映画まとめ1月31日公開 映画紹介&予告編 「AI崩壊」「前田建設ファンタジー営業部」

「AI崩壊」大沢たかおの体を張った逃走劇! 人間に牙をむいたAIに薄ら寒さ

“AI”つながり!? 主題歌はAIの書き下ろし「僕らを待つ場所」 大沢たかお主演映画「AI崩壊」予告編公開
 俳優の大沢たかおさん主演の映画「AI崩壊」(入江悠監督)が、1月31日からTOHOシネマズ日本橋(東京都中央区)ほかで公開される。10年後の近未来を舞台に、医療AI(人工知能)が人間を殺し始めるというサスペンス作。本来、人間を幸せにするために作られ日々進化を続けるAIが、もし人間に牙をむいたら? 普段、誰もが危惧していることを真っ向から描いた作品だ。 2030年、人間のために作られた医療AI「のぞみ」が突然暴走し、人間の命を選別し始めた。AIを暴走させたテロリストとして捜査線上に上がったのは、開発者の科学者、桐生浩介(大沢さん)。逮捕寸前に逃走した桐生を、警察庁の捜査官・桜庭誠(岩田剛典さん)率いるサイバー犯罪対策課がAI監視網を駆使して桐生を追う。 桐生と共にAIを研究・開発した桐生の亡妻役で松嶋菜々子さん、桐生の義弟役で賀来賢人さん、警視庁捜査1課の刑事役で三浦友和さん、広瀬アリスさんらが出演する。 映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」(2017年)が高く評価された入江監督のオリジナルストーリー。「元々AIに興味があり、今やるならこれしかない」と監督は勝負を懸けた。 国民のあらゆる生活データを収集、管理する「のぞみ」が暴走したことで、病院では生命維持装置がダウンし、銀行では預金口座がたちまちゼロに。自動運転装置付きの自動車も制御不能になる。それらは現実社会でも十分起こりうることだ。それだけに、ただの絵空事と済ませられない薄ら寒さを覚えた。 スピード感、スリルを重視した作りで、終始緊張が緩むことはなかった。日本各地での撮影も見どころで、とりわけ、名古屋の公道を全面封鎖して撮影されたというシーンでは、一部CG処理がなされているとはいえ、ここまでやるかとそのスケールの大きさに度肝を抜かれた。 映画「逃亡者」(1993年)のハリソン・フォードさんさながらの逃走劇を見せた大沢さん。昨年12月に開かれた完成報告会見では、真冬の厳寒の中、スタントマンなしで3週間ずっと走っていたこと、海での過酷な体験を明かしていた。その体を張った演技にも注目だ。(りんたいこ/フリーライター)

「前田建設ファンタジー営業部」マジンガーZの格納庫建設に挑んだ実話を映画化 大人たちの胸熱な戦い

マジンガーZの格納庫を建設!?映画「前田建設ファンタジー営業部」予告編
 一見無意味なことに本気で取り組んだサラリーマンたちを描く映画「前田建設ファンタジー営業部」(英勉監督)が、1月31日から新宿バルト9(東京都新宿区)で公開される。総合建設会社・前田建設工業(東京都千代田区)のファンタジー営業部の実話を基にした物語。1970年代を中心に人気を集めた永井豪さん原作のロボットアニメ「マジンガーZ」に登場するマジンガーZの地下格納庫兼プールを造ったらどうなるのか。そんな突拍子もないプロジェクトに挑んだサラリーマンたちは……。 前田建設工業広報グループの上司アサガワの「うちの技術で、マジンガーの格納庫を作ろう!」という一言から始まる。舞台となる2003年は、バブル経済崩壊を経て、建設業界が先行きに不安を抱えている状況だった。そんな中でアサガワが考え出したのが、アニメやマンガの世界をブルーオーシャン(新市場)として、そこからの発注を受け、実現を目指して検討する……という体裁のプロジェクトだった。 ただし、実物としては作らない。実物を作るのと全く同じように取り組み、設計図と見積書を完成させ、“心の中に建設する”という途方もないプロジェクトに挑む。 俳優の高杉真宙さんが、広報グループの冷静な若手社員ドイを演じ、熱血上司アサガワ役でお笑いコンビ「おぎやはぎ」の小木博明さんが出演。プロジェクトに挑む個性豊かな広報グループのメンバーを上地雄輔さん、岸井ゆきのさん、本多力さんが演じている。2013年に「前田建設ファンタジー営業部」の舞台版を手がけた「ヨーロッパ企画」の上田誠さんが脚本を担当した。 上司のむちゃぶりとも思える難題に、最初は全く乗り気がしない広報グループの面々が、徐々に「マジンガーZ」の世界、そして地下格納庫兼プールの“実現”にのめり込んでいく様子がコミカルかつドラマチックに描かれる。 プロジェクトは架空世界ながら、建設工程はかなりリアルだ。アニメ「マジンガーZ」の出撃シーンを研究しながら、「出撃の時にこぼれた水はどうするのか」と本気で考え、アニメ本編の作画の揺れに苦悩する本気の大人たちが、とても格好良く見えてくる。 ダムやトンネル、発電所など数々の大プロジェクトに携わってきた前田建設工業や、プロジェクトに協力する建設会社の技術の数々も詳細に描かれ、「建設ってすごい」と驚かされた。技術者として登場する掘削オタクのヤマダ役の町田啓太さん、ダムオタクのフワ役の六角精児さんの好演も光る。 「マジンガーZ」の出撃シーンで目にした地下格納庫兼プールは、どのような形で“再現”されるのか。そして、一体どれだけの金と時間が必要なのか。一大プロジェクトの全貌に、胸が熱くなった。(岡本温子/MANTAN)

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