【動画】山崎賢人がピアノ調律師を熱演 映画「羊と鋼の森」予告編 EDテーマは久石譲&辻井伸行の豪華タッグ
俳優の山崎賢人さんが主演を務める映画「羊と鋼の森」(橋本光二郎監督、6月8日公開)のエンディングテーマの作曲・編曲を久石譲さん、ピアノ演奏を辻井伸行さんが担当することが明らかになった。曲名は「The Dream of the Lambs」で、久石さんと辻井さんは元々原作小説を読んでいて快諾、豪華なタッグが実現した。
昨年夏にコンサートホールにオーケストラを集めて、久石さん自らタクトを振って収録。初対面の2人は互いに「お会いできて光栄です」と喜びの気持ちを表し、本番収録では息の合った演奏をして「本当に楽しかった」と笑顔を見せたという。
久石さんは「辻井くんは本当に素晴らしいピアニストで、特にリズム感がすごいです」、辻井さんは「この曲は感動的で、美しく、弾いていて本当に楽しかったですし、収録があっという間でした。また(久石さんと)ぜひご一緒させていただきたいです」とコメントしている。
映画は「2016年 本屋大賞第1位」を受賞した宮下奈都さんの小説「羊と鋼の森」(文藝春秋)が原作。北海道の田舎で育った主人公・外村(山崎さん)は、ピアノの調律師・板鳥宗一郎(三浦友和さん)が調律したピアノの音に「森の匂い」を感じる。その仕事に魅せられた外村は、専門学校に通った後に板鳥のいる楽器店で調律師として働き、調律師として成長していく……というストーリー。
◇久石譲さんのコメント
ピアニストはいろいろなピアノに出会わなければならない。ピアノによってタッチがそれぞれすごく違います。調律師は求める音を表現してくれる、本当に大事な存在で、音は出さないけど立派な音楽家だと思います。
そんな調律師を描いた原作を、オファーをいただく前に読ませていただきました。成長譚(たん)の美しくてとても良い話。だからこそ、きれいなだけで終わらないように、映画の奥行を出せるように、シビアなミニマル的な部分とメロディアスな部分の交差する曲を作るように意識しました。
その曲を辻井くんと一緒に作ることができてうれしく思います。古典的なスタイルをとりつつ、現代的な曲を作ったのですが、見事に弾いてくれました。辻井くんは本当に素晴らしいピアニストで、特にリズム感がすごいです。無駄なものが無いきちんとしたリズム。これを生かしたいと思って指揮をしました。演奏をしていて、とても楽しかったです。辻井くんとはまたぜひ一緒に演奏させていただきたいですね。
◇辻井伸行さんのコメント
オファーをいただく前に原作を点字の本にして読んでいましたが、ピアノをやっている人なら皆さん興味のある話だと思います。曲にもたくさんのイメージがあったり、ピアノには壮大でカッコいいところがあったり、いろいろな面白いことが分かる素晴らしい物語です。そんな映画の演奏を、久石さんとご一緒させていただけたのは本当に光栄でした。久石さんの大ファンで、素晴らしい曲をずっと聴いていたので、本当にうれしかったです。
久石さんに楽譜をいただいた時に、どのような気持ちで作曲されたのか想像し、また映画のイメージを自分の中で膨らませて、できる限りのことをしようと思って練習し、本番に挑みました。お会いするまでは緊張しましたが、本当にお優しい方で、合わせやすく、またいろいろと勉強させていただきました。この曲は感動的で、美しく、弾いていて本当に楽しかったですし、収録があっという間でした。またぜひご一緒させていただきたいです。
ピアノの調律師さんは僕にとってなくてはならない存在です。ピアニストは演奏するときは1人ですが、調律師さん、観客の皆さんと一緒にコンサートを作り上げていると思っています。国内外のさまざまな場所で調律師さんと出会うのですが、いろいろなタイプの調律師さん、そして会場のピアノと出会えるのは楽しいですね。