映画まとめ9月14日公開 映画紹介&予告編 「響 -HIBIKI-」「3D彼女 リアルガール」「プーと大人になった僕」「愛しのアイリーン」

「響 -HIBIKI-」欅坂46・平手友梨奈が初主演 圧倒的才能の女子高生作家が乗り移る

欅坂46平手友梨奈 指へし折り、顔面蹴り、平手打ち! 初主演映画「響 -HIBIKI-」の予告映像公開

 アイドルグループ「欅坂46」の平手友梨奈さん主演の映画「響 -HIBIKI-」(月川翔監督)が、9月14日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開。マンガ誌「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で連載中の柳本光晴さんの人気マンガ「響~小説家になる方法~」が原作。平手さんは映画初主演で、デビュー小説で芥川賞と直木賞を同時受賞した天才女子高生作家・鮎喰響(あくい・ひびき)を演じている。マンガで描かれているキャラクターが乗り移ったかのような演技は魅せる。

 文芸誌「木蓮」の編集部に一編の新人賞応募作が郵送されてきた。規定はネット応募のみ受け付け。応募者の連絡先も書いていない。要項を一切無視したその作品は破棄されるはずだったが、編集部の花井ふみ(北川景子さん)が目に留める。それは15歳の女子高生、鮎喰響の書いた「お伽(とぎ)の庭」と題された小説だった。その小説は圧倒的な才能を感じさせるもので、文学界に革命を起こす力を持っていた。

 偶然、響と出会い、何とか連絡先を知ることができた花井は、その小説を世に送り出すことに成功し、芥川賞、直木賞の同時受賞という快挙を成し遂げる。

 だが、響は普通の女子高生ではなかった。自身の信念を貫き、絶対に曲げない。凶暴な一面も持つ特異人物。やがて、過去の栄光にすがる小説家やスクープを追うことに目がくらんだ週刊誌記者、生きることに絶望した作家らに影響を与える……という展開。

 響の所属する文芸部の部長で、父が著名な作家だが響の圧倒的な才能との差に苦しむ女子高生・祖父江凛夏役を、8年ぶりの実写映画出演のアヤカ・ウィルソンさんが演じる。ほかに高嶋政伸さん、柳楽優弥さんらが出演。昨年、実写版「君の膵臓(すいぞう)をたべたい」を手がけ、今年は「となりの怪物くん」「センセイ君主」などが公開された月川翔監督がメガホンをとった。

 とにかく初主演とは思えない平手さんの演技と存在感に圧倒された。予告編にも出てくるように、指をへし折り、顔面蹴り、平手打ちなど直情径行型の響には、最初はあっけにとられたが、そのうち一種の爽快感に変わっていった。

 響が小説の感想を作家に伝える際、社会的地位や年齢、性別などおかまいなしだ。言葉には真の感情しか込められていない。「あなたの小説、好き」と握手する時の笑顔に、心が救われた。圧倒的な才能、カリスマ性を持っている人物は、こんなにも人を引き付けるものか。

 平手さんの外見は、マンガで描かれている響の鋭い顔の輪郭とは真逆の丸顔だが、演技はキャラに寄せているどころではなく、そのものだ。月川監督が「平手友梨奈は響で居ることのほうが自然体に見えるほど。驚きの速度で成長し、あっという間に魅了されてしまった」と語っている通り、現場で監督をもとりこにしてしまった。ここまではまり役はめったに見られない。マンガ実写化の正統的な一編に仕上がっている。(細田尚子/MANTAN)

「3D彼女 リアルガール」中条あやみ&佐野勇斗 リア充完璧美少女とオタク高校生の恋の行方は?

佐野勇斗が中条あやみにキス?主題歌は西野カナ 映画「3D彼女 リアルガール」本予告が公開

 女優の中条あやみさん主演の映画「3D彼女 リアルガール」(英勉=はなぶさ・つとむ=監督)が、9月14日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開。少女マンガ誌「デザート」(講談社)で2011~16年に連載された那波マオさんの同名マンガが原作。中条さん演じる男グセが悪いとうわさの超絶美少女と、佐野勇斗さん演じるオタク高校生の恋愛を描いたラブコメディーだ。

 ゲームやアニメのバーチャルな世界に没頭する二次元オタクの高校生、「つっつん」こと筒井光(佐野さん)は、あることをきっかけに学校一の美少女、五十嵐色葉(中条さん)に「私と付き合って」と告白される。光は、新種のイジメを疑いながらも、色葉との交際をスタートさせるが……というストーリー。

 清水尋也さん、恒松祐里さん、上白石萌歌さん、ゆうたろうさんらが出演しているほか、光がこよなく愛するアニメキャラクター「魔法少女えぞみち」の声を、神田沙也加さんが担当。西野カナさんの歌う主題歌「Bedtime Story」の歌詞は、西野さんが書き下ろした。

 映画の色葉は原作に比べるとギャルっぽさは少ないながら、派手な外見とは裏腹に人間味あふれて心根優しいというキャラクターを、中条さんが自身の愛らしさとルックスで表現。一方で、濱田マリさん演じる光の母を相手に、「マトリックス」(1999年)でキアヌ・リーブスさんが演じたネオばりの身のこなしを見せたりもする。佐野さんも、おどおどと腰が引けた演技で光を好演。プライドの高い同級生ミツヤ(清水さん)を相手に、本人が意図しないまま「壁ドン」「バックハグ」「アゴクイ」する場面は、今作の愉快かつ名場面(?)の一つだ。

