【動画まとめ】11月14、15日公開 映画紹介&予告編 「紙の月」「神さまの言うとおり」「パワー・ゲーム」「楽園追放」「TATSUMI」「6才のボクが、大人になるまで。」

「紙の月」宮沢りえが“堕ちていくヒロイン”を軽やかに演じる

映画「紙の月」予告編 宮沢りえ7年ぶり主演

 女優の宮沢りえさんが7年ぶりに主演を務めた映画「紙の月」(吉田大八監督)が11月15日に公開される。直木賞作家の角田光代さんのベストセラー小説が原作で、「桐島、部活やめるってよ」(2012年)の吉田監督が映画化した。宮沢さんが“堕ちていくヒロイン”を軽やかに演じている。

 1994年、銀行で契約社員として働く梨花(宮沢さん)は夫(田辺誠一さん)と平凡ながらも穏やかな日々を送っていた。以前、顧客の家を訪れた際に会った大学生の光太(池松壮亮さん)と町で再会した梨花は何かに導かれるように光太と逢瀬(おうせ)を重ねるようになる。ある日、外回りの帰りに立ち寄った百貨店で顧客からの預かり金のうちの1万円を手に付けたことから、金銭感覚は次第にまひしていき、横領がエスカレートしていく……というストーリー。

 映画版は原作とは異なり、銀行を舞台の中心に据えることで梨花をはじめ人物同士の思惑が浮き彫りになる。梨花が書類を書き換えて横領を重ねていく様子がリアルかつスリリングに描かれ、ヒヤヒヤせずにはいられない。元AKB48の大島優子さんが演じる梨花の同僚・相川はその言動が梨花の内面に秘められた欲望をじわじわと引き出していく。大島さんの無邪気さの中にも“邪気”を感じさせる演技がハマり役。そして、梨花の横領に感づき、外側からじわじわと梨花を追い詰めていく事務員の隅(小林聡美さん)が最後に梨花と対決するシーンは静けさの中に鬼気迫るものがあり、スクリーンに引き込まれてしまった。

 逃げ切ったその先に梨花が最後に見たものはなんだったのか……。宮沢さん演じる梨花は“堕ちていくヒロイン”ながらもどこか軽やかだ。「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」が歌う主題歌「Femme Fatale(ファム・ファタール=運命の女性の意)」は心地よいけだるさが漂い、見たあとは爽快感に包まれた。15日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(堀池沙知子/毎日新聞デジタル)

「神さまの言うとおり」 三池監督最新作は福士蒼太主演で死のゲームに挑む

映画「神さまの言うとおり」予告編

 俳優の福士蒼太さん主演、三池崇史監督がメガホンをとった実写映画「神さまの言うとおり」が11月15日に公開される。今作は、金城宗幸さん作、藤村緋二さん画で「別冊少年マガジン」(講談社)などで連載されているマンガが原作。福士さんが演じる退屈な日常にうんざりしている高校生の高畑瞬が、ある日クラスメートとともに、突然学校に現れた「ダルマ」の宣言で命を懸けた理不尽なサバイバルゲームに巻き込まれていく恐怖や不条理などを描いている。最新のVFXを駆使した迫力と緊迫感あふれる映像と、鬼才・三池監督によるバイオレンスとコミカルを融合させた描写が見どころ。前田敦子さんやトミーズ雅さんらが声優として参加していることも話題だ。

 退屈な日常にうんざりしていた高校生・高畑瞬(福士さん)が通う学校に、ある日突然ダルマが出現し、命を懸けたゲームの始まりを告げる。少しでも動いたら首が吹き飛ぶ第1のゲーム「ダルマさんが転んだ」を皮切りに、まねき猫、コケシ、シロクマ、マトリョーシカといった不気味に動くものたちから次々と課題を出され、失敗すればすぐに死につながるゲームに、幼なじみの秋元いちか(山崎紘菜さん)、暴力を愛する問題児・天谷武(神木隆之介さん)らと挑むことになり……というストーリー。

 冒頭からいきなり“三池ワールド”が全開だ。ダルマさんが転んだで失敗した生徒の首が吹っ飛ぶシーンでは、血の代わりに赤いビー玉で表現されているが、ビー玉がジャラジャラと転がるシーンは異様で、さすがは残酷な描写に定評がある三池監督、想像以上に恐怖とグロテスクさが表現されている。原作は謎が多く予測不能なストーリーで人気だが、映画もスピーディーでミステリアスな物語が展開され、いい意味で予想を裏切ってくれる。シビアな状況ながら登場する敵キャラクターの造形が愛くるしかったり、福士さんがネズミの着ぐるみを着る場面など、あまりの振り幅の大きさに思わず笑ってしまうシーンも。福士さんや神木さんほか、染谷将太さん、大森南朋さんら豪華なキャストがそろう中、思いがけずあっという間に退場してしまう人もいて驚かされる。物語に身を任せてスピーディーな物語に身を委ねるといいだろう。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「パワー・ゲーム」 巨大企業のカリスマと若手社員の頭脳戦を描くサスペンス

