映画まとめ1月19、20日公開 映画紹介&予告編 「嘘を愛する女」「ジオストーム」「パディントン2」「咲‐Saki‐阿知賀編 episode of side-A」

「嘘を愛する女」長澤まさみと高橋一生が恋人同士に うそに隠された真実とは

長澤まさみ、高橋一生の“嘘”にほんろう 映画「嘘を愛する女」予告編
 長澤まさみさん主演の映画「嘘を愛する女」(中江和仁監督)が1月20日からTOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区)ほかで公開。愛する恋人のすべてがうそだったことを知った女性が、恋人の過去を探っていく中で、真実と自らの内面に向き合うことになる異色のラブストーリーだ。ミステリアスな内容もさることながら、長澤さんや恋人役の高橋一生さんらの演技に魅了される。 大手食品メーカーで活躍する川原由加利(長澤さん)には、一緒に住むようになって5年目となる研究医の恋人、小出桔平(高橋さん)がいる。ある夜、自宅に警官がやって来る。桔平がくも膜下出血で倒れ、意識不明で発見されたという。さらに警官は驚くことを由加利に告げる。桔平の持っていた運転免許証や医師免許証は全て偽物で、名前すらうそだというのだ。彼は一体誰? 由加利は私立探偵の海原匠(吉田鋼太郎さん)と共に桔平の素性を調べ始めるというストーリー。 ほかに、DAIGOさん、川栄李奈さん、黒木瞳さんらが出演。松たか子さんが作曲を担当した主題歌「つなぐもの」を、自ら歌い上げている。 酔いつぶれた由加利をベッドまで運んだり、風邪気味の由加利の喉の奥をのぞき込んだりと、至れり尽くせりの桔平を見ながら、由加利がうらやましくなった。それだけに、桔平の過去を探る由加利の必死の形相からは、自分にうそをついてきた桔平に対する怒りや無念、己への嫌悪感が伝わってきて身につまされた。 柔らかかったり、寂しそうだったり、いろんな笑顔を浮かべる高橋さんと、大笑いしたり、甘えたり、時にはキツイ言葉を吐いてしまったりと、桔平への愛をいろんな形で表現していく長澤さんの演技が調和して、思わずスクリーンに引き込まれる。 無愛想ながら頼れる探偵、海原に扮(ふん)した吉田さんも渋くてすてきだ。アピールしたいのは、ゴスロリファッションに身を包み、変な日本語を話す、イラっとくる女子大生役が妙にハマっていた川栄さんと、海原の助手役のDAIGOさんだ。特にDAIGOさんのなり切りぶりはすごく、最初は彼と気付かないほどだった。 新たな才能の発掘を目指す「TSUTAYA CREATORS’PROGRAM FILM 2015」の初代グランプリに輝いた企画を、企画者の中江さん自ら脚本を書き、監督した。実在する新聞記事に着想を得て作られたという今作からは、大切な人には日々素直に思いを伝えていかないといけない、というメッセージを受け取った。さて皆さんは、どんなメッセージを受け取るだろうか。(りんたいこ/フリーライター)

「ジオストーム」巨大災害を臨場感あふれる3D映像で描く 兄弟の絆など人間ドラマにも注目

B'zの新曲「Dinosaur」が映画「ジオストーム」日本版主題歌に  予告編が公開
 気象コントロール衛星の暴走が引き起こす「超異常気象」を描いた映画「ジオストーム」が1月19日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで公開。「インデペンデンス・デイ」で製作・脚本を担当したディーン・デブリンさんが監督を務めるディザスタームービーで、臨場感あふれる巨大災害の3D映像はもちろん、兄弟の絆(きずな)を中心とする人間ドラマも見どころだ。 世界中が度重なる自然災害に悩まされている中、全世界の天候を制御する気象コントロール衛星が開発され、世界の天候は完璧に管理されていた。だが運用から約3年のある日、衛星が暴走を始め、アフガニスタンや香港、東京、インドなど世界中で災害が発生。地球滅亡を阻止するために科学技術者のジェイク・ローソン(ジェラルド・バトラーさん)は、弟で国務省に勤めるマックス・ローソン(ジム・スタージェスさん)と協力し、衛星プログラムの異常を解決するため宇宙ステーションへと旅立つが……というストーリー。 日本語吹き替え版では主演のジェイク役の声を俳優の上川隆也さん、マックス役を山本耕史さん、マックスの恋人で女性シークレット・サービスのサラ(アビー・コーニッシュさん)を声優初挑戦のお笑いタレント、ブルゾンちえみさんが演じている。 地球を災害から救うために宇宙で危機に挑むジェイクと、兄をサポートし災害を引き起こした何者かの野望を食い止めようと地上で奮闘するマックス。宇宙と地上、二つの戦いが同時並行で進んでいく。過去のいきさつから序盤ではわだかまりを抱えて相対する兄弟が、一つの目的のために協力し合う姿は胸を打つ。 その2人にとどまらず、父と娘との関係や恋人との絆など、これでもかとテーマが盛り込まれ、ハリウッド映画の王道という趣だ。それゆえに個人的にはやや既視感を覚える場面もあったが、スピーディーな展開や津波、竜巻、熱風などの迫力ある3D映像、スリリングなカーアクションなど見どころは多く、最後まで飽きさせない仕上がり。日本語吹き替え版では、ブルゾンさんの声優初挑戦とは思えないほどマッチした演技も必見だ。(河鰭悠太郎/フリーライター)

「パディントン2」シリーズ第2弾 人気キャラが暴走汽車から飛び移るアクションで大奮闘

パディントンがまさかの逮捕? 映画「パディントン2」特別映像
 映画「パディントン2」(ポール・キング監督)が、1月19日から東京・TOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開。すっかりロンドンっ子になったクマのパディントンが、おばさん孝行しようとしたところ、落ち目の俳優にはめられて無実の罪を着せられるというストーリー。英俳優のヒュー・グラントさんが演じる敵役を相手に、パディントンがスピーディーなアクションで大奮闘。ワイルドかつ可愛くて、目が離せない。 英国の児童書を映画化しヒットした「パディントン」(2014年)の続編。ロンドンのウィンザー・ガーデンで、ブラウン一家の一員として暮らすパディントン(声・ベン・ウィショーさん)は、育ての親のルーシーおばさんへ100歳の誕生日プレゼントを贈ることを思いつく。プレゼントは、グルーバー(ジム・ブロードベントさん)の骨董(こっとう)品屋で見つけた、ロンドンの街並みを再現した飛び出す絵本にしようと心に決め、初めてのアルバイトに精を出す。 お金がたまった頃、何者かが店から絵本を盗み出すところを目撃したパディントンは、駆け付けた警察によって誤認逮捕されてしまう。絵本には秘密が隠されていて、落ち目の俳優ブキャナン(グラントさん)が狙っていたのだが……という展開。 物語もアクションも前作よりもスケールアップ。パディントンはぬれ衣を着せられて、刑務所に入れられてしまい、ブラウン一家と共に真犯人を追う。おなじみのスーツケースが大活躍。敵を追って暴走する汽車から飛び移るシーンでは、ケースの中の微妙な道具によって、ハラハラ、ドキドキが倍増する。 パディントンが必死なのも、おばさんにロンドンの街を見せたいから。その街並みが、絵本から迷い込んだ映像や、気球から見下ろす風景の中にファンタジックに描き出される。既に家族になったパディントンとブラウン一家、ルーシーおばさんへの温かい愛情にほっこりさせられる。 昨年6月に91歳でこの世を去った原作者のマイケル・ボンドさんの精神を受け継ぎ、「ハリー・ポッター」シリーズのデビッド・ハイマンさんがプロデュースした。「ラブ・アクチュアリー」(03年)などに出演したグラントさんが、ナルシストな落ち目俳優をコミカルに演じ、「ハリー・ポッター」シリーズでマッド・アイ・ムーディ役だったブレンダン・グリーソンさんが、パディントンと男の友情をはぐくむ囚人役でムードを盛り上げる。日本語吹き替え版では、俳優の松坂桃李さん、古田新太さん、斎藤工さん、三戸なつめさんらが声を担当した。(キョーコ/フリーライター)

「咲‐Saki‐阿知賀編 episode of side-A」桜田ひより初主演 スパガ浅川らとマージャンマンガ外伝を華やかに実写化

咲役の浜辺美波が姉の照に 映画「咲-Saki-阿知賀編」宮永照バージョンの予告映像が公開
 人気マージャンマンガ「咲-Saki-」の外伝をもとに実写化した映画「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」(小沼雄一監督)が1月20日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開。「咲-Saki-」は、女子高生らがマージャンで全国制覇を目指す姿を描いたマンガ。「阿知賀編」は、原村和(はらむら・のどか)の幼なじみ、高鴨穏乃(たかかも・しずの)や新子憧(あらたし・あこ)の視点で描かれた外伝だ。和らがかつて在籍した阿知賀女子学院を舞台にした物語が描かれる。 全国高校麻雀大会・奈良県予選で強豪を打ち破り、インターハイ団体戦への出場を決めた阿知賀女子学院・麻雀部の5人。高鴨穏乃(桜田ひよりさん)は長野県代表・清澄高校の主力・原村和(浅川梨奈さん)と幼なじみで、もう一度対局したいという思いで勝ち進んできた。準決勝に進出した穏乃らの前に全国レベルの強豪校が立ちはだかる。清澄高校と対局するため、強敵たちに立ち向かう……というストーリー。 桜田さんが映画初主演。「フェアリーズ」の伊藤萌々香さん、女優の恒松祐里さん、「SUPER☆GiRLS」の渡邉幸愛さん、「私立恵比寿中学」の中山莉子さんの阿知賀メンバー、小倉優香さん、「アップアップガールズ(仮)」の新井愛瞳さん、RaMu(ラム)さん、元AKB48の岩田華怜さんらがライバル校のメンバーとして出演。そのほか女優の南沢奈央さん、矢野優花さんらが出演している。 マージャンがスポーツの一競技のように存在する世界が舞台の物語。17年公開の実写映画「咲-Saki-」もそうだが、やはり対局シーンが見応えがある。何より、キャストが演じる各キャラクターの再現度がかなり高く、特に桜田さん扮(ふん)する穏乃の座り方や打ち方の癖、歩き方など細かいところまで演技のこだわりを感じた。 スポーツ青春もののようにヒロインの穏乃が決勝戦に進んで和と再会できるかどうかという緊迫感もあり、物語をグッと引き締めている。キャスト全員が女性ということもあり、画面が華やかで爽やかなのも見どころだ。(遠藤政樹/フリーライター)

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