パラパラマンガで再ブレーク中のお笑い芸人・鉄拳さんが12月12日、三省堂神保町本店（東京都千代田区）で著書「振り子」（小学館）の発売記念サイン会を開いた。鉄拳さんは、同書に収録されているパラパラマンガをきっかけに再ブレークを果たしたが「営業をやっていないから、先月はギリギリでした。浮き沈みが激しい。何とか年は越せそうです」と厳しい現状を明かした。また「今は（仕事の）99％がパラパラマンガで、営業やライブは、たまにあります。お笑いはやめないけど、もしかしたら方向転換をするかもしれません。仕事がなかったら芸人は......という覚悟はありますね」と今後の方向性に悩んでいる様子だった。

パラパラマンガの「振り子」はバラエティー番組の企画から誕生した作品で、英ロックバンド「Muse（ミューズ）」のミュージックビデオ（MV）に採用され、動画サイト「YouTube」で300万回以上再生されるなど話題となっている。書籍には動画用に描かれた約1500枚の原画を再構成して収録。価格は1365円。

鉄拳さんは「振り子」の制作について「（番組の企画で）他の芸人もパラパラマンガを作ったのですが、忙しいようで1カ月で作っていたけど、僕は仕事がなかったので2カ月かけた。このメークで原宿や巣鴨に行って、お年寄りやカップルに人生について聞きました。原宿では、（ビート）たけしさんにたまたま会って『頑張って』と言われ、励みになった。たけしさんに会ったときから運があったのかもしれない」とうれしそうに語った。

鉄拳さんは現在、パラパラマンガの新作を制作中だといい「今、2週間に1本のペースで描いている。ずっと家にいるから（友人の）芸人さんとも会っていない。テレビを見ないで、音楽を聞きながら描いています。奥さんには『体に悪いからあまり仕事をするな』といわれている。仕事をしすぎて顔にニキビができたんです」と話していた。（毎日新聞デジタル）