映画「パワー・ゲーム」予告編 ハリソン・フォード、ゲイリー・オールドマンが共演

 IT業界を舞台に、2人のカリスマCEOと産業スパイとなった若手社員の戦いを描くビジネス・サスペンス「パワー・ゲーム」(ロバート・ルケティック監督)が11月15日に公開される。今作は、ジョゼフ・フィンダーさんのベストセラー小説「侵入社員」を基に映画化され、「ハンガー・ゲーム」シリーズなどのリアム・ヘムズワースさんが主演し、権力者同士の争いに巻き込まれた若手社員・アダム役を熱演。さらにハリソン・フォードさんとゲイリー・オールドマンさんが「エアフォース・ワン」以来、17年ぶりに共演し、円熟味あふれる演技で2大カリスマ経営者を重厚に演じている。

 急成長を遂げる巨大IT企業・ワイアット社に勤務するアダム(ヘムズワースさん)は、CEOのワイアット(オールドマンさん)の前で新ソフトのプレゼンを行うも失敗し、揚げ句の果てにチーム全員とともに解雇されてしまう。そして、とある出来事からワイアットに弱みを握られたアダムは、ライバル社であるゴダード(フォードさん)率いるアイコン社が開発している新製品の情報を入手するべく、スパイとして潜入することを命じられる。やむなく条件を受け入れたアダムはアイコン社に潜入するが……という展開。

 主演をさしおいて恐縮だが、やはり注目なのは、フォードさんとオールドマンさんという2大スターの共演だ。「エアフォース・ワン」で大統領とテロリストという役柄で共演した2人が、時を経て再び火花を散らす姿は映画ファンならずとも期待に胸躍る。2人が演じるワイアットとゴダードが論戦を展開する丁々発止のシーンは、派手なアクションなどなくしても手に汗握る緊迫感がひしひしと伝わってくる。特にフォードさんがダークな雰囲気を漂わせている役を演じるのは極めてめずらしいが、すごみのある演技には圧倒される。そんな2大スターにはさまれ主演を務めたヘムズワースさんも、現代の若者気質を見事に体現。随所に出てくる監視装置にはネット社会の恐怖を感じてしまう。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「楽園追放」 虚淵×水島精二のオリジナルアニメ  派手なバトルと重厚なテーマ

映画「楽園追放 -Expelled from Paradise-」予告編

 「魔法少女まどか☆マギカ」「仮面ライダー鎧武」などの虚淵玄(うろぶち・げん)さんが脚本を手がけた劇場版アニメ「楽園追放-Expelled from Paradise-」(水島精二監督)が11月15日に公開される。虚淵さんと「機動戦士ガンダム00(ダブルオー)」などの水島監督が初めてタッグを組んだオリジナルアニメで、3DCGによる派手なバトルシーンを描きつつ、人間の尊厳などをテーマとしたSF作品に仕上がっている。

 映画は、人類の多くが電脳世界・ディーヴァで暮らす世界を舞台に、電脳世界から飛び出したシステム捜査官のアンジェラが謎のハッキングの狙いを探っていく姿を描く。アンジェラは、ディーヴァのシステムにエラーが発生した際、トラブルを解決するシステム捜査官で、フロンティアセッターと名乗る謎のハッカーを捜すために、“地上世界”に飛び出す。地上世界では、エージェントのディンゴとともにフロンティアセッターを捜すことになる。

 アンジェラは、地上世界のルールに戸惑い、飄々(ひょうひょう)としていて何を考えているのか分からないディンゴにも不信感を抱く。しかし、ディンゴの人間性に触れる中で、徐々に地上世界を理解していく。電脳世界はユートピアのように見えるが、人間の尊厳が侵害され、管理されたディストピアなのかもしれない……とアンジェラの心の揺れ動きが描かれる。

 テレビアニメでも、メカだけでなくキャラクターを3DCGで描いた作品が増えつつあり、“セルルック”と呼ばれるセルアニメに近い表現ができる手法が注目されている。中には動きがヌルッとしていて違和感のある作品もあるが、「楽園追放」のキャラクターはセルルックによって、“自然”に躍動しつつ、豊かな表情を見せている。また、ミサイルが飛び交う激しいロボットバトルも見どころだ。

