父や家族と離れて暮らし、生きるために窃盗や暴行、書類偽造など、あらゆる犯罪に手を染めてきた“やんちゃ”な女性だ。反乱軍の極秘チーム“ローグ・ワン”のメンバーとなり、お目付け役となる反乱軍の将校、棒術を操る盲目の戦士、その相棒の武器のエキスパート、天才的な操縦テクニックを持つ元帝国軍のパイロットら個性的な面々とチーム戦でミッションに挑む。ちなみに今作に出てくるドロイド、K-2SOの足長の外見と一人ボケツッコミが楽しい。 ドニー・イェンさんが演じるフォースを信じる盲目の戦士チアルートはまるで座頭市。その見事な剣さばき、腰の入ったアクションシーンは見応えがある。アクションもさることながらジンと父との関係、ローグ・ワンのチームワークなど人間くさい部分も描かれ、ヒューマンストーリーとしても楽しめる。約1年後には「スター・ウォーズ」のエピソード8が公開されるが、その前に必ず見ておきたい。16日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(細田尚子/MANTAN)
「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」アニメと実写の融合が新感覚
アニメやゲームが人気の「妖怪ウォッチ」の劇場版アニメ最新作となる「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」(ウシロシンジ監督)が12月17日、公開される。主人公・天野ケータや妖怪たちが、世界を救うためにアニメと実写の世界を行き来しながら戦う場面は、迫力を感じさせつつ、“らしい”ノリのユーモアに満ちている。 今作は「妖怪ウォッチ」の劇場版シリーズ第3弾で、天野ケータや妖怪たちの冒険をアニメパートと実写パートを融合させた世界観で描いている。物語は、ケータ(声・戸松遥さん)たちが暮らすさくらニュータウンに突然、空飛ぶ巨大クジラが現れ、クジラの鳴き声とともに実写の世界に移動してしまったケータ(実写パートは南出凌嘉くん)やジバニャン(声・小桜エツコさん)たちは、混乱しながらもアニメと実写の世界を行き来しつつ原因を探り始める……というストーリー。実写パートには、謎の少女・南海カナミを浜辺美波さん、カナミのバレエの先生・木下紗枝を武井咲さんが演じるほか、山崎賢人さんや斎藤工さん、お笑いコンビ「ハライチ」の澤部佑さん、遠藤憲一さんらも出演している。 ケータたちが妖怪と戦うシーンは、妖怪たちが得意技を使って活躍するのだが、実写の世界へ転換すると、アニメのお約束的な要素が一切通用せず苦戦。ピンチには違いないのだが、ウィスパーのツッコミもあってか思わずクスッとさせられる。実写パートでの各キャラクターの再現度が高く、妖怪たちも本当に存在するかのように生き生きしていて、違和感を感じず熱中できる。短編映画「スナックワールド 人嫌いのレニー」が同時上映。17日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開。(遠藤政樹/フリーライター)
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 福士蒼汰&小松菜奈が初共演 切ない恋に涙
俳優の福士蒼汰さんと女優の小松菜奈さんが初共演した映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(三木孝浩監督)が12月17日、公開される。福士さん演じる20歳の美大生・南山高寿(みなみやま・たかとし)が、小松さん演じる福寿愛美(ふくじゅ・えみ)からある大きな秘密を聞かされて、号泣しているシーンが胸に迫る。 映画は、七月隆文さんの人気恋愛小説が原作。美大生の高寿(福士さん)は大学に向かう電車の中で出会った愛美(小松さん)に一目ぼれ。勇気を出して声をかけ、「また会える?」と約束を取り付けようとするが、なぜか愛美は涙する。涙の理由が分からない高寿だったが、親友の上山(東出昌大さん)の後押しもあり、初デートで告白しオーケーをもらい、交際を始める。ある日、愛美から、時間にまつわる、ある秘密を打ち明けられ……というストーリー。高寿の恋敵役で山田裕貴さんが出演している。 高寿が号泣するシーンは、高寿目線で見ると、どうしようもないやるせなさや憤りを感じ、言葉では言い表せないほどの感情があふれ出てくる。2人が付き合い始めてからは本当にラブラブなので、秘密が明かされたときの悲しみがより強調されている。秘密を知ると愛美がよく泣く理由が理解でき、一気に世界の見え方が切り替わり、胸が熱くなる。細かい設定にこだわるよりも、かけがえのない時間を悔いのないよう過ごした2人の青春にじっくりと浸りたい。17日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開。(遠藤政樹/フリーライター)