【動画】のん、コロナ禍で演じる喜びを再認識「すごくうれしい」 「マロナの幻想的な物語り」日本語吹き替え版完成披露試写会
女優で「創作あーちすと」ののんさんが8月20日、東京・渋谷のユーロライブで行われたアニメーション映画「マロナの幻想的な物語り」日本語吹き替え版の完成披露試写会に、声優の小野友樹さん、夜道雪さん、平川新士さんとともに登壇。コロナ禍の苦しい状況下で映画を世に送り出せたことを喜び、「見てくださった人の心が温まるものに参加すること、表現することを大切に思っています」と語った。
本作は、東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)のグランプリ受賞作。血統書付きで差別主義者の父と、混血で元のら犬だけど美しくて博愛主義の母との間に生まれたハート型の鼻を持つメスの小犬・マロナ(のんさん)は、同時に生まれた9匹の末っ子で、「ナイン」と呼ばれていた。生まれてすぐ家族から引き離され、曲芸師マノーレ(小野さん)の手にわたる。マノーレはマロナを「アナ」と名付ける。アナにとっても、幸せな日々が訪れたかに思えたが……というストーリー。
本作についてのんさんは「素敵な作品。映像表現が面白くてアート性が強い。こんなに違う絵の人たちが共存している映像は、他にないのではないかと思って面白かった。犬の視点で描かれているのが新鮮。人の世界が犬にはこうやって見えているんだなと思って、すごく胸を打ちました」とコメント。
今回初挑戦した犬役は「うれしかったです。動物の役を演じるのは面白そうだと思ったので、緊張しましたけどがんばりました。人間を外側の視点から見ている子で、人に尽くしているところがマロナの素敵なところだと思ったので、それを大事にしました」とほほ笑んだ。
小野さんは、のんの声の演技に関して「原作の声に近い印象を受けた。(字幕版の声優は)凸凸と感情を置いていく、わりと達観した位置でやっていた。のんさんもその意思をくみとつつ、のんさんなりのニュアンスを乗せられていたのが耳に染み入る感覚があった。大きな感情を乗せなくても伝わってくる。そこをすごく感じた」と絶賛。夜道さんも「涙が止まらなかった。鳥肌が立った」とのんを褒め称えた。
マロナの幸せをめぐる本作にかけて、今最も大切なものを尋ねられたのんさんは「見てくださる人に楽しんでもらうことが大切だなとあらためて思います。このフィルター(登壇者同士の飛沫を防ぐシート)とか、色んなことが渦巻いていて、(エンタメなど)不要不急のものが難しくなる中で、こうやってマロナの映画を送り出したりできるのがすごくうれしい。見てくださった人の心が温まるものに参加すること、表現することを大切に思っています」と胸の内を語った。
字幕版は8月29日よりユーロスペースにて先行公開、日本語吹き替え版・字幕版は9月11日より全国順次公開。