「仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ」最終回後の世界で再び変身!
Vシネマ「仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ」(諸田敏監督)が2月28日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。特撮ドラマ「仮面ライダージオウ」(テレビ朝日系)の最終回のその後を描く。それぞれの進路を決めようとしているゲイツ(押田岳さん)、ソウゴ(奥野壮さん)、ツクヨミ(大幡しえりさん)ら普通の高校生たちが、再び仮面ライダーに変身して戦う姿を描く。 柔道でメダルを取る夢に向かって練習に励むゲイツは、試合中に再起不能のけがをして選手生命を絶たれてしまう。傷心のゲイツの前に、謎の青年がウォッチとドライバーを差し出して言う。「私はウォズ。君を救世主に導くためにやって来た。そうでないと、常磐ソウゴが最低最悪の魔王として、その名を轟(とどろ)かせる」。クラスには、海東大樹と名乗る転校生も現れ……。 レジェンド“2号ライダー”の海東大樹/仮面ライダーディエンド役の戸谷公人さん、照井竜/仮面ライダーアクセル役の木ノ本嶺浩さん、草加雅人/仮面ライダーカイザ役の村上幸平さんらも出演している。 平成“2号ライダー”のライドウォッチをちりばめた新フォーム「ゲイツマジェスティ」は、赤を基調とした外見がカッコよく、アクションしている姿も見応えがある。ストーリー的には、テレビ版のソウゴとウォズの出会いを彷彿(ほうふつ)させるゲイツとウォズの出会いには思わずニヤリとさせられる。ゲイツが再び変身するまでの葛藤や、いざ変身する際の状況にはグッとくる。4人での変身シーンも壮観だ。 これまでの映画では出番のなかった、ウール役の板垣李光人さん、オーラ役の紺野彩夏さん、スウォルツ役の兼崎健太郎さんの3人が出演しているのもうれしいところ。学園パートはほのぼのした感じも楽しい。そして今回もやはりウォズの立ち回りぶりが興味深く、ますますその怪しさに魅せられた。(遠藤政樹/フリーライター)
「初恋」窪田正孝×三池崇史監督 孤独でピュアな2人を巻き込む裏社会の抗争劇が痛快
三池崇史監督の初の恋愛もので、窪田正孝さん主演の映画「初恋」が2月28日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほかで公開される。ヒロインは、3000人からオーディションで選ばれた新星の小西桜子さん。大森南朋さん、染谷将太さんら実力派キャストが集結している。医師から余命宣告を受けたボクサーが、偶然出会った少女と共に、裏社会の抗争に巻き込まれていくオリジナルストーリー。ピュアな恋と、バイオレンス・アクションという三池ワールドが炸裂(さくれつ)する。 天涯孤独のプロボクサー、葛城レオ(窪田さん)は、まれな才能を持ちながら格下相手にKO負けし、医師からは余命わずかだと告げられる。失意のうちに新宿・歌舞伎町をうろついていると、大伴刑事(大森さん)に追われたワケありの少女モニカ(小西さん)と出会う。レオはモニカと行動するうちに、大伴刑事とヤクザの双方から追われることになる……という展開。 窪田さんと小西さんの透明感は、一夜の夢のような切なさが漂う。一方、ヤクザたちはギラギラしていて面白い。策士のヤクザ、加瀬役を染谷さんが演じるほか、塩見三省さん、村上淳さん、内野聖陽さんらが渋い魅力たっぷりに演じている。 ベッキーさんの怪演も見逃せない。三浦貴大さん演じる半グレ上がりのヤクザ、ヤスにほれているジュリ役で、激しいアクションもこなしながら、復讐(ふくしゅう)の鬼となってキレまくり、狂気さえもいじらしく見えてくる。 ピュアで孤独なレオとモニカが一瞬にして出会い、濃密な夜が始まる。2人の周辺で、アクの強いコワモテ連中の抗争が痛快に展開されていく。ヤクザと裏取引をする悪党刑事、刑事に協力すると見せかけて私腹を肥やすヤクザ。チャイニーズマフィアの面々も粒ぞろい。強烈なキャラクターを、全ての俳優たちがエネルギーMAXで演じていて、一瞬も目が離せない。 それぞれが腹の底で勝手な欲望を抱えている姿が、滑稽(こっけい)なシーンで語られ、度肝を抜かれる。危険な逃避行の中で、生きる瞬間を共にし、心を寄せ合うレオとモニカ。2人の運命の行方にハラハラ、ドキドキする。 三池監督は、ドラマ「ケータイ捜査官7」(2008年)のオーディションで窪田さんを見いだし、「十三人の刺客」(2010年)でも起用。今回の作品で本格タッグを組んだ。トロント国際映画祭をはじめ、世界の映画祭と全米で先行公開され、世界を沸かせている。「孤狼の血」、「パンク侍、斬られて候」(2018年)などの紀伊宗之さんが企画・プロデュースを担当している。(キョーコ/フリーライター)