 釘宮理恵さんがアンジェラ、三木眞一郎さんがディンゴ、神谷浩史さんがフロンティアセッターの声を担当し、東映アニメーションが製作。15日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(小西鉄兵/毎日新聞デジタル)

「TATSUMI マンガに革命を起こした男」 劇画の生みの親・辰巳ヨシヒロの生きざま

映画「TATSUMI マンガに革命を起こした男」予告編

 劇場版アニメ「TATSUMI マンガに革命を起こした男」(エリック・クー監督)が11月15日に公開される。今作は“劇画”の生みの親であるマンガ家・辰巳ヨシヒロさんの自伝エッセーマンガ「劇画漂流」(青林工藝舎)と代表的な短編5作が原作で、大人が読めるマンガ「劇画」を作り出し、高度成長期の日本の光と影を描き続けた作者の半生を描いている。俳優の別所哲也さんが一人6役で各キャラクターを演じ、戦後日本の歩みも含めた独自の視点で劇画の黎明期(れいめいき)を描き出した。

 戦後間もなく、マンガを描くことに熱中していた少年・辰巳ヨシヒロは、憧れの手塚治虫との出会いを機にマンガ家になることを決意。出版社に認められてデビューを果たし、貧しい家計を支え、順調なスタートを切った辰巳だったが、子供向けで笑いの要素が中心のマンガのあり方に疑問を感じる。1957年、22歳となった辰巳は大人向けに写実的な描写と動きのあるコマ割りで描く手法“劇画”を確立し……という展開。

 今作は劇場アニメだが、一般的に連想されるアニメとは少し趣を異にしており、劇画を生み出した辰巳さんのタッチをかなりの再現率で表現している。これだけでも一見の価値があり、海外では高い評価を得ている辰巳作品の素晴らしさを十分に感じることができる。映画では短編5本が挿入され、戦後の復興や高度成長など急激に変化する時代の中で、流れに取り残され戸惑いながらも泥くさく生きる市井の人々の生きざまが描かれる。誰もが幸せを願っているのにかなえられず、鬱屈(うっくつ)とした閉塞(へいそく)感に包まれ、痛みや闇といったものが打ち寄せてくる中、それでも夢を見て力強く生きる人間の姿がスクリーンから迫ってきて圧倒される。15日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

「6才のボクが、大人になるまで。」すべてが“本物”の12年にわたる家族の物語

映画「6才のボクが、大人になるまで。」予告編

 一つの家族を4人の俳優が12年にわたって演じた映画「6才のボクが、大人になるまで。」が11月14日から全国で公開される。毎年、数日間撮影し、その間、リチャード・リンクレイター監督が脚本を書き、それを144カ月続けたという野心作だ。今年2月に開催されたベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)に輝いている。

 6歳の少年メイソンは、女手一つで自分と姉サマンサを育てる母がキャリアアップのために大学行きを決めたことで、祖母がいるヒューストンに引っ越すことになる。その後、アラスカから戻った父と再会、母の再婚や義父の暴力、父の再婚など目まぐるしく変わる環境の中で、メイソン自身も思春期や初恋を体験し、やがて大人になっていく……というストーリー。

 メイソンとその家族の12年間。映っているのは彼らの人生の断片に過ぎないが、それをつなげたことで思い出がたっぷり詰まった壮大な叙事詩となった。メイソンを演じたのは、リンクレイター監督がオーディションで見いだしたというエラー・コルトレーンさん。姉サマンサにリンクレイター監督の実娘ローレライ・リンクレイターさんが扮(ふん)しているほか、母オリビアをパトリシア・アークエットさんが、オリビアの元夫でメイソンとサマンサの父メイソンSr.をイーサン・ホークさんが演じている。

 上映中の2時間45分の間、しばしば不思議な感覚に陥った。小道具は、撮影当時、実際にそこにあったものだし、6歳のメイソンも18歳のメイソンも、演じているのは同じ人物だ。つまりここには12年にわたる“本物の時間”が流れている。だからこそ、そのときどきの4人のお芝居に演技を超えたものを感じ、18歳のメイソンを見たときは感慨深く、それこそ息子の“巣立ち”に涙したオリビアの気持ちが痛いほど理解できた。キャストの途中降板もありえたはずだ。にもかかわらず、リンクレイター監督をはじめ俳優たちの無謀ともいえる12年間のチャレンジに感服せずにいられない。とりわけ体形の変化をものともせず、やがて自立した女性へと生まれ変わる母を演じ切ったアークエットさんの女優魂にはあっぱれだ。14日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほか全国で公開。 (りんたいこ/フリーライター)

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