「仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」平成ライダーの共闘に胸アツ!
特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの劇場版最新作「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」(山口恭平監督)が12月22日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開。2000年に放送を開始した平成仮面ライダー第1作「仮面ライダークウガ」から、放送中の第20作「仮面ライダージオウ」まで歴代平成仮面ライダーが結集し、共闘する姿を描く。 常磐ソウゴ/仮面ライダージオウ(奥野壮さん)と、桐生戦兎/仮面ライダービルド(犬飼貴丈さん)の世界で、別人と入れ替わるように仲間たちが次々と記憶を失う異変が発生。そんな2人の前に、シンゴという少年を追うスーパータイムジャッカーのティード(大東駿介さん)が現れる。シンゴを守るため戦う中で、ソウゴは仮面ライダー好きの青年アタル(福崎那由他さん)と出会う。戦兎はティードに単身戦いを挑むも洗脳されて操られてしまう。そんな中、アタルは「仮面ライダーは現実の存在ではない」と告白する……というストーリー。 仮面ライダージオウは当初、そのデザインの斬新さが話題となった。各ライダーの平仮名やカタカナなどの表記が見事にマッチしていてカッコよく、それでいてほのかに漂う可愛らしさもたまらない。同じようなタイプのディケイドとのすみ分けもうまくできている。 仮面ライダーがフィクションになった世界というストーリー展開は衝撃的で、平成シリーズが一挙登場する“お祭り”的な意味合いを含めて、物語の面白さが秀逸。人それぞれ思い入れがあるライダーの活躍を楽しみながら見るのも一興だ。(遠藤政樹/フリーライター)
「シュガー・ラッシュ:オンライン」続編はネットが舞台 歴代ディズニープリンセスも登場
ディズニー・アニメーションスタジオの劇場版アニメ「シュガー・ラッシュ:オンライン」(リッチ・ムーア監督、フィル・ジョンストン監督)が12月21日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開。「シュガー・ラッシュ」(2012年)の続編。舞台がアーケードゲームからインターネットの世界へ移り、前作で親友となったラルフとヴァネロペが大冒険を繰り広げる。 アーケードゲームの人気レースゲーム「シュガー・ラッシュ」のハンドルが壊れ、廃棄処分の危機にさらされる。シュガー・ラッシュのキャラクター、ヴァネロペ(サラ・シルバーマンさん/諸星すみれさん)と、アーケードゲームの悪役キャラで、ヴァネロペの大親友ラルフ(ジョン・C・ライリーさん/山寺宏一さん)は、ハンドルを手に入れるためにインターネットの世界へ飛び込む……というストーリー。 ネットの世界ならではの新キャラたちが登場。その一人が、過激なレースゲーム「スローターレース」のカリスマレーサー、シャンクだ。レーステクニックもさることながら、知性と優しさを兼ね備えた彼女がめちゃくちゃカッコいい。声を担当するのは「ワンダーウーマン」(17年)のガル・ガドットさん。日本語吹き替え版では女優の菜々緒さんが演じている。 ネットの世界がほどよく擬人化されている。そのアイデアが秀逸で、「ネットの中ってこんなふうになっているのか」と妙に納得させられた。半面、ネットに潜む落とし穴にも言及し、さりげなく注意喚起するなど抜かりはない。歴代のディズニープリンセスたちも登場。やんちゃでチャーミングなヴァネロペは、彼女たちの中にあっても見劣りしない。ヴァネロペから影響を受けたプリンセスたちが堅苦しい衣装を脱ぎ捨て、現代ファッション(?)に着替えて語り合う光景は、さながら“女子会”だ。このとき、ちょっとやぼったく見えた白雪姫には笑ってしまった。(りんたいこ/フリーライター)
「アリー/ スター誕生」レディー・ガガ初主演作 歌唱シーンに魂を揺さぶられる
米人気歌手レディー・ガガさんの初主演映画「アリー/ スター誕生」(ブラッドリー・クーパー監督)が12月21日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開。国民的ミュージシャンのジャクソンに才能を見いだされ、一気にスターダムを駆け上っていくガガさん演じるアリーの栄光と葛藤、そしてジャクソンとの愛が描かれる。ジャクソンをクーパー監督が演じている。ガガさんとクーパーさん、2人の歌声に魅了された。 昼はウエートレスとして働き、夜は小さなバーで歌いながら、歌手になることを夢見るアリー。ある日、人気ミュージシャンのジャクソンがアリーの店を訪れる。アリーの歌声に魅了されたジャクソンの導きで、瞬く間にスターダムを駆け上がるアリー。それと同時に2人の愛と絆は強まっていくが……というストーリー。 アリーがジャクソンの前で自作曲を歌う場面。ジャクソンに促されステージに立ったアリーが、おずおずと歌い出し、やがてジャクソンとのデュエットに発展していくシーンなど数々の歌唱シーンに魂を揺さぶられた。奇抜なファッションとメークで見慣れていたガガさんの、素顔の美しさに驚かされた。監督としてガガさんの魅力を存分に引き出し、アリーを支える役に徹しながら、演技面でも歌唱面でも存在感を示したクーパーさんに感服した。 アリーがさんざん虐げられ、その苦労を蹴散らし、徐々に栄光を手に入れていく展開を予想していた。ところが実際はトントン拍子に話が進み、「簡単すぎる」と困惑した。しかし、そこからが作品の妙。ストーリー進行に合わせて、こちらの感情は浮上したり急降下したり。それを繰り返しながらラストまで突き進む。スターへの階段を上っていくアリーと、彼女を支えるジャクソン。2人を対比して描かれたことで、彼らの愛の強さが一層深く心にしみた。(りんたいこ/フリーライター)