 原作のコミックス12巻分がぎゅっと凝縮されている。メガホンをとったのは映画「ヒロイン失格」(2015年)やテレビドラマ「賭ケグルイ」(18年)などで知られる英監督。映画ならではの展開もあるので、原作ファンは、原作とはまた違う感動を味わえるだろう。(りんたいこ/フリーライター)

「プーと大人になった僕」ユアン・マクレガー主演 プーのぎこちない動きがほほ笑ましさ増幅

実写版「くまのプーさん」ピグレット、ティガー、イーヨーも登場! 映画「プーと大人になった僕」予告編が公開

 世界的人気キャラクター「くまのプーさん」を初めて実写映画化した「プーと大人になった僕」(マーク・フォスター監督)が、9月14日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開。英作家A.A.ミルンさんが、息子のクリストファー・ロビンのために書いて1926年に出版された短編集「クマのプーさん」、28年に発行された「プー横丁にたった家」へのオマージュが盛り込まれた内容。ピグレットやティガー、イーヨーといった“100エーカーの森”で暮らすプーの仲間たちも出演している。彼らの生き生きした表情や愛らしい仕草に癒やされること間違いなしだ。

 大親友のプー(ジム・カミングスさん)と別れ、寄宿学校に入った少年クリストファー・ロビン。やがて彼は成長し、結婚した。一人娘にも恵まれ、今はロンドンにある商事会社で働く。仕事に追われ、家族と過ごす時間の無い彼の前に、ある日、プーが現れる。「森の仲間たちが見付からない。一緒に探してほしい」と頼まれたロビンはプーを放っておけず、子供時代を過ごした“100エーカーの森”へ向かうのだが……というストーリー。大人になったロビンを、英俳優ユアン・マクレガーさんが演じ、日本語吹き替えは俳優の堺雅人さんが担当している。

 プーにあんなつぶらな黒い瞳で見つめられ、頼み事をされたら、ロビンでなくても一肌脱ぐ気になってしまう。撮影には、ぬいぐるみの実物が使用されたという。決してふさふさとはいい難い、長年愛用されてきたからこそのペタっとした毛並みが郷愁を誘う。コンピューターの最新技術を借りているとはいえ、アナログ感たっぷりのぎこちない動きが、ほほ笑ましさを増幅させる。

 ハチミツでベトベトになった足がじゅうたんにくっついて身動きが取れなくなったり、列車に乗り、「家、木、雲……」と見えるものを口に出して言うゲームを始め、ロビンに「静かにしてくれ」とたしなめられたりと、無邪気で甘えん坊なプーにはニコニコさせられっ放しだ。一方で、プーが口にする含蓄あるせりふには何度も胸を突かれた。詩的で哀愁すら感じさせる映像には、ファンタジーを超えた芸術性を感じた。子供には夢を与え、大人には人生における大切なことを気付かせてくれるすてきな映画だ。(りんたいこ/フリーライター)

「愛しのアイリーン」新井英樹の名作マンガを実写映画化 安田顕が体を張って42歳ダメ男を熱演

安田顕が絶叫 映画「愛しのアイリーン」予告編

 俳優の安田顕さん主演の映画「愛しのアイリーン」(吉田恵輔監督)が、9月14日からTOHOシネマズ シャンテ(東京都千代田区)ほかで公開。嫁不足の農村に暮らす42歳の独身男性、岩男とフィリピン女性アイリーンの国際結婚と、2人が直面するさまざまな問題を描いたラブ&バイオレンス作品。不器用でうまく女性とコミュニケーションできず極端な思考と行動に走る岩男を作り上げた安田さんの熱演に注目したい。

 一世一代の恋に玉砕した岩男(安田さん)は、家を飛び出し、勤務先のパチンコ店を欠勤。300万円を払ってフィリピンの嫁探しツアーに参加する。30人もの現地女性とお見合いを繰り返した後、半ばやけになって決めた結婚相手は、貧しい漁村に生まれたアイリーンだった。岩男がアイリーンと共に2週間ぶりに実家へ戻ると、急死した父・源造の葬儀の最中だった。見ず知らずのフィリピン女性を嫁にもらったことに母・ツル(木野花さん)は激高し、猟銃を持ち出す騒ぎになる。こうして波乱に満ちた岩男とアイリーンの新婚生活が始まるが……。

 「ザ・ワールド・イズ・マイン」や「宮本から君へ」などで知られる新井英樹さんのマンガが原作。アイリーン役はフィリピンオーディションで吉田監督が見いだしたナッツ・シトイさん。伊勢谷友介さん、田中要次さん、福士誠治さん、品川徹さんらも出演している。

 これまで数々の作品で熱狂的ファンを生み出してきた新井作品の中で初の実写映画化。リアリティーにあふれた生々しい人間描写が特徴の新井作品が、どうスクリーンに映し出されるのか……。不安と期待の半々で観賞したが、安田さんの体を張った熱演が見事で、時に滑稽(こっけい)な姿に笑い、時にあまりの痛々しさに目を背けたくなり……と、いつしか映像に引き込まれていた。

 原作の岩男は熊のような大男であり、きゃしゃで端正な顔立ちの安田さんとは外見上のギャップがあるのでは、と感じていたが、陰鬱(いんうつ)でぼそぼそとしゃべり、卑猥(ひわい)なせりふを人目はばからず絶叫するその姿は、生身の岩男だった。アイリーンとツルも汚い言葉でののしり合うなど、主要キャラクターたちは、人の見たくない部分をこれでもかと見せつける。だが、その生々しさがいっそすがすがしくもあり、後半の怒涛(どとう)の展開の末に待つラストシーンを際立たせていた。(河鰭悠太郎/フリーライター